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講座(ワークショップ)を成功に導きたいなら、急いで100均で名刺サイズの紙を買え!

FUNBEST代表、日本即興コメディ協会代表の矢島ノブ雄です。今回は、誰でも簡単にできる「講座(ワークショップ)を成功に導く秘訣」をご紹介します。

タイトルの通り、まずは名刺サイズの紙を買ってください。ダイソーのような大きなお店なら、白無地の名刺サイズ用紙(55mm×91mm)が200枚ほどで売られています。これさえあれば、もう半分勝利したようなものです。

名刺サイズの紙がなぜいいのか?理由は2つあります。1つ目の理由は「講座(ワークショップ)で受けた気持ちを書き残しやすくし、手元に残させるため」です。A4サイズの資料をホチキス留めで用意するのも良いですが、そこに自分の気持ちを書いても、カバンの中に入れたっきり見返さない、なんてこともざらです。

それならばいっそ、財布や小物入れに入れやすいサイズの大きさで、受けた時の気持ちを短文で書き残し、ふとした時に見返しやすい場所にしまってもらうほうがマシだと考えています。

また、資料という形式ばった紙媒体に自分の意見を書くときに、誰が見るわけでもないのに、いつもの癖で当たり障りのないことを記入しがちです。名刺サイズの紙なら、講師が「これは回収するものではなく、今の皆さんの気持ちを率直に書いてもらって、それを見返していただくためのものです」と説明すれば、自分の気持ちが書きやすくなります。

「感想だけでなく、印象に残ったフレーズを書くだけでもいいですよ」と講師が伝えてあげることで、より書くことへのハードルが低くなります。

2つ目の理由は、「自己開示するためのツールとして最適だから」です。よくあるアイスブレークとして、「隣同士の人と自己紹介しあってください」というのがありますが、常々講師に対して言いたいのが、「それ、あなたが参加者の立場だったら真剣にやります?」ということです。アイスブレークをただの時間潰しだと勘違いされている方が多いのですが、ここをおざなりにすると、その先どんなに刺さることをやっても意味がありません。どうせならロケットダッシュしたいですよね。

ここでポイントになるのが、「ほとんどの人は丸腰で初対面の人と話したくない」ってことなんです。特技が披露できたり、テッパンの自己紹介を持ってる人は苦じゃないと思いますが、初対面の人と何の取っ掛かりもない状態で話すのは非常に辛いです。

そんな時に役立つのが名刺カードです。私は最初のアイスブレークで、「カードの片面に、今日の気持ちを漢字一文字で書いてみてください」と指示します。1分間の個人作業の後、隣同士の人と書いた漢字を発表し、その理由について話し合ってもらいます。

講座やワークショップの中で、参加者が心をオープンにして積極的に参加してくれる秘訣は何か?それは、「自分と同じことを考えていた人がいる」ということを、参加者同士で見つけさせることにあります。このような心理的安全性が確保されていれば、自ずと参加者は自己開示をしてくれます。

「漢字一文字ペアワーク」は、それを通して初対面の人との取っ掛かりを用意させることができます。また、なぜその漢字を書いたのか理由を説明させることで、自然と自分のことを話させる、という役割もあります。

例えば「眠」という漢字を書いた人なら、なぜ眠いのかを説明するとき、「自分は○○の仕事をしていて、前日に○○があって夜遅くなりまして…」という流れになりますよね。「自己紹介をしてください」とわざわざ講師が言わなくても「自然と自己紹介をさせる雰囲気」をワークの中で創ることがポイントです。

もう1つ、漢字一文字ワークが優れている点は、「参加者同士の共感を加速させる」ことにあります。面白いもんで、資料とは違って小さいメモ書きみたいな紙を配ると、参加者は本当の気持ちを書きやすいのか(または講師に見られづらいと思うのか)、正直な思いを一文字に込めてくれるんです。

このワークで参加者が書く漢字のベスト5があるとすれば、「疲(れた)」「緊(張)」「眠(い)」「帰(りたい)」「休(みたい)」でしょうか。「楽」や「期(待)」のようなポジティブなことを書く人は、ほとんどと言っていいほどいません(笑)。

でも、そこがいいんです。漢字を書かせた後にペアで話をさせると、「そうですよねー、眠いですよねー」とか「疲れちゃいますよねー、やってらんないっすよねー」など、参加者同士で今の気持ちを吐露してくれるんです。

上記のような雰囲気を最初に創っておけばもう大丈夫です。講師自身も、参加者のその気持ちを受け入れて、「そんな中受けていただいて有難うございます」と感謝の弁を述べる。そうすることで、「この講師は話がわかる人だな」と信頼を得ることができるわけです。

講師は参加者に対して、多くの情報を得てもらおうと話をします。「乾いたスポンジが水を吸うように」とよく言いますが、本当にそれを参加者にさせたいなら、余計なスポンジの水を全部絞ってもらわなければいけません。息を思いっきり吸うなら、まず吐かなきゃいけない。いわば漢字一文字ワークは、「これからの内容を吸わせるために吐かせる作業」なのです。

とにかく、講座(ワークショップ)を成功させたいなら、今すぐ100均で名刺カードを買ってください。そして漢字一文字ワーク、是非実践してみてください。あなたのアイスブレークが劇的に変わります。

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