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暮らしの薬学【歯磨き剤編】~①歯磨きはとっても大事!

毎度どうも。薬局活用ガイド編集部のミズホです。
シリーズ『暮らしの薬学』、日焼け止め、殺虫剤ときて、今回は歯磨きを取り上げます。
(いつものように薬剤師のナナコさんとの会話で幕を開ける。そう、こんな風に始まるのです)

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ミズホ「子供たちに『ちゃんと歯を磨きなさい!虫歯ができても知らないよ~』なんて言っている私が、なんだか歯がむずむず、ずきずきしてきちゃって。それに毎日マスクでしょ。なんかマスクが臭いのよね~。毎日磨いているのになあ~。」

薬剤師ナナコ「口は、健康の入り口、魂の出口」って昔から言うのよ。口の中を正常にするってことはとても大事なことなのよ。歯のケアは体全体にも影響を与えることだから、しっかりとケアしないとね。

ミズホ「魂の、出口…」

歯磨きはとっても大事

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ナナコ「8020運動って知ってる? 80歳になっても20本以上自分の歯を保って充実した人生を送る、という運動です。家でも学校でも歯磨きは大事!と教わってきたよね。そのおかげで、1日3回歯を磨く人は約28%(平成28年度歯科実態調査)という報告もあるんです!」

ミズホ「私も子どもの頃からずっと食後の歯磨きは欠かさないよ。でも、なぜか虫歯ができるんだよね」

ナナコ「それはなぜかというと、虫歯の原因や口臭の原因になるものを除去する歯磨きができていないからなんです。水で濡らした歯ブラシに歯磨き剤をつけて歯をごしごし・・・口に泡がいっぱいになって吐き出して、2~3回すすいで終わり。口はとってもさっぱり爽やか。いい気分だなって満足している人多いんです。

ミズホ「それ、私です」

ナナコ「“歯磨きに自信がある”と答えた人の80%に半分以上の磨き残し(プラークの付着状態から)があったという報告があります。磨き残しが顕著にみられるのはやはり奥のほうにある歯です。「第一大臼歯」は、4~5歳ごろに生え始めるので「6歳臼歯」とも呼ばれています。さらに一番奥にある「第二大臼歯」は中学生ごろから生え始めるため、「12歳臼歯」とも呼ばれています。ともに子供のころに虫歯になると中高年になってから抜けてしまい、歯を失う結果を招きます。歯を失わないために、子供のころから正しい歯磨きの習慣をつけましょう」

ミズホ「そうだったのか… せめて子どもたちにはちゃんと教えたいなあ」

<<正しい歯磨きのポイント>>

1、歯ブラシはぬらさない。(ただし、デントウエルのように水が含んでいないものはぬらす):水で濡らすとあっという間に泡だって長く磨けないから
2、鉛筆の持ち方と同じように歯ブラシを持つ
3、歯の表面はブラシを直角に当てる。:歯ブラシを左右に1~2mm動かし、1本に20回以上磨く
4、歯周ポケットには、歯ブラシを45度の角度であてる。:ポケットには汚れがたまりやすいので、細かい動きで20回以上磨く
5、歯磨きは、毎食後に3分以上
6、最後のすすぎは、コップ1cm程度の水で30秒間を1回だけ:何度もすすぐとフッ素が流れてしまうから

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Q.歯ブラシは消毒したほうがいいですか?

A.一般的には歯ブラシの消毒は必要ありません。歯を磨いたあと、流水下でよく洗って、水を切り、乾燥させて管理することが大切です。トラベル用の歯ブラシの場合、ケースなどに入れて濡れたまま放置しておくと、細菌の繁殖の原因になりますので注意してください。

もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書


~外出自粛による生活の変化に関する調査~2人に1人がオーラルケア意識に変化 会話が減り、間食が増えて、お口のリスク高まる(サンスター)
 
歯の健康 基本のき(花王)

<参考図書>
『改訂歯ブラシ辞典』 

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<この記事をまとめた人>
ミズホ
「薬局活用ガイド」編集部員。埼玉県在住。中2の長女、小4の長男の子育てをする二児の母。

<書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。