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いぼ、水いぼができてお困りの方に~薬剤師が本音でオススメする市販薬⑰

薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー。
今回のテーマは「いぼ/水いぼ」です。

いぼも水いぼも子どもに多い皮膚病で、いぼがヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染でできるのに対し、水いぼは伝染性軟属腫ウイルスという別のウイルスが原因です
水いぼは、表面がツルツルして、みずみずしい光沢のある直径5mmくらいまでの皮膚の盛り上がり(丘疹と言います)で、てっぺんが少し凹んでいるのが特徴です。いぼは表面のがさついた硬い丘疹が多いです。
また、いぼが手のひらや足の裏を含む手足にできることが多いのに対し、水いぼが身体にできることが多いという特徴があります。
今回も、これら症状にも効果のある市販薬を薬剤師さんにご紹介頂きました。
アドバイスしてくれる薬剤師はこちらの皆さんです。
(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)


まず基本的に今回のテーマでは漢方薬の「ヨクイニン」を主成分とする商品のみです。
まずはクラシエ薬品から3アイテム。しかし剤形がやや違います。

ヨクイニンエキス顆粒クラシエ【漢方セラピー】(クラシエ薬品)

https://www.kracie.co.jp/products/ph/1202033_2220.html

古くから肌荒れやイボの治療に用いられてきた漢方でハトムギの種が原料になっている。
粉薬の漢方は飲みにくいイメージがあるが、ヨクイニンは少し甘みがあり、飲みやすい。
1回分ずつスティックになっているので持ち運びにも便利。
1カ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し相談してほしい。
(日陰ましう)

↓ 容量多めをお求めの方にはこちらを ↓

ヨクイニンエキス顆粒クラシエ [45包](クラシエ薬品)

https://www.kracie.co.jp/products/ph/1202034_2220.html

ハトムギの種子から有効成分を抽出したものであるヨクイニンは、日本皮膚科学会による尋常性疣贅診療ガイドラインでも使用が推奨されている成分
大人では1回1包服用の顆粒タイプの商品。錠剤タイプもあるが大人では1日3回、1回5~6錠服用が基本であり、やや服用しづらい。同じクラシエからは24包入りの商品も販売されているが、長期的な服用を考慮して45包入りのこちらの商品を推奨
(ふらんすぴあの)

↓ タブレットタイプもあります ↓

クラシエヨクイニンタブレット【ハトムギ専科】(クラシエ薬品)

https://www.kracie.co.jp/ph/yokuinin/wart/products01.html

ヨクイニンは肌に栄養を与え、角層の新陳代謝を促す働きがあり、肌を滑らかにする事でいぼ取りに効果があるとされる。タブレットは直径6mm、小粒設計で3歳から服用可。お試し用126錠入1,320円、504錠入4,070円(税込)。
(ゆきつばめ)

↓ コタローからもリーズナブルな錠剤が発売されています ↓

ヨクイニンS「コタロー」(小太郎漢方製薬)

ハトムギの種皮を取り除いた種子(ヨクイニン)からエキスを抽出し、飲みやすい錠剤にしたものです。医療用とほぼ同成分の第3類医薬品で、240錠入り2420円、味は甘く小さい錠剤で、お子様でも服用しやすくなっています。 
5歳から服用可能で、5歳から7歳では1回2錠、7歳から15歳では1回3錠、成人では1回5錠をそれぞれ1日3回服用します。
(小豆田くら子)

↓ イボ治療といえば!代名詞のようなこちらの商品も ↓

イボコロリ 内服錠(横山製薬)

内服薬 錠剤 180錠入り 1835円 ヨクイニンエキスを含んだ錠剤で5歳から服薬できます。大人は1日3回6錠ずつの服薬となります。まず1か月服薬を続けてみて変化が見られないようであれば、医師へ相談することをお勧めします。
また、イボコロリは塗るタイプや貼るタイプもあります。水いぼには絶対に使わないようにしてください。悪化しますので注意してください。
(宇野さらら)

いぼ・水いぼの方へのアドバイス

いぼ治療においては塗り薬を求めるお客様も多く、いぼの種類によってはイボコロリ、紫雲膏、ツブ・ナイトKなどのオススメもあるが、水いぼ、ウイルス性いぼの場合には症状に合わない場合もあり、市販薬の塗り薬が使用出来るか否かの見極めも必要。
(ゆきつばめ)

ウイルスが原因の場合、他の場所へうつったりするのでむやみに触らないほうが良い。
(日陰ましう)

いぼは傷や肌荒れなど障害のある皮膚にできやすいことが知られています。日常生活では効果を感じにくいかもしれませんが、毎日のスキンケア、皮膚疾患の治療がいぼができにくい肌環境を作る近道です。
(ふらんすぴあの)

いぼは尋常性疣贅といってヒトペパローマウイルスが皮膚に入り込むことで出来ます。みずいぼは伝染性軟属腫といわれ伝染性軟属腫ウイルスによって出来ます。どちらもウイルスによって引き起こされているので他へうつる可能性あります。まず、うつらないように皮膚のバリア機能を高めるための保湿などをしっかり行いましょう
(宇野さらら)

水いぼは、子どもたちが感染しやすい病気の一つです。保育園や幼稚園、兄弟間などで感染が広がります。水いぼにかかっても、日常生活に支障が出るほどのかゆみが生じるケースはそれほど多くありません。1年程度で免疫力がつき、自然治癒することが多いといわれています。しかし放置すると、ほかの子どもに感染が拡大が懸念されますし、もともと肌が弱い方、アトピー性皮膚炎の方は皮膚症状が悪化してしまうこともあります。
薬を服用しても改善しない場合や、かゆみが強く皮膚状態が悪化してしまう場合などには、皮膚科を受診しましょう。
(小豆田くら子)

監修者コメント

薬剤師が選んだいぼ、水いぼを改善するOTC薬はヨクイニンだけでしたね。
錠剤、顆粒など、飲みやすい剤形で選ばれるといいのかなと思います。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。