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暮らしの薬学【スキンケア・フェイシャル編】~②スキンケア商品


洗顔後、スキンケアに何を使っていますか?

正しく洗顔(暮らしの薬学【からだ洗剤・洗浄編】④~<正しい洗顔方法>をご参照ください)した後は、スキンケアが大事でしたよね。(暮らしの薬学【からだ用洗剤・ケア編】~②洗浄後のケア 参照)
洗顔後の保湿ケアには、主に化粧水、乳液、クリームなどが使われます。これらは短時間で効率よく保湿ケアできるのが利点です。化粧水、乳液、クリームについて説明します。

◇化粧水

 化粧水には、肌をやわらかく保つ「柔軟化化粧水」や、毛穴を引き締める「収斂化化粧水」、角質や脂をふき取る「ふき取り化粧水」などさまざまな機能があります。構成成分の大半は水分で、保湿剤(グリセリンなど)、エタノールを配合してその配合比率でテクスチャー(さっぱり、しっとり)を決定しています。エタノールは揮発性があり、化粧水をつけると熱エネルギーを吸収するためひんやりしますが、同時に水分も持っていかれるため、エタノールが多い化粧水は(成分表示のところで、“水”の次に“エタノール”が表示されているもの)、乾燥肌や敏感肌の方には向いていないと思われます。

◇乳液

乳液は、肌の水分を逃がさず、皮膚表面の油分バランスを整える役割があります。乳液は、構成成分である水分と油分が、界面活性剤(暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】~②界面活性剤について)により分離せず、乳化し、均一に混ざり合った状態になっています。

◇クリーム

基本的な成分構成は乳液と同じ、水分、油分、そして界面活性剤で乳化させているのですが、水分、油分の配合比率でそのテクスチャー(質感)に違いがあります。水に溶けやすい高機能の増粘剤を配合した、ジェル状のクリームもあります。

年齢、性別、さらに肌トラブルを持つ人向けなど、それぞれの対象にあわせて成分や配合比率が考えらえています。さらに、美白、ニキビ予防に効果のある医薬品成分(医薬部外品)などが配合されたものもあり、それぞれの商品の特徴になっています。

Q. 化粧水と美容液の違い、オールインワン化粧品って?

美容液はとてもあいまいな存在で、化粧水と美容液の成分構成には厳密な違いがなく、法律上にその区別を示すものはありません。実際には、その商品を化粧水とするか、美容液とするかはあくまで製造会社の判断で決められているので、その商品に表示されている「種類別名称」を確認します。
「オールインワン化粧品」は化粧水・乳液・クリーム・美容液の役割を1つで満たせる商品で、これも固有の成分構成はありません。
オールインワン化粧品は、ひとつひとつの機能が弱いのではないかと思われがちですが、化粧水、乳液、クリームそれぞれが水と油と界面活性剤がベースにあり、どれも保湿を中心に肌ケアをする目的を達成しているので、機能が劣るということはないと考えられます。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書

暮らしの薬学【からだ用洗剤・ケア編】~②洗浄後のケア

<参考図書>
「私に本当に合う化粧品」の選び方事典 ―乾燥・シミ・毛穴・ニキビ・シワを最短で解決!
トコトンやさしい化粧品の本 第2版 B&Tブックス
賢い化粧品の選び方  ―スキンケアの正解は成分で分かる―』 
化粧品成分事典  ―効率的な「組み合わせ」がわかる―
メンズスキンケアパーフェクトガイド