シンデレラで100本記事を書く(5/100)

寝物語を熱く語るきっかけ

それは、何となくの思い付きでした

小説にしろ
絵本にしろ
誰かが作ったストーリーは
何百回読んでも結末は同じです

もちろん、読むたびに発見があったり
自分の人生経験に合わせて感じ方も変わったり
解釈次第では、見え方は変わるかもしれません

しかし
事実としての結末に変わりはありません

シンデレラも
王子と結婚してめでたしめでたしで
終わってしまいます

当たり前と言われてしまえばそうですが
そんな当たり前に疑問を持ちました

シンデレラは本が無くても語れるほどシンプルで
誰もが知っている物語です

それこそ、寝る前の暗い布団の中でも語れてしまいます

そして思うわけです
話すたびに少しづつ内容が変化して
話し手の自由に設定を変える事ができるのではと

そんなある日、思いついたのが
掃除にこだわりまくる姉の物語です

シンデレラIF(掃除好きの姉視点の物語)

(シンデレラが家にやってくるまでは省略)

シンデレラが家にやってきて
母は、シンデレラに家の雑用を押し付けます

妹も、片付けや手伝いをしなくて喜んでいます

しかし、私は見てられませんでした

彼女は今まで掃除の一つもしたことがないのでしょう

低いところから掃除をするから
高いところのホコリが床に落ちたままになっている

花瓶の水は入れすぎで
これでは花が枯れてしまいます

ごみは分別して
小さくできるものは小さくまとめる

なぜモップの水を変えずに床を拭くの
さっきトイレを掃除した水でリビングをぁぁぁぁぁああああああ!!!

「ちょっと、あなた、その掃除の仕方は何!」

「ああ、泣くんじゃないわよ、もういい、あなたは外で雑草でも抜いてなさい」

我慢できなかった

掃除の仕方一つで、家の快適さが変わるのよ

母はズボラで
妹は怠惰

あの人たちは適当でも良いかもしれないが
私は許せない

ちゃんと掃除できてない空間に一秒でも居たくない

新しくできた父の連れ子はわかってくれると思ってた

しかし、あの子は自分で考えるということをしない
しかもすぐにめそめそ泣くだけで
いつまでたっても正しい掃除を覚えない

また窓枠にホコリが残ってる

ちゃんと水拭きして
その後乾拭きしないと綺麗にならないのよ

あー、また汚い服のまま掃除して
暖炉掃除したあとは全身に灰が付くから着替えてと言っているでしょ

母も妹も、汚いとか言ってないでちゃんと指摘しなさいよ

こっちの食器はまだ汚れが残ってるし
水もきれいに拭き取れてないから曇りが、、、

そうやって、彼女がシンデレラの掃除のミスを日々何とかしていました

母と妹はそんな彼女の苦労も知らず
シンデレラに意地悪するために
更に仕事が増えるように邪魔します

そして、そのしわ寄せは全て彼女に向かいます

シンデレラは毎日小さな部屋の隅で泣きます

そして、彼女も毎日くたくたになって泣く暇もなく意識を失うように寝ます

それからしばらくして、お城の舞踏会が行われるという手紙が家に届きます
なんでも、王子の結婚相手を探すためだとか

母も妹も王子と結婚して、悠々自適な生活をする妄想にふけっていました
そんな暇があるなら掃除の一つでもして欲しいです
シンデレラもぼーっとする時間が増えました
頼むから仕事を増やさないで欲しいです

そして、姉は一人思います

王子でなくてもいい
誰でもいいから結婚して、この苦しい生活から抜け出したいと

何度注意してもシンデレラの掃除スキルは全く成長しません

姉が一生懸命掃除しているため
母と妹はシンデレラが生意気にも掃除していると勘違いしています

しかし、いちいち訂正するのも手間ですし
汚れたままにする事は我慢できません

そんな胃に穴が開きそうなストレス中、時間は過ぎていきます

そしてお城の舞踏会の日
ギリギリまで掃除をして、彼女は舞踏会に向かいます

母の意地悪でシンデレラはお留守番です
シンデレラには何もするなと言いつけてました
そのせいでまためそめそ泣いています

しかし、シンデレラに下手に掃除をさせたら
また掃除する羽目になり
結果自分が泣くことになります


舞踏会もしばらくしたある時
突然美しい娘が参加してきました

しかし、日々掃除力を高め
ホコリ一つ見落とさない眼力を持つ彼女は
その娘がシンデレラだと一発で見抜きます

なんでシンデレラがここにきているのか
そんな疑問よりも
ここでシンデレラが王子に見初められれば
二度手間の掃除から解放される

思い立ったらすぐに彼女はシンデレラのフォローに回ります
掃除で鍛えた足さばきで邪魔者の動きを封じ
雑巾がけで鍛えた筋力でシンデレラを影ながら守ります

とにかく王子とくっついて欲しい

その思いを胸に最善を尽くしました

そのお陰か王子とシンデレラはとてもいい感じです

それからしばらくした後
突然シンデレラは時計を見て慌てたかと思うと
あっと言う間にお城からいなくなってしまいました

このままでは、シンデレラと王子がくっつかないかもしれない

そう思った姉も、シンデレラを追いかけました

水汲みで鍛えた脚力でシンデレラの馬車に追いつくのはたやすい事でした

家の近くで降りたシンデレラは草むらで
きれいなドレスからいつもの服に着替えます
着替えに夢中になっている隙に
履いていたガラスの靴をこっそり拝借して
さりげなく王子に渡しました

それから、しばらくの後
姉の工作も上手くいき
シンデレラは王子にお嫁さんとして連れていかれました

その後、たまたま城のメイド長に掃除の腕を買われた姉は
王宮の掃除婦として雇われ
その掃除力で昇進して
宰相の秘書として引き抜かれ
仕事ができる女性として
多くの女性たちの尊敬を集める人物になりましたとさ

めでたしめでたし

寝物語の可能性

今回の話は、改めて書き出したのでボリュームが出ましたが
最初はもっとシンプルに
シンデレラの掃除のできなさに姉が怒るんだけど
シンデレラとしてはそれがいじめられてると思いこんでしまう
そんな、シンデレラの勘違いで散々な目にあってたらかわいそうだよね
程度の軽い思い付きでした

シンデレラは主人公シンデレラの視点で物語が進むので
他の人物がどんな気持ちでいたのかは、想像するしかありません
(ストーリの中に書いてあることもありますが)

この、想像する部分次第で
様々な見え方をする

同じ話でも
自分と他人では感じ方が変わる

そんな寝物語って
凄いなぁと思った訳です

そして、この100本シリーズに繋がっています

IFシリーズはシンデレラを読むたびに増えていきます
次回は、いじめに対する報復について書いていきたいと思います

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