今、大学生だったら、絶対「クソが」と言っていたであろう、恩師と呼ぶ気にならないセンセイたち トップ5 (3)
3 英文学の教授
名前が思い出せない。覚えておきたい人ではないので、無理やり思い出さないことにする。退官間近の、名誉教授かなんかの称号が、その時あったのか、退官後についたのか。
他の英語の教員と違って、この人は、ブリティッシュイングリッシュを話した。他の英語の教員は、私たちから見ると、アメリカンイングリッシュ、または、ジャパニーズイングリッシュ。
この名前のないセンセイは、若い頃英国留学をしていて、発音が美しかった。そう本人が言う。
私には、発音が美しいというか、ネイティブのようだ、くらいはわかっても、どうしたら、そういう発音の区別が、完璧にできるように自分で練習できるのかがわからなかった。
この名無しは、専門は文学だったと思うが、私がとったのは発音のクラスだった。でも、こいつがするのは、書いてある段落を私たちに読ませ、それに、できてる、できてない、と言うだけ。そして、うまく発音できてる学生を、音が区別できるとか、日本語にない音をうまく出せると、ほめる。
でも、肝心なことは教えてくれない。どうやったら、出せない音や、少し違う音が出せるようになるのか。
クイーンズイングリッシュの美しさ、アメリカ英語の野蛮な響き、または、自分の英国留学の思い出。コイツの話はたいていそのどれか。
いや、だから。大学入るためだけに、英語の文法だけ勉強してきた私らが、どうして、そんなに発音が身についていると思うわけ?教えてくれよ。やり方を。
あんたと違って、膨大な時間や金を無駄にして、美しい発音だけを身につける贅沢は、少なくとも私には許されていない。それを教えるのが、この授業を受ける、または教える意義じゃないのか。
今にして思っても、大学の教員、特に語学の教員は、何もしてくれなかったし、何をしたらいいのかもわかってなかったんだろうな。でも、彼らに近い年になった今でも、同情はまったくない。
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