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困った・・また口唇ヘルペスの症状が出てきた~薬剤師が本音でオススメする市販薬㉖

口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが原因となり、唇やその周辺の皮膚に小さな水疱すいほう(水ぶくれ)が生じる病気です。
口唇ヘルペスは主に単純ヘルペスウイルス1型が関与しています。単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、一生涯体の中に潜伏し続けると考えられており、風邪やストレスなどの刺激をきっかけとしてウイルスが再活性化すると、繰り返し口唇ヘルペスの症状を引き起こします。
(MedicalNoteより)

治療のためには抗ヘルペスウイルス薬が用いられますが、一度医師の診断と治療を受けたことのある方が再発した場合、薬局で購入できる市販薬をつかうことができます。
今回は「口唇ヘルペス」が再発した方にオススメできる市販薬を薬剤師の皆さんにセレクトして頂きました。


◎今回推薦してくれた薬剤師のみなさん(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/百里香ひかた/ゆきつばめ ※五十音順)

アラセナS/アラセナSクリーム(佐藤製薬)

抗ヘルペスウイルス成分「ビダラビン」を配合。軟膏とクリームがあり、口唇ヘルペスの再発に1日1~4回塗布。基剤にワセリンを使用し患部をやさしく保護する軟膏タイプと、伸びが良く塗ったあと目立ちにくいクリームタイプがある。2g入。
(ゆきつばめ)

アラセナSは抗ヘルペス成分の「ビダラビン」を配合しており、病院で処方される医療用医薬品から一般用医薬品へと販売が許可された市販のお薬です。ビダラビンは、単純ヘルペスの増殖を抑え、症状をやわらげます。
市販のアラセナS軟膏は、口唇ヘルペスの再発のみに適応があります。初発の場合にはその症状が口唇ヘルペスであるかどうか、医師の診察を受ける必要がありますので注意してください。
クリームタイプの販売もありますが、軟膏タイプは基剤がワセリンなので、肌が弱い方でも使いやすい剤型です。
(小豆田くら子)

アシクロビルが成分の、「アクチビア」や「ヘルペシア」は1日3~5回塗布となっているが、
ビダラビンが成分の「アラセナS」は1日1~4回の塗布で良いところがおすすめ。
どちらも医療用でも使われるので、何回も塗るのが苦にならない方は金額の安いアシクロビル製品でも良いと思う
「アラセナS」は軟膏で「アラセナSクリーム」はクリーム。
軟膏は患部を保護したいとき、クリームは伸びが良いので目立ちにくくしたいときにおすすめだが、個人的には軟膏がおすすめ。
(日陰ましう)

「アラセナSクリーム」は伸びが良くてべとつきが少なく、塗った後が目立ちにくいクリームタイプです。てかりが気になる方や接客をするようなお仕事をしている方におすすめです。口唇に傷ができていてしみる方は軟膏タイプの方が良いでしょう。
1日の使用回数は1〜4回なので、食事によって薬がとれたり、塗り忘れがないように食後や就寝前を目安に使用してみてください。
(百里香ひかた)

ヘルペシアクリーム(大正製薬)

1g中にアシクロビルという抗ウイルス薬を50mg含んでいること、クリーム上なので、ピリピリした感じという症状が出始めたらこまめに塗ることができる。1本2gで小さいのでかさ張らないから持ち歩きに便利。税込み1本(2g)1210円。
口唇ヘルペスの再発治療薬は第1類医薬品であるため、薬剤師がいる薬局でなければ購入できません。ご注意ください。
(宇野さらら)

口唇ヘルペスの症状でお悩みの方へのアドバイス

初めて口唇ヘルペスの症状が出た時は本人にも自覚がなく、口唇ヘルペスか他の病気かどうか自己判断が難しい上、最初は症状がひどくなる場合もあるので、まずは医師に診察してもらう必要があります。なので、口唇ヘルペスに使用できる市販薬はどれも過去に医師の診断・治療を受けたことがある再発した方に使用できるものになります。
(百里香ひかた)

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの感染によって発症します。
単純ヘルペスウイルスは感染すると体内に潜伏し、外部刺激や免疫力が落ちた場合に発症します
発症早期に使用すると効果が出やすいため、唇やその周りに、チクチクやピリピリといった症状がでたら早めの使用をおすすめします。
1日1~4回、薬の使用を継続して、5日程度経過しても症状が改善しない場合には受診するようにしてください。
(小豆田くら子)

口唇ヘルペスの再発の薬なので、ヘルペスができそう!という感覚がわかるはず。
そのときにすぐに塗り始めたほうがよい。

水疱ができてしまうと塗っても治るのに時間がかかる。
必ずマスクを着用し、紫外線をあてないようにしたほうが良い。
(日陰ましう)

口唇ヘルペスは一度診断されている方にとっては体調が悪くなると再燃する不快なものです。ウイルスなので宿主である人の免疫力が落ちたり、体調が悪くなると再燃することが多いです。自分では問題ないと考えていても体力的にはつらいよと体からのメッセージと捉えて休むことも大切です。
(宇野さらら)

早期に使用すると治りが早くひどくなりにくいため、唇やそのまわりにピリピリ、チクチクなどの違和感をおぼえたら出来るだけ早く使用を開始する。食後、就寝前の使用が良い。
口唇ヘルペスは疲労やストレス、風邪をひいたり、強い日光にあたる事で出現することが多いため、それらを避けるようにする。
(ゆきつばめ)

監修者コメント

口唇ヘルペスを繰り返す方はよくいらっしゃいます。
薬局で購入できる塗り薬は不快な症状を和らげるのに便利ですね。繰り返す方は、すぐに使えるように手元に置いておくことも必要かもしれません。
疲れやストレスをためない生活習慣が大切です。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。



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