昔、横浜に行った話。
据え膳食わぬは男の恥と言うが、逆に食わないという選択肢は男として非常に難しい。
確固たる信念を持って誘惑を退けたのに恥だと言われるのはいかがなものだろうか。
今回は俺はFF14で知り合った女性とみなとみらいに行った時の話。
FF14
FINAL FANTASY14は大人気ネットゲームで、ネット界の老害と化している俺達から信じられないほど一般人にも普及している。
特筆すべきはその女性プレイヤーの数だろう。
このゲームの高難易度コンテンツは8人で遊ぶことになるが、自分以外の7人を適当に集めたら女性プレイヤーが1~3人集まるほどだ。
遊んでいれば自然と女性と知り合うことになるので男女のそういった問題が耐えないというのは昨今のインターネットという感じがする。
俺もFF14では多くの女性プレイヤーと知り合って一緒に遊んでいたが、その 中でLさんという女性と知り合った。
Lさんとは同じ職をメインに使っていたので一緒に遊ぶことは稀だったが、チャットで話をしながら仲を深めていた。
相談
ある日、Lさんから相談を受けることになる。
ゲームで知り合った男性と体に関係になり、度々家に遊びに来るけど遊ばれているように感じるそうだ。
その男性に好感は持っているけど諦めたいと言った内容の相談だったと思う。
その流れでLさんは性行為の経験が浅く、自信がないということも話してくれた。
俺なりに真剣に相談を聞いていたつもりだが、すぐ食事に誘うのは俺の悪い癖だろう。
SEXなんてもんは慣れと経験で上手くなるもんだからよお!とりあえず飯行こうぜ!話しはそれからだ!
俺らしいと言えば俺らしい発言だろう。
この流れで食事に誘った時は普段なら断られているのだが。
行きたいお店とかありますか?と返事が帰ってきた。
予想外の返答に戸惑いながらアドリブでなんとか乗り切る。
場所はLさんの自宅から近いという理由でみなとみらいになった。
みなとみらい
話の流れ的にそういうつもりで来るんだろうなー。待ち合わせの時間を気にしながらそんなことを考えた。
いつものことだが顔すら確認しないで食事に誘っているから何度も大変な目に合っている。
飯食って解散でいいよな!のスタンスで誘っているのでいつもならそれでも問題ないのだが、今回はホテルまで行く感じの誘い方をしてしまった。
全然好みじゃなかったらどうしよう・・・と考えながら念のため近くのラブホの場所をチェックしておく。
そうしている内にLさんが到着した。
俺の心配をよそに彼女は可愛かった。
どんな小さな車に乗ってもサスペンションが沈むことがないだろう小さな体に少し幼いかわいい顔が乗っかっている。
あーーーーまじかよ。ここに来てアタリ引くんか。
ネットで知り合った女の子と食事に行くことは多いがその中でも可愛いと断言できる。
どうしよっかなー・・・俺は心の中でめちゃくちゃ悩んだ。
食事
Lさんが選んでくれた店はビールの種類が豊富なおしゃれなダイニングだった。
実はビールがあまり得意じゃないが前に俺がビールなら何でも飲めると言ったのを覚えていてくれて選んでくれたらしい。
いや、嬉しいけど正直困るよ。
食事を済ませて会計の時、せっかく来てくれたから私が払うと言う。
待ってくれ。ここで支払いを任せてしまったら俺はこの後ただ流されるだけになってしまう。
イニシアチブを手放してはいけないと思い、この場は俺が支払った。
外に出ると11月の冷たい空気に晒されて寒そうにしていた。
Lさんの手の握って、握ったまま自分のコートのポケットに入れる。
この後時間大丈夫?と聞くとうんと頷く。
そうだよなーどうすっかなー・・・
正直好みの女性だし、このままホテルに行きたい気持ちはめちゃくちゃあった。
その辺でタクシーでも拾ってホテルまで!と言えばあっという間にチェックインできるだろう。
ただ、俺はチーム草弓の末席を預かっているのだ。
何年も守り抜いてきたオフパコ童貞をここで捨てていいのか。
このままホテルに行って、あいつらに顔向けできるのか。
脳裏に草弓や黒さん、メルファリアの血を引く仲間たちのことが過る。
交差点で信号待ちをしながらLさんに話しかける。
もう一軒居酒屋行って飲み直そう!
とりあえず保留にした。
葛藤
適当な店に入って酒と肴を注文する。
Lさんも微妙な空気を察したのか口数が少なくなる。
すまねぇ。違うんだ。これは俺の問題でLさんは十分魅力的な女性だと思うやで・・・。
この時の俺は悩みすぎていて、どんな会話をしたのかさえ覚えていない。
再び店を出て寒い夜の街を歩く。
居酒屋に行った時点でないわーと思われてる可能性もある。
そうだよな!相手の意思は尊重しないといけないよな!
試しにLさんを抱きしめてみた。
普通に受け入れてくれる。。。。
行けそうなんだよなー
普通に可愛いしこれで行かないとかあり得んよなー
このままキスをしたらルート確定。
引くなら今しかない。
ふと中学の頃に好きだったライトノベルの名台詞を思い出す。
星界の紋章。ヒロインのラフィールが主人公に言ったセリフだ。
止まるか進むか迷ったときは、進めと教育された。
ならば俺も進むしかない。迷った時は進もう。
俺はラフィールにそう教育された。
心は決まった。
俺の腕の中にいるLさんに語りかける。
寒いから今日はこれで帰ろう。
そう、俺は進み続けなければならない。
茨の道だとしても教義に従うのだ。
彼女をこのまま自分のものにしたい欲求をぐっと堪えてLさんを駅まで送り届ける
めっちゃ勿体ないことした・・・・・・
冷たい冬の海風に当たりながら涙がこぼれそうになった。
後日談
当然だがLさんとはそれから連絡が取れなくなった。
できれば今までと同じ関係を続けたいと思ったが、Twitterでリプを送っても返ってくることはなかった。
死んだ時に人生の取りこぼしSEXを教えて貰いたいというツイートを見たことがある。
取りこぼしも取りこぼし、押し順ナビに逆らってペナルティ食らうレベルだろう。
それでも俺は間違ったとは思っていない。
今思い返してももったいないと後悔するが間違ったとは思っていない。
それが俺の生き様だ。
FEZも2022年でサービス終了となり、15年の歴史に幕を降ろした。
メルファリアの扉は二度と開かれることはないだろう。
ならば、俺の教義もサービス終了なのではないだろうか。
次、もう一度チャンスがあるのなら俺はきっと・・・
モンパナッシュ
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