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2021/11/17 白饅頭日誌:11月17日「MMO世直し」への長文コメント

※500文字でツッコミが終わらないので記事にしました。

それはジョック・ヤングの"排除型社会"ですね

まずは上のnoteの結びから引用。

 「MMO世直し」がいくら外部から批判されても勢いが衰えず、参加人口がますます増えているのは、これが時代の写し鏡だからだ。
 「一人ひとりが違って、一人ひとりが正解」とする個人主義の時代が到来したことにより、現実の人間社会が大きな物語によって人びとを統合し包摂することができなくなった。人びとは当初はそれを「抑圧からの解放」「パターナリズムの解体」として無邪気に喜んでいた。
 ……だが次第に不安になっていった。
 大きな物語が「人間のあるべき姿」を規定しなくなった「みんな違って、みんなただしい」世界では、「ただしさ」になんの価値もないことに気づいたからだ。
 みんなただしいはずなのに、結果的には格差があり、差別があり、勝ち組があり、負け組があった。人びとは「たったひとりのただしさ」を肯定されることの重圧と孤独感に耐えられなくなり、とうとう「大きな物語」の復活を求めた。自分たちの「ただしさ」をはっきりと裏付けてくれる「悪」を示してくれるよう、社会に求めるようになった。
 みなが同意する「悪」があるからこそ「ただしさ」には価値がある――だれもがそう考えるようになったからこそ「多様性」はその名に反して画一的な正義を語る合言葉になり、「リベラル」は敵や悪とみなした対象の自由や人権を認めない全体主義的な思想に変質していった(言い換えれば、「リベラル」な文化人・知識人・大学人たちは、こうした時代の要請に応じて、大衆に向けて「見よ、あれ悪だ」「こいつが悪人だ」と語る扇動者の役割を引き受けるようになった)。
 ツイッターで年がら年中開催される「MMO世直し」のキャンペーンは、「みんな違って、みんな良い」という個人主義や人権思想の原理原則に耐えられなくなった人びとによる反動形成である。
 「一人ひとりがただしい」とやさしく肯定される理想的な世界で、しかし自分ひとりのただしさを肯定できず不安に駆られた人びとが、みんなでシェアできる「より正解のただしさ」を求めるようになった。
 いつだって不安な自分のただしさをはっきりと保障してくれる「悪」を示してくれるからこそ、ツイッターで展開されるハッシュタグ・アクティビズムだのキャンセル・カルチャーだのといった、仰々しいサブタイトルのついた「MMO世直し」は、これからも動員力と求心力を保ちつづける。

直接的に触れた言い方ではないが、引用文が主張するのは不安定化したアイデンティティを確認するために「否定の否定」を取るというロジックそのものである。

具体的には価値観の統一性でアイデンティティを保とうとしたり、"自分のただしさをはっきりと保障してくれる「悪」"を叩いたりする。

ヨーロッパで排外主義が目立つようになってきたのも、アメリカで白人至上主義的な動きがくすぶるのも同じ原因だ。アイデンティティが保てなくなることへの不安感が背景にある。

そしてアイデンティティの不安(存在論的不安)の原因は、個人主義の時代の反動だ。それが多様性からくる不安の正体である。

これは次のファシズムというよりも排外主義に近い

以前から変わらないトレンドではあるが、何かと"絵"に噛みつく女がネット上で目立つ。そういう状況を直感したのか、私の母親曰く「負け犬の遠吠え」と評した。

"性的魅力"(という名の利用価値)の無い男を排除したいという動機から、あれこれ策動するのがフェミニスト、という狂った状況なのだが、実を言ってしまえば男から相手にされないのを拗らせているだけである。

そういう"利用価値"の問題がバグったのが共産党とSWASH要友紀子のやり取りである。

共産党は"風俗なんかで働きたくない女性たち"を支持拡大のための道具として利用するが、現実には何も見返りを与えられない。

好き好んで風俗で働く女性は共産党からすれば居て欲しくない存在だからだ。こういういて欲しくない存在を決めて、社会から排除していこうという、ある種の排外主義的な運動が、近年のリベラル派と称する連中の常道となっている。

もはや世直しの名を借りた環境浄化

口先では多様性が大切だと言いながら、己の存在論的不安から許せない存在を排除していこうという矛盾。これは近年見られるヘイトクライムの心理的な背景だ。

そして存在論的な不安の背景には、本邦の場合は"失われた30年"という名の経済生活の不安定化がある。すなわち現実の生活の不安定化の反動から、価値観の統一によってアイデンティティを保とうとする動きが広がる。

そういう価値観の統一の手段が、"みなが同意する「悪」"ではなかったのか。しかしその選択、線引きには恣意性が伴うはずである。

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