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しゃべりすぎる人はなぜしゃべりすぎていることに気づかないのか

オシエルズの矢島です。
仕事柄、異業種の交流会によく行きます。そういえば、今日も行ってきました。とても素敵な会で、新しいご縁にも触れることができました。ホストの方の熱意を思うと頭が下がります。
交流会は社交の場ですし、ビジネスの場ですから、話すことは大事だと思いますし、それによってもたらされる出会いや縁もあるでしょう。ですが、僕はよく「お笑い芸人されているのに、普段は静かなんですね」と言われます。
いやいや、まぁしゃべり倒してたほうがキャラに合ってるかもしれませんが、何で仕事でもないのに本気でトークしなきゃいけないのかと思います。それでお金が発生するならいいけど。
…という半分本気、半分冗談な理由はさて置いて、僕が常に交流会で見ているのは、この場所で一番しゃべっている人は誰なのか?ということです。
大体一番しゃべるのは、その会のホスト(主催)であることが多いのですが、たまに自慢話を兼ねたマウンティングに終始する方がいらっしゃったりして、そう言う時はさすがにイライラしますね。
なので、僕自身も主催で何かする時は、あまり目立たないようにしています。でも結局目立っちゃうんですよ。だから意識しないと、余計に目立っちゃう。
主催をやるやらないに関係なく、しゃべりすぎる人の傾向性として、自分が知らないということを言えない人が多いです。僕はソクラテスが好きなので、無知の知(不知の自覚)ってすごく大事だなと思いつつ、知らないことは知らないと言うようにしてるんですが、しゃべりすぎる人はそれができない。
じゃあどうするかというと、自分のフィールドに引き込んで強引に話を進めようとする。そうやって、さも知ってるように振る舞うんです。ギャラリーは大体気づいてますけど。
例えばこんな2例があります。
《①ざっくりまとめる》
A「僕お笑い芸人やってまして」
B「大変だよね、表現する仕事って」
いやいや、そこは「芸人ってどんな仕事なんですか?」でいいわけですよ。表現する仕事なんてどれも大変だわ。それより先を聴かなくても、私こういう仕事の大変さ知ってますよー、的な切り返しをする人は、しゃべりたがりで人の話よりも自分のターンを狙っている人が多いです。聴き役になりなさい、もっと。
《②自分が話せる話題にすり替える》
A「芸人の世界って厳しくて、ライブでネタするのにお金払ったりするんですよ」
B「あー、買い取りだ。商品買い取って自分で売りさばいて、売れ残ったら自分が負担するんでしょ?ノルマってやつだ。うちもコンビニやってる知り合いがいて、クリスマスケーキとか恵方巻きとか…」
はい出ましたー、すり替えー。いや、確かにシステム的にはほぼ同じですけど、その話にしたらもうお笑いの世界の話できませんけどね?てことは、もうお笑いの話に興味ありません、って言ってるようなもんじゃないですか。
「へー、知らなかった!教えて」とか、「ちらっと聴いた(見た)ことはあるけど分からないから、話聴かせて」って、言うのに勇気がいる人っているんですよね。特に自分の力で道を切り開いて成功した!と思ってる人にありがちな発想です。
僕から言わせれば、ソクラテスが言ってたソフィストの現代版。知らないと言えずに自分の知識を過信して、話を楽しむことよりも、その中で議論に勝つか、マウントを取るかしか考えていない人なんです。
そういう人に出会っても、僕は特に何も言いません。黙ってることが多いです。指摘してもあんまり意味ないし、性格が悪いかもしれませんが、一生それで損しろと思ってます(笑)
楽しい話の雰囲気に必要なのは、人の話を奪ってまで自分の話をすることでも、人の話に口を挟んで言う必要のないウンチクを披露することでもなく、誰もが「えー、その話知らない!詳しく聴かせて!」というスタンスで、相手の話に乗っかることですよ。
最後に一つだけ。大体しゃべりすぎちゃう人は、ざーっと話して申し訳ない程度に「なんかすいません、しゃべりすぎちゃって」って言うことが多いですけど、それに対して「いやいや、そんなことないですよ」って相手に言ってもらえるの前提で言ってたりしてますからね。
以前、上記の定型文を言ってきた人に「いや、ホントですよね。長かったです」って僕が言ったら、戸惑った後にイラッとした顔してたんで。あぁ、この人「そんなことないですよ」待ちだったなって分かりました。皆さんも是非、お試しあれ。
自戒の意味も込めて、草々。

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