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日常で使える笑いの技術【第2回】ボケ(応用編)さまざまなボケ方を理解し、使ってみる

明日から使えるボケ方集
ボケというとお笑い的で、何となくとっつきづらい雰囲気になりますが、要するに「視点のズラし」であり「常識からの逸脱」です。普段では思いつかない発想や、普通は取らない行動そのものが、受け手に日常からの「ズレ」を想起させ、笑いを誘うのです。問題は、どのようにズラすか、ということになりますね。その具体的な方法について、5つ紹介します。

1.いらない前フリ
前フリとは、本題(一番言いたいこと)を話す前に、前置いて何かを話すことです。ここでは、普段は前置かなくても言えるような小さなことを、もったいぶって言うことで、日常からの「ズレ」が生じさせます。
《「いらない前フリ」の例》
「会議の最中にこんなことを申し上げるのは、大変に恐縮なんですが…トイレ行って来ます」
「(時計を見て)もう12時か…(両手で頬を叩き)よし、昼メシの時間だ!」
「会議で大事なことは、良いアイデアを出すことでも、上司の意見にイエスを言い続けることでもない…居眠りをしないことだ」
《ココがポイント!》
下線部に注目してください。「そんなこと、わざわざ前フリして言わなくていいよ!」ということばかりですよね。ここに、短く言えることを遠回しに言うという「ズレ」が生じて、笑いが生まれやすくなります。ポイントは、3秒で言えることを10秒で言うようにすることです。そして、前フリの後に切り出す本題は、本当にくだらないこと・些細なことを言うようにしましょう。

2.感情の分裂
何かを言う時、そのセリフと真逆の感情で言うことを「感情の分裂」といいます。
《「感情の分裂」の例》
「今日もサービス残業、やったぜ!」(イヤなことを嬉しそうに言う)
「何だこのコピーの取り方は!?完ぺきじゃねぇか!天才かお前は!」(怒りながらホメる)
「よっしゃー!悪玉コレステロールが基準値超えてる!ヒールな俺カッコイイ!」(悲しいことで喜ぶ)
《ココがポイント!》
言うことと感情とのギャップを極力広げるような意識で言ってみてください。そうすることで「ズレ」が生じ、笑いやすい空気ができるはずです。また、演技としての誇張が控えめだと、それがボケとして言っているのか、本当にそう思って言っているのかが分かりづらいので、大げさに感情を分裂させましょう。

3.繰り返す
前に誰かが言ったことを、さも新しい意見を言ったかのように繰り返します。
《「繰り返す」の例》
・入社5年目の同僚AとBの会話
同僚A「部下の育成に大事なことは、信頼関係だよな」
同僚B「そう、あとアレが大事ね…信頼関係!」
同僚A「今俺言ったよ!」
・上司と部下で昼食を食べに行く
上司「よし、昼メシ行くぞ!今日は洋食屋でいいよな?」
部下「いや、僕は逆に…洋食屋すかね」
上司「全然逆じゃねぇだろ!」
《ココがポイント》
「あとは…」や「逆に…」という前置きが、繰り返す笑いには有効です。前の意見をなかったかのようにして、堂々と言ってみてください。ボケだということが伝わって、聞き手との信頼関係もできていれば、例文のように、ツッコミを気持ちよくもらうこともできるでしょう。

4.当たり前の提示
3の「繰り返し」に似ていますが、さも斬新な意見をいったかのように、当然のことを言います。
《「当たり前の提示」の例》
・定食屋にランチへ行った同僚との会話
同僚A「このサラダ美味いね!」
同僚B「うん、まるで野菜を切って、ドレッシングをかけたみたいな味だよね!」
同僚A「それがサラダなんだよ!」
・会社の休憩スペースでくつろぐ上司と部下
上司「ここの自動販売機で120円のジュース買うと、どうなるか知ってるか?」
部下「え、何か起きるんですか!?」
上司「お金が…120円なくなるんだよ」
部下「いや、ジュース買ったからでしょ!」
《ココがポイント!》
「思わせぶって何もなし」というのがポイントです。このようなボケは「肩透かしの笑い」といわれていますが、ただ当たり前のことを思わせぶりに言いましょう。ボケる前に数秒の「間」をとることも重要です。さらっと言うよりも、熟慮した末に出たセリフの感じを出した方が、雰囲気と言っていることのギャップができ、「ズレ」が増幅されます。

5.キャラを演じる
ご自身の外見や性格の特徴、または、周りからどう思われているかなどを掘り下げて、自身の「キャラ」を設定し、その枠組みの中で行動することです。次第に周囲の人へ「キャラ」が定着していくと、それをいじるような雰囲気ができていきます。これを「キャラいじり」といいます。
《「キャラを演じる」の例》
・太っている人が「デブキャラ」を演じる
①「好きな言葉は怠惰、嫌いな言葉は努力です!」
②「(出張に行く同僚に)お土産買ってきて!食べ物じゃないやつはいいから!」
・デブキャラが定着したときの「キャラいじり」
①オフィスの階段を上っているだけで、上司から「ダイエット?」と言われる。
②昼食に行くと、後輩が「いいんですか?ここ、大盛り無料じゃないですよ?」と言ってくる。
《ココがポイント!》
自分がキャラを演じて、周りからそれをいじられることはいいとして、誰かの外見や特徴をいじる際は、それができる信頼関係があるかを考えてからにしましょう。変に人を傷つけたりしないためにも、いじる・いじられるが成立する人間関係があるかどうかを、双方で確認し合いましょう。

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