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伊藤園 御茶子とは何者か。

『棺を花で満たしてください。』というシナリオプレイ用につくられたキャラクターである。

概要

地方の建材商社事務員 26歳独り暮らし 国立大学中退 母は病死。父は兄と実家で二人暮らし。大学中退に負い目を感じており接触は少し避けている。 趣味はヨツユビリクガメのマチ子の世話。しかし数か月前に死亡。現在も傷心状態は癒えていない。定食屋の素朴なオムライスが好き。陸上部だったので実は足が速い。身長162cm、体重59.5kg。

経歴

小中は普通校、クラスで孤立することは無かった深い友達はおらずただただ静かに真面目に勉強をしていた。中学では走るだけで良いという噂をきき陸上部に入部。人の目につく場所に出るのが嫌だったので大会などには出なかった。しかし真面目なのでいつもしっかり練習はしていた。

高校は私立高校の特進クラス所属。ひたすら勉強に打ち込んだが正直周りの人間との基礎学力の差を感じていた。自分が必死に覚えたことを周りの人間はいとも簡単にこなしている、そんな感覚にとりつかれていた。クラスではすこし孤立に近い状態になっていた。陸上は続けていた。あいかわらず大会等には出ず、ただ練習だけしていた。何も考えずに走るのは好きだった。

県外の有名国立大学に進学。入学後も高いレベルの授業についていくことはとても苦しかった。教育熱心な母の期待に応えることだけが御茶子の支えだった。しかし大学2年目、母が病死したことにより目的も何もかも失い中退。心残りはなにもなかった。
そのまま大学のある県で建材商社に就職。通勤しやすく、大学をやめた直後に募集がかかっていたから、ただそれだけの理由で入社。その後6年間在籍し現在に至る。会社内では孤立することなく、かといって友達ができるわけでもなく、ただただ淡々と仕事をこなしている。

特技・技能

平均以上の知識・学力を持つ。陸上部にいたため本気を出せば脚が早い。しかし現在、持久力は低い。 生き物が好きで生物全般の雑学知識を持っている。 学生時代も就職後もその場その場の咄嗟のごまかしで生きてきたので「言いくるめ」や「説得」の能力が異様に高い。

性格

卑屈で奥手で生真面目。自主性が無く大学生の頃に死んだ母の言うがままに生きてきた。過去の多くの失敗から自分は人の期待に応えられない、何もかも最後には失敗する、という思い込みに囚われいる。

家族との関係

:地方公務員。少しキツめで正しさを重視する性格。優しさと強い前向きさを持っており人は正しく進めば報われると信じている。教育熱心で御茶子にはとにかく勉学に励む事を強く推奨し、御茶子は無理をしてでもその期待に応えてきた。それは強制されたからではなく、自分に期待してくれる存在がいることが嬉しかったからだった。だがそれを続けた結果、御茶子にとって母は絶対的な導き手となり正義となってしまった。大学2年生、母があっけなく病死した際、御茶子は人生の支えと目的を同時に失ったような感覚だった。高校時代も大学時代も無理をして苦しみながら高学力の環境にくらいついていった。その全てが無駄だと感じてしまった。母がいなくなった今、御茶子はただ流れに身を任せて惰性で生きているに過ぎない。

:地方公務員。優しくおおらかで深く物事を考えない包容力のある性格。悪く言えばひどく受け身な人間で楽観主義。何にたいしても『まぁなんとかなる』と言っている。子供たちの事を愛してはいるが一緒に外で遊んだり行楽に連れていくなど、いわゆるパパらしいことをするは苦手でおもちゃを買い与える、お金を渡すということだけが彼にとって父親としてしてきたことだった。妻の死後、御茶子が大学をやめるという話をしてきた際、御茶子の好きなようにしなさいと言った。しかし、徐々に御茶子との関係が疎遠になるにつれもっと時間をかけて話をするべきだったと後悔している。御茶子本人も父をあまり頼りにしておらず、むしろしっかり者の母がいなくなったためちゃんとやっていけるか心配している。だが高校大学と色々とお金を出してもらったのにそれを全て無碍にしたことが心のささくれになっており、顔を合わせるのが億劫になる。現在はほぼ正月にしか顔は見せない。

:22歳。建築作業員。さっぱりしており優しく気が利く性格。学生時代はサッカーに打ち込んでいた。勉強が嫌いで母に反発していた結果、家庭内のあらゆることは御茶子中心に回るようになっていたが弟はそれで良いと思っていたし、自分ができないぶん勉学に励む姉が好きだった。現在は父と二人暮らし。今も明るく気ままに楽しく生きている。御茶子のことはかわらず好きだが御茶子のふさぎ込みがちでデリケートな性格も知っているため無理に接触をしようとはしていない。御茶子からは自分が優先されていた家庭内でも気にせず楽しく自由に過ごし、そして今も朗らか前向きに過ごす弟は自立した正しい人間の象徴のように見えている。

ペットとの関係

ヨツユビリクガメのマチ子(オス):御茶子が24歳の時に購入。近所のホームセンターで1年売れ残っており、御茶子はホームセンターに行く度にマチ子を見るのが好きだった。性別はわからなかったがリクガメ独特のフォルムが裁縫道具の『針山』のように見えたため、まち針のまちをとって勝手にマチ子と呼んでいた。万年売れ残りのマチ子に対して御茶子は勝手にはぐれ者仲間としてのシンパシーを感じていた。だがある日、ペットショップ内で子供が亀飼いたい!と親にねだっているのを見て急にマチ子との別れが怖くなる。そしてその瞬間に購入を決断。それ以来マチ子は御茶子にとって唯一の友達といえる存在になったのだ。だが2年後、マチ子は死亡。病気だった。医者は運が悪かった仕方ないのないことだと御茶子をなだめたが御茶子は自分の世話の仕方が悪かったんだと今も自分を責めている。水槽はまだそのまま置いてある。エサも水もまだ毎日変えている。御茶子はまだマチ子の死を受け入れられていない。


高校時代の唯一の親友、牡丹 一華

牡丹 一華と御茶子の関係

高校時代の親友。御茶子のことを「ミサちゃん」と呼ぶ。御茶子は特進クラスだったため、一華と同じクラスになることはなかっが、登下校や昼休みはいつも二人で過ごした。御茶子が陸上部の練習がある日も一華は図書室や他の友人と遊ぶなどして時間をつぶし、いつも一緒に帰宅していた。御茶子が大学進学後、一華と住む地域は離れたが年に数回は会っていた。しかし大学二年目に御茶子が中退、遠方で就職した頃から関係が疎遠になり始める。現在、一応連絡先は知っているが会う口実も話すことも無く、奥手な御茶子の性格もあってすでに一華は思い出の中の親友になりつつある。

性格

明るく感覚派で誰からも好かれる性格。しかし場の空気に無理に合わせる傾向があり、学校生活ではその場で求められる役割を演じがち。本当は結構根暗と言うか、少人数で過ごすのが好き。御茶子の前では気ままでマイペースな面を素直に出すことができるため居心地がよく、自然と御茶子と二人で過ごすようになった。

出会い

高一春の昼休み、御茶子はクラスの居心地が悪くて中庭の小さな池の近くに一人いた時に一華に出会う。通りかかった一華に「何してるの?」ときかれるも御茶子は自分がクラスで孤立してるからとは言えず、とっさに「鯉にエサあげてるの」と嘘をつき昼食のパンをちぎって池に投げた。しかし一華が「私もあげたい!」と乗ってきたことから毎日昼休みに二人で鯉に餌をあげる日々がはじまった。(御茶子の生物好きはこの習慣によってできた)その後、クラスや部活は違えども登校や帰宅の時も二人で同じ時間を過ごす事が多くなり2年生になる頃には親友となったいた。

思い出

1.高二のバレンタインデー、お互いにプレゼントという名目で帰宅途中にあるクレープ屋さんのチャレンジメニューである「トッピング全部乗せ(2kg)」を二人で食べる。苦しみながら食べきるも限界を超えていたらしく、結局近くの公園の隅、二人仲良くゲボを吐いた。

2.高三の初夏、中庭の池が工事で撤去されることが判明。御茶子は諦めていたが一華が「抗議してやめてもらおう!」と提案し半ば強引に校長室に突撃。ふたりで中庭や鯉達にどれだけ思い入れがあるかを直訴した。数日にわたる抗議の結果なんと工事は中止となり、二人の思い出の土地は守られた。御茶子は自分の人生で最も大きな事を成し遂げたのはこの件だと現在も思っている。(なお、この3年後に池は撤去され埋め立てられている。鯉も処分された。御茶子はその事は知らない。)

そして二人が再び出会う物語は以下で見ることができます。

以上。

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