見出し画像

偽りの 学習雑誌「小学6年生」 読者ページ

小学館の学年別雑誌。全部廃刊になっていたことを、最近まで知りませんでした。

地味な読者コーナーは、「小学6年生」の時のだけ、イラストのクオリティの高さゆえ、覚えています。読者ページ担当の編集者は、私が読んでいた時は、ロコタンと呼ばれる人でした。

「小学6年生」が今もあるなら。読者コーナーの担当が、今でも、私の記憶の中のロコタンなら。空想の読者コーナーです。

ーーーーーー
こんにちは。コロナ新型ウィルスのせいで、大変なことになってるけど、みんなは元気?ロコタンは、会社でお仕事できなくなったけど、自分の家とか、時々は、こっそり一人でオフィスに来て、お仕事はちゃーんとしてます。みんなから届くお便りも、ちゃーんと見てるから安心して。でも、この頃は、メールでのお便りの方が多くなったので、ロコタンは、どこでも読めちゃいます。^_^

ハガキでも、メールでもいいから、どんどんお便りちょうだいね。あ、ミクちゃんはどうしてるって?ミクちゃんのイラスト、今月もお休みです。ごめんね。コロナでずっと会ってないけど、Zoom (ズーム)っていうビデオ電話みたいなもので、お仕事のお話する時、ミクちゃんにも会うよ。まだ1回だけだけど、ミクちゃんが参加したのは。

ミクちゃんは、コロナ騒ぎが始まってから、実は元気がなくなってるの。みんなのまわりにも、そんな人がいない?特に大人の人。いつもと違う毎日で、自分がいつもしてきたことや、できていたことが急になんにもできなくなって、しょんぼりした感じになってる人。

もしかしたら、いつもイライラしてるかもしれない。もしかしたら、そのモヤモヤやイライラを、近くにいるみんなに、ぶつけてるかもしれないね。そんな人がキミの近くにいたら、ロコタンは悲しい。キミのせいじゃないのに。大人なのにね。みんなに、「もう6年生なんだから」とか言う人たちなのにね。もう6年生どころか、大人なんだったら、じぶんの気持ちくらい自分でなんとかしてほしいよね。それが、大人になるってことだって、大人が言うのにね。

ミクちゃんは、イラストをタブレットを使ってかこうとしています。今までみたいに、描いた絵を、スキャンしてファックスで送ってもいいんだけど、まわりのイラストレーターやマンガ家さんたちが、のきなみタブレットを使い出したと聞いて、自分もとがんばってるみたい。だけど、あせるから、今はまだ、元気のない状態でいます。

でも、ミクちゃん、大丈夫だから。ロコタンもついてるし、みんなもついてる。みんな、これからもお便りよろしくね。ミクちゃんへの応援メッセージも、ヨロシク。では、今月のお便りから、と思ったら、ロコタンがページを全部使っちゃいました。ゴメン!では、またね。来月号もお楽しみに〜。

編集部ロコタンより。

_____
小学生の時、この「〜年生」雑誌の発売日を心待ちにしていました。そのわりには、5年生頃から読み出した「りぼん」や「なかよし」のようには、入れこむ内容のものはなく、強く印象に残っているものはわずかです。記憶に鮮烈なのは、この読者ページ以外には、谷口ゆきこさんの、バレエマンガ。途方もない展開と、華麗な踊りの。

ミクちゃんとして、小学6年生の読者ページのイラストを担当していたのが、のちに、びっくりするほど絵の上手いマンガ作品を出す、御厨さとみさんです。担当するロコちゃんは、編集の人でした。私たち6年生相手に、軽口をたたき、読者ページ係として、もりあげようとしていました。イラストのレベルが高いのとも相まって、大人が子どものために、こんなにしてるんだというのが、印象深かったのを覚えています。

ーーーーー
「小学六年生」:長く親しまれた、小学館出版の、学年別月刊誌の六年生版。売り上げ部数低迷により、すべての学年誌は廃刊された。最後の「小学六年生」は、2009年末発売の、2月・3月合併号。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?