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漫画感想 「タコピーの原罪」

こんにちは。

今回は最近話題のタコピーの原罪を読んだので、その感想を書いてみようと思います。

※ 以下、漫画本偏のネタバレを含みます。

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あらすじ

宇宙にハッピーを広げるために旅をしているハッピー星人のタコピーは、
太陽系第三惑星"地球"にたどりつきます。
ところが、捕獲されそうになったり、食べ物もないしで散々な目に。
そんな、お腹を空かせて隠れていたタコピーにパンをくれたのが小学4年生
の久世しずか。
しずかにお礼がしたいタコピーだが、やがて複雑な事情に巻き込まれて
いき・・・。

久世しずか

このお話では、久世しずかと雲母坂まりなの関係性が印象に残ります。
学校ではいじめを受け、机やロッカーなどを汚され、いじめの主犯である、まりなに悪口や暴力を受けている様子。家庭では、離婚していない父親に、育児放棄気味の母親の様子などが描かれています。
そんな最初はかわいそうなしずかですが、途中からどこかずれたような描写が増えていきます。
人の死を前にしても、平然としていたり、人を捕まえてお腹の中を調べようとしたり、、、。
しずかはまだ子供な上、家庭も不安定だったので、起きた物事に対してきちんとした判断や対処ができないのは仕方がないのかと思う部分はあります。
ただし、今回はタコピーのハッピー道具という形で、ある程度思ったことを行動にでき、それを止める周りの人間もいなかったので、どんどんと悪い方へ進んでいってしまうような状況でした。
いじめの被害者であるしずかの性格の複雑さや、育ててしまった家庭の状況、便利だけど必ずしも人を幸せにしないハッピー道具など、善悪の判断の難しさを感じます。

雲母坂まりな

最初は悪者に見えるまりなですが、話が進むにつれて、しずかに対する恨みの理由がわかっていきます。
まりなの父親はしずかの母親の店に通っており、家庭が壊されたことに対して、しずかに恨みを持つようになります。
実はタコピーは、まりなの恋人をしずかに奪われるという未来から戻ってきていますが、そのことも影響あるのでしょうか?
家庭があるにも関わらず自分勝手な父親や、自分の不満を娘にぶつけてしまう母親。いじめはもちろんやってはいけませんが、誰かに当たらずにはいられない状況だったのかなと思います。

まとめ

この話の登場人物の行動には、もちろん一般的にやってはいけないこととされるものが多いのですが、分かりやすく誰かを悪者とできない難しさがあります。それぞれの行動に対する裏の事情を知らないのに、いろいろと判断することでは、真実は見えてこないことを痛感しました。
また、個人的には人間の恐ろしさもそうですが、ハッピー星の不要な思想を消してしまうようなやり方にも怖い物を感じました。
正直、私が同じ状況にいても何もできないのですが、タコピーの尽力によって良い終わりを迎えてよかったなと思うと同時に、犠牲の上に成り立つ平穏に少し切なさを感じます。
拙い文章でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

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