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【著作権フリーのコント】ご自由にお使いください。その15「四字熟語」

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どうぞご自由にお使いください。
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野村→大学生
矢島→大学の先生(情報言語学)

(野村が上手板付き/イスと机に座っている)
野村:情報言語学か…大学の授業って、どんな感じなんだろうなぁ。
矢島:(下手から入ってくる)えー、おはようございます。晴れて皆さんも大学生ということで、大学の授業に早く慣れていただきたいのですが、この情報言語学では、主に日本で取り扱っている四字熟語が、どのような由来で生まれ、現在の意味に転じていったか、ということを勉強していただきたいと思います。
野村:面白そう!
矢島:例えば「いっせきにちょう」という四字熟語がありますね。
野村:あー、聴いたことある。
矢島:あれはどのような由来かというと、落語を見るのに2兆円かかること(一席二兆)から来てるんですね。
野村:知ってる漢字と違う!初めて見たこんなの!
矢島:えー、つまり国家予算並みの豪華な寄席が楽しめたというわけですね。
野村:いやいや、そんなバカ高い寄席あるわけないでしょ。
矢島:この席に座ることで、落語も聴けて自身の財力も世に知らしめることができる。そこから意味が転じて、「1つの行為から2つの利益を得ること」という意味になったんですね。
野村:合ってる!俺が知ってるやつと同じ意味になった!?
矢島:他にも「くうぜんぜつご」という四字熟語がありますよね。
野村:けっこう有名だよ?
矢島:これはですね、食事の前に舌を噛んでしまうこと(食前舌誤)から来てるんですね。
野村:また!?全然聴いたことないし、漢字も全然違うし!
矢島:これじゃあせっかくのご飯が楽しめないですよね。噛んだところは口内炎になるから何日も痛くてたまらない。口内炎の痛みは何よりも辛い。ここから意味が転じて、「未だかつてないこと」という意味になったんですね。
野村:俺の知ってるやつと一緒!そんなことある!?読み方も意味も一緒なのに、こんな漢字が違うって。
矢島:また「さいしょくけんび」という四字熟語がありますね。
野村:それも知ってるよ。
矢島:これは、イヌの鼻を触るお祭り(祭触犬鼻)が由来になっています。
野村:気持ちわりぃ!なんだその祭りは!?
矢島:このお祭りでイヌの鼻を触る巫女の姿から、「頭の良さと容姿の良さを兼ね備えていること」という意味に…
野村:祭り関係ねぇじゃん!なんでこの漢字からそういう意味になるわけ!?
矢島:他にも「はんめんきょうし」という四字熟語がありますね。
野村:どうせ違うんだろ?
矢島:これは、チャーハンとラーメンを食べたら歯に挟まってしまった(飯麺狭歯)ことが由来ですね。
野村:ウソつけよ!ただ中華食っただけじゃねぇか!
矢島:放っておくと虫歯になってしまうことが分かったので、「悪い見本だが教育に役立つこと」という意味に…
野村:無理やりすぎるわ!他のもん食ったって虫歯になるだろ!
矢島:他にも「たけだしんげん」という四字熟語がありますね。
野村:急に人の名前!?それ四字熟語っていう?
矢島:これは、風林火山で有名な戦国時代の武将が由来になっています。
野村:いや「風林火山」を教えろよ!武田信玄の由来なんかどうだっていいんだよ。
矢島:武田信玄は戦に強い。ここから転じて「戦いにおける4つの心構え」という意味に…
野村:それが風林火山なんだよ!ごっちゃになってんだろ。
矢島:強きこと武士のごとく、穏やかなること田んぼのごとし…
野村:風林火山みたいにやんなくていいんだよ!(立ち上がって)ちょっと先生!
矢島:誰ですか、騒いでるのは?
野村:あ、1年の野村と言います。この四字熟語って実際にあるんですか?
矢島:ありますよ。あなたは戦国時代において、武田信玄の存在を否定するんですか?
野村:いや、そこは別に否定してないんですけど…。
矢島:ちゃんと座って授業聴いてください。
野村:(座りながら)何だよこれ…。
矢島:さて、ここからは駆け足で四字熟語とその意味を見ていきましょう。
野村:大丈夫かこれ?
矢島:「じがじさん」、これは「お年玉」という意味(児賀持参)ですね。
野村:もう違うじゃねぇか!たしかに子どもに正月持参するけどな。
矢島:「じゅうおうむじん」、これは「さーかすのライオン使い」という意味(獣王務人)ですね。
野村:いや、それっぽいけど!中国語みたくなってんじゃんか。
矢島:「しゅしゃせんたく」、これは「マフラーを洗うこと」という意味(首紗洗濯)ですね。
野村:いつ使うんだよそれ!まず使う機会がねぇよ四字熟語として。
矢島:「あんちゅうもさく」、これは「そういう名前のおじさん」という意味(安中茂作)ですね。
野村:誰なんだよ!もうめちゃくちゃだぞこれ。
矢島:「健康診断」
野村:あ、これ普通だ。
矢島:ちゃんと行きましょう。えー…続いて…。
野村:関係ないじゃん!四字熟語かと思いきや、ただの注意じゃねぇか。
矢島:今度は「同じ意味の四字熟語」について勉強していきます。
野村:ちゃんとやってくださいよマジで。
矢島:例えば「四面楚歌」は「周りに味方がいない」という意味なので「孤立無援」と同じですね。
野村:そうそう、こういう風にちゃんとやってくんないと。
矢島:また「無我夢中」は「無口になる、没頭する」という意味なので、「蟹実食中」と同じ…
野村:確かに没頭するけど!無我夢中で蟹の殻むいて食べるけど!
矢島:「疑心暗鬼」は「何を信じていいか分からない」という意味なので、「藤原竜也」と同じ…
野村:カイジだろそれ!別にあの人が疑心暗鬼になってるわけじゃねぇから。
矢島:「以心伝心」は、「言動が同じで息ぴったり」という意味なので「茉奈佳奈」と同じ…
野村:息ぴったりだけど!双子でもあんなに息合ってんの凄いから。
矢島:「少年時代」は「井上陽水」ですね。
野村:四字熟語ですらないじゃん!歌と作者並べただけだろ。
矢島:「少女時代」はGee, gee, gee, gee(爺爺爺爺)…
野村:(立ち上がって)いい加減にしろよマジで!何なんだよこれ!
矢島:また君が騒いでるのか…
野村:おかしいでしょだって!何ですか爺爺爺爺って…健康ランドか!
矢島:(周りを見渡して)…えー、この状態を「四面楚歌」と言いまして…
野村:すべったみたく言うな!
矢島:いいですか、君。四字熟語というのは奥が深いんですよ。すぐに理解しようったって、そんな「いっちょういっせき」で覚えられるもんじゃありませんよ。
野村:はぁ…。
矢島:「いっちょういっせき」とは、「落語を見るのに一兆かかること」(一兆一席)という意味で…
野村:もう履修しない!!

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