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【僕らのコントの著作権フリーにします】学校の出し物、授業のネタ探しなどで自由に使ってください。その8「ホームルーム」

《著作権フリーの扱い》
クリエイティブ・コモンズのBY・NCです。
使用する条件として、
・使用の場合の許可は不要。
・ネタの改変(アレンジ)を行う時のみ、info@funbest.jpまで連絡またはネタ元の表記をする
・商用利用不可
上記を守っていただければ、先生がやっても子どもがやっても、芸人がやっても、一般の方がやっても構いません。
どうぞ自由に使ってください。

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コント「コンプライアンス」(単元:算数)

矢島→先生
野村→生徒(上手側に座っている)
※小道具→イス1、机1

矢島:よーし、ホームルームを始めるぞ。日直の野村、号令。
野村:起立、姿勢、礼。
矢島:おはようございます。
野村:着席。
矢島:早速だけども、今日はみんなに悲しいお知らせをしなくてはいけない。
野村:…え?
矢島:みんなも知っての通り、うちの中学では、毎月の給食費を徴収しているな。そしてその給食費は…(封筒を取り出す)この封筒に入れてもらって、必ず第4金曜日に集めることになっているよな。そして今日は、その回収の日から休みが明けた月曜日だ。
野村:…まさか…。
矢島:そう、そのまさかだ。実は、このクラスで、みんなの大切な…給食が盗まれた。
野村:…給食?
矢島:そう…給食だ。
野村:…給食費ではなく?
矢島:そう…給食だ。
野村:…ごと!?
矢島:今日7時半ごろ、業者さんが給食室に入ったところ、用意していたはずの1年A組の給食35人分が盗まれていたんだ。…まさかだろ?
野村:確かに!普通お金を盗みにいきますもんね!
矢島:くそぉ!どうしてこんなことが起こってしまったんだ!
野村:…先生。
矢島:今日の献立、ミートソースだったのに!
野村:あ、そっちですか!?ミートソース楽しみにしてたんですね。
矢島:それだけじゃない!揚げパンもついてたんだぞ!
野村:どこにキレてんですか!てかミートソースと揚げパンって、炭水化物オンリーじゃねぇか。
矢島:(悲しそうに)これにフルーツポンチがついてれば…
野村:もういいですから!でも先生、何で犯人がウチのクラスだって分かるんですか?たまたまウチが狙われただけで、外から泥棒が侵入したとも考えられるじゃないですか。
矢島:いや、業者さんからの話によれば、どうやら犯人は相当に腹が減っていて、ミートソースの鍋を抱えて、お玉をスプーン代わりに歩き食いをしていたらしい。そのせいで、廊下のいたるところにミートソースがこぼれた形跡が確認された。そして、その形跡をたどっていくと…
野村:…1年A組の教室だった!
矢島:そう!おそらく犯人は、まだ人気がない早朝を狙って給食室に侵入し、まず揚げパンを食べ始めた。しかし、業者さんが入ってきたことに気づき、まだ手を付けていなかったミートソースの鍋を持って逃げた。そして逃げる途中で、我慢できずにミートソースにも手を出した。そして教室に入り、証拠隠滅を図るために、窓から空の鍋を投げ込んだんだ。
野村:なんて大胆な犯行!!
矢島:(窓を開けて指さす)ほら見ろ、初代校長の銅像の頭に引っかかってるだろ?
野村:ほんとだ!
矢島:(笑いながら)ちょっと虚無僧みたいだな。
野村:余裕ありますね先生!けっこうな事件ですよこれ!?
矢島:とにかく、今回の一連の犯行は、うちのクラスにいる誰かなのは間違いないだろう。
野村:いや、でも先生、そんなに人って食べれますかね!?35人分の揚げパンとミートソースですよ?
矢島:野村、いいところに気が付いたな。犯人も食べきれないことは分かっていたはずだ。つまり、揚げパンもミートソースも、食いきれなかった分はどこかに隠して持ち帰るだろう。例えば…カバンや服の中とか。…そうだよな、加藤まゆみ。
野村:え…何言ってるんですか先生?
矢島:お前の家は地元では有名な洋食屋だ。先月もミートソースが給食で出た。それを食べている時にお前は、自分の店と味が同じことに気づいたんだ。そしてお前はこう考えた。「ウチの秘伝のレシピが学校に漏れている」と!
野村:なるほど!それを確かめるために!
矢島:すべては家族のための犯行だった。そしてミートソースを盗んだだけでは、簡単に犯人が特定されてしまうと思ったお前は、食いしん坊の犯行に見せかけるために揚げパンも盗んだんだ。
野村:すべては捜査をかく乱させるためか!
矢島:それにしてもお前…先週からずいぶん太ったな。そんなにウエストあったか?その中に揚げパンを隠していることも、調べればすぐに分かることだ。口元が紅いのはミートソース、指先がキラキラしているのは揚げパンについた砂糖だろう。どうだ!さっさと観念しろ!
野村:先生…かっこいい!
矢島:…え?違う?先週彼氏に振られてやけ食いしただけ?口元が紅いのは化粧?指先のキラキラはネイル?
野村:(笑いながら)いやいや、それはちょっと無理あるでしょ!
矢島:(笑いながら)そうでしょ!それはな…え?振られたの本当なの?(周りを見渡して)お前ら女子たちは…事情を全部知ってるわけ?
野村:あー、やばいなこれ。
矢島:化粧とネイルは振られたからイメチェンしただけ?それが女心?(笑いながら)そんなお前…え、セクハラ?
野村:すごい不利な状況になってる!!
矢島:いや、それは純粋に太ったと思ってないからこっちは!揚げパンが中に入ってると思ったから~…そんな泣かないでよぉ~…。
野村:かっこわるー!さっきまであんな名探偵気取ってたのに!
矢島:(上手側を見て)あれ…校長?あ、いや、この騒ぎはですね…セクハラなんてしてないから!(強制的に連れ出される)ちょ、ちょっと待ってください!誤解です!誤解ですから!(上手側にハケる)
野村:(矢島がいなくなったことを確認して、服から大量の揚げパンを取り出す)…耐えたぁぁぁぁぁ!!!!

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