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日常に使える笑いの技術【第4回】ツッコミ(応用編)ツッコミのポイントを押さえる

今回は、数あるツッコミのパターンから、主要な8つのタイプをまとめてみました。

【1】瞬発力重視型ツッコミ
「なんでだよ!」「おい!」「バカか!」「そんなわけねぇだろ!」など、そのツッコミ自体に詳細な説明がなく、ボケに対して瞬発的に行うツッコミのことを指します。「ボケにすぐ反応する」ことに特化しており、その形が否定であれ、感嘆であれ、罵倒であれ何でもOKです。ボケ自体がすぐに理解できるような簡単なものであれば、このツッコミだけでも十分ですが、さらに発展的なツッコミをしたい方は、【2】以降もオススメです。

【2】状況説明型ツッコミ
例①
A「入社3日目ですけど、転職先探してます!」
B「いや、気が早すぎるよ!」
例②:
A「お茶コピーした後に、書類にお湯入れなきゃ!」
B「逆だよ!」
相手がボケとして提示した状況の間違いを指摘するツッコミのことを指します。自分の言葉で「どこがおかしいのか」を説明できるかがポイントになります。

【3】情報付加型ツッコミ
例①:
A「よーし、明日の山登り、海パン持ってこう!」
B「なんでだよ!海パン穿いても出番ねぇだろ!」
例②:
A「お金を貯めるために、1か月間絶食します!」
B「死んじゃうわ!確かに金は貯まるだろうけど、背負うリスクがでかすぎるだろ!」
例③:
A「あ、今日台風なんだ、洗濯物干さなきゃ!」
B「やめとけよ!風で全部飛ばされちゃうだろ!」
例①は、「山登りに海パンを穿いて行く」というボケに対し、その行為自体を否定しています。つまり、「それは意味がないことだ」という情報を付加していて、状況だけを説明している【2】とは異なります。
例②は「お金を貯めるために絶食して食費を削る」ことが無謀であることを否定して情報付加していますが、その前に「確かにお金は貯まるだろうけど」という肯定的なフレーズが入っています。これは、相手を上げてから落とすことでズレを意図的に演出し、笑いを増幅させる効果があります。
例③は「台風に洗濯物を干したら、きっとこうなるだろう」という未来の情報を付加しています。
ちなみに例①の「なんでだよ!」と例③の「やめとけよ!」は【1】の瞬発力重視型ツッコミにあたります。

【4】疑問投げかけ型ツッコミ
例①:
A「寒そうだな。ライターであぶってやろうか?」
B「…俺のことスルメだと思ってない?」
例②:
A「お葬式は黒い格好で来いと言われまして…」
B「だからって何で忍者の黒装束で来るんだよ!」
相手のボケに対して問いかけたり、おかしい(疑問に思う)ことを投げかけたりするようなツッコミです。例①は比喩表現を入れているため、かなりクリエイティブなツッコミに見えます。「俺はスルメか!」と勢いよくツッコミを入れるパターンもありますが、例①のように、少し間をおいて静かに問いかけるように言うのも面白いと思います。

【5】心情吐露型ツッコミ
例①:
A「俺、同窓会の幹事なんだけど、俺より収入あるやつ割り勘の時に倍払ってな!」
B「誰だよー、こいつに権力持たせたの!」
例②:
A「ハワイって泳いで行けば交通費タダだよね?」
B「無謀だよ!お前の発想についていけねぇよ!」
例①や例②のように、自分の心情を吐露するタイプのツッコミです。ボケそのものを説明するというよりも、ボケを受けて自分が率直にどう思ったかを言うことが重要です。相手のボケがすべっているなと感じたときに「いや、つまんねぇよ!」と言うのも1つの手です。全体の雰囲気を感じ取って、自身の心情として吐露することで、第三者に大きな共感の笑いを与えるはずです。ただし、ボケとツッコミに何でも受け止め合える人間関係が形成されていることが前提です。

【6】イメージ想起型ツッコミ
例:
A「子どもの頃さ、よく『草野球チップス』のカード集めてたんだよね。」
B「いや『プロ野球チップス』だよ!全然知らないおじさんのカード集めても嬉しくないだろ!」
【3】の情報付加型の発展版です。そのボケの延長線上にあるイメージをツッコミで膨らませます。例では、子どもたちが全然知らない草野球のおじさんのカードを集めている様子を切り取って、それをイメージさせるツッコミをしています。

【7】キャラ変型ツッコミ
例:下ネタのボケに対して、「やだー、もう何それやめて~」とオネェ口調でツッコむ男性。
ツッコむ際にキャラを入れるタイプのツッコミです。特定の話題やボケの際に有効です。キャラ変することで、それまでのキャラとのズレが生じ、笑いが増幅されやすくなります。

【8】状況俯瞰型ツッコミ
例①:ボケがすべったとき
「見ろよこの空気!お葬式みたくなっちゃったよ!」
例②:伝わりずらいボケだったとき
「誰もピンと来てないじゃんかよ!」
例のように、その場の状況を俯瞰して、第三者的な目線でツッコむタイプのものです。【5】の心情吐露型と似ていますが、【5】が自身の心情であるのに対し、【8】はその場にいる観衆の心情を代弁するような形になります。

いかがでしたか?ぜひ自分にできそうなツッコミから実践し、同僚や上司・部下とのよりよい人間関係を結んでみてください。ツッコミはフォローであり、相手のボケを受け止める「愛のある切り返し」だということをご理解いただければ幸いです。

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