季節の変わり目に要注意。喉の痛みがある風邪に~薬剤師が本音でオススメする市販薬⑥
体の調子が悪いとき、病気かな?と思ったとき、病院に行かなくてもすぐに買って使える便利な市販薬。
しかし店頭に並ぶ商品を自己判断で選ぶのは難しいことです。
自分の体質や直面している症状に適した薬を選ぶには、専門家である薬剤師や登録販売者と相談して購入するのがベストです。
薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー、第6回目のテーマは「喉の痛みのある風邪」です。
それでは、いってみよう!
◎今回推薦してくれた薬剤師の皆さん(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)
新ルルAゴールドDX(第一三共ヘルスケア)
喉の痛みに効果の高い総合感冒薬を幾つかご紹介します。
まずはルルから。
■おすすめポイント
・咽頭粘膜の腫れの改善にトラネキサム酸が配合されており、鎮痛成分がアセトアミノフェンなので12歳から服薬できること。
・錠剤で服薬しやすく、価格もお手頃(30錠/税込1,100円)
・のどの痛みがあるときなど風邪の引き始めに備えて家に常備しておくためにおすすめ。
(宇野さらら)
*
ベンザブロックLプレミアム(アリナミン製薬)
のどの痛みに効果がある、イブプロフェンを最大容量で配合していること。
咽頭粘膜の腫れを改善するトラネキサム酸も高容量で配合していること。去痰成分のカルボシステインも配合されている。
■おすすめポイント
のどが痛くて、とにかく早く何とかしたい人向き。
※ただし熱が出ていたり、関節の痛みがあるような場合はどんなにのどが痛くてもお勧めしません。
(宇野さらら)
*
コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα(興和)
すぐれた効き目で医療用薬としても広く使用されているロキソプロフェンを配合。また、抗炎症成分を持ち、のどの痛みに効果のあるトラネキサム酸も配合されている。
剤型としては飲みやすい錠剤で、1箱12錠入りで1210円。
■おすすめポイント
成分としてはシンプルに2剤だけであり、眠気をおこすような成分も含まれていない。カフェインを含まないので夜眠れなくなる心配がない。
のどの痛みが辛く、すぐに効果を実感したい方に。
※第一類医薬品であり、胃潰瘍などの既往歴がある方や、腎機能に心配がある方は薬剤師に相談が必要です。
(小豆田くら子)
*
喉の痛みに効く漢方薬も色々あります。
銀翹散(クラシエ薬品)
「ぎんぎょうさん」と読みます。
漢方の古典といわれる中国の医書、温病条弁[ウンビョウジョウベン]に収載されている「銀翹散」という薬方を基本に創られた処方。9包1,980円(税込)。
■おすすめポイント
5歳から服用可。かぜのひきはじめで、のどの痛み、口が渇いて水が飲みたくなるといった方に。
眠くなる成分無配合なので、運転中、仕事中、勉強中でも安心して飲める。
(ゆきつばめ)
*
ツムラ漢方桔梗湯エキス顆粒(ツムラ)
漢方薬で、自然の草や木からとった「桔梗」と「甘草」の2種類の生薬からできている。桔梗は痰やのどの腫れをおさえ、甘草は炎症や痛みを和らげる。
■おすすめポイント
2剤とものどにも直接作用するため、白湯に溶かしてうがいしながら服用すると効果的。
飲み切りやすい少量の販売となっており、1箱4日分で1100円。
のどが腫れて痛み、咳嗽を伴い、発熱を伴わない風邪の引き初めに。
※他の漢方製剤を服用している方、高血圧、腎機能に異常のある方、心臓病の方は特に薬剤師に相談してから購入してほしい。
(小豆田くら子)
*
桔梗湯にはトローチもあります。
ツムラ漢方トローチ桔梗湯(ツムラ)
のどの痛みに対し、処方薬でもよく見かける桔梗湯。その桔梗湯をトローチにした漢方ではめずらしい製剤。同メーカーの顆粒製剤と成分は同量。
トローチ製剤とすることにより、局所的な効果と唾液の分泌を促す狙い。
■おすすめポイント
顆粒製剤は2歳以上から服用が可能である一方、こちらのトローチは5歳以上から。しかし、年齢に応じた1回量の調節は容易。
のどの痛み、違和感を感じ始めた方に。漢方に服用しづらいイメージをお持ちの方にも。
(ふらんすぴあの)
*
桔梗湯の成分は桔梗(キキョウ)と甘草(カンゾウ)。
そのカンゾウを配合しているのがこちら。
ペラックT錠(第一三共ヘルスケア)
のどの痛み、腫れの原因となる炎症を抑えるメカニズムに着目した処方設計。抗炎症成分トラネキサム酸・カンゾウ乾燥エキスと、ビタミンB6、B2、Cを配合。
■おすすめポイント
7歳から服用可。眠くなる成分無配合なので、運転中、仕事中、勉強中でも安心して飲めます。口内炎にも。
(ゆきつばめ)
*
さらに、このペラックにはCOOLな細粒タイプもあります。
ペラックT細粒COOL(第一三共ヘルスケア)
トラネキサム酸とカンゾウ乾燥エキスはどちらものどの炎症を抑える成分。
今までぺラックは錠剤しかなかったが、細粒が発売された。
メントールが入っているので飲んだ時の爽快感が良い。
■おすすめポイント
鼻水は出ないし、熱もなく、咳もでない。でものどだけが痛いという人に。
粉薬でも飲める方で、スーッとするのが好きな人にはおすすめ。
(日陰ましう)
*
使いやすさを求める方には水なしで飲めるチュアブル錠を。
パブロンのど錠(大正製薬)
■おすすめポイント
2つの抗炎症成分と口腔内の粘膜を正常化させるビタミンで構成された製剤。同様の処方は他のメーカーからも販売されているが、水なしで飲めるチュアブル錠であり服用のしやすさという点から推奨したい。
職場や外出先でも服用しやすい製品をお求めの方に。
(ふらんすぴあの)
*
監修者コメント
抗炎症作用のあるロキロプロフェンやイブプロフェン、トラネキサム酸などが配合された、喉の痛みに効果があるOTCが多数販売されています。
桔梗湯も、温かいお湯でうがいするようにして服用すると効果が高いと思います。
トローチやうがいと併用するとより効果がありそうですね。
<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)
著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。