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【BadBuddySeries】第11話感想 : 愛しているから、さようなら。 【タイBLドラマ】

タイBLドラマBadBuddySeriesが好きすぎて記憶を失くしてもう一度楽しみたくなったので、気合いで記憶を失くし初見の心意気で感想を書き殴ろうという主旨のnoteです。正気です。

というわけで、今回は第11話。
幸福感と罪悪感。背中合わせのハネムーン。

では、いざ。

《第11話あらすじ》
親たちの不仲の真相が明らかになり、理不尽さに耐えられなくなったパットとパーンは2人で町を離れることを決意。かつて建築学部のボランティア合宿で訪れたビーチにたどり着き、合宿所のトンや甥のジュニアを始め、地元の人々と交流しながら穏やかな日々を過ごす。しかし、パーンは初めて味わうしがらみのない自由をかみしめながらも、残してきた母への思いをなかなか断ち切れない。パットもそんな恋人の複雑な思いを感じ取っていて…。
テラサ/各話紹介より引用

以下記憶喪失になります。
※全力ネタバレ注意※

11話のストーリーのラストまで触れているので各自お気を付けください。

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遂に明らかになった両親の真実。そのあまりの理不尽さに耐えかね、2人は遂に街を飛び出しました。
Pranの母への父の行いを知り、親父がごめんと何度も謝るPat。

お前のせいじゃないし謝る必要はないと伝えるPranでしたが、だからと言って自分の母がPatの父を許さないだろうこともよく分かっていました。

自分たちは親の過去を背負う運命にある。
諦めたような表情でそう語るPranに、2人だけで逃げればいい、たとえ親が許さなくても、いつか分かってくれる人はいるとPatは笑います。
自分のために明るく振る舞おうとしているPatも自分と同じように傷付いている。それを誰よりも分かっているPranは、投げ出されたPatの手をきゅっと握ります。

握られた手から伝わるPranの気持ちに笑顔を見せるPatに、Pranもまた笑顔で見返します。今にも泣き出してしまいそうだけれど、お互いを思って笑顔を見せようとする2人に涙が出てきそう。

キラキラした瞳の輝きを失ったまま自分に寄りかかるPranの髪を撫でながら、気付かせまいと一粒ぽろりと音もなくこぼれ落ちるPatの涙がもう悲しいほど美しくて。

自分たちが今こんなに苦しんでいるのも、全部自分の父が、尊敬していた父が原因だったと知ったPat、声をあげて泣きたいほど辛かっただろうな。

でも、地元じゃ負け知らずだぜ✊な1話の頃より、今のPatの方がずっとずっと強くて格好いいです。


PatとPranは心の向くまま、かつてボランティア合宿で訪れた「廃棄ゼロの村」へやってきました。
拗れてしまった思いがほどけて重なった、2人にとって思い出の場所へ。

辛く苦しい夜を超えてたどり着いた大きな海は、まるで2人の心を解放してくれるよう。
もう誰にも邪魔されないようにと携帯電話からsimカードを抜いたPatは、お前も自由になれよとPranにもカードを抜くよう促します。

カードを海に投げるフリをするPatとそれに騙されるフリをするPran。いつものように冗談を言い合いながら、次第に笑顔を取り戻していく2人。

ひとしきり笑いあった後、Pranは言います。
お前といるだけで自由だと思える、と。

この台詞、すっごく好き。
詞を書く人ならではの表現だと思うし、これ以上にしっくりくる言葉もない気がします。Pranを自由にするのはsimを捨てることなんかじゃない。
ただ隣に、Patが居てくれるだけで。

思い返せば1話からここまで、Patの前でだけは普段以上に表情豊かな、イキイキと過ごすPranの姿ばかり見続けてきたように思います。
笑って、おどけて、怒って、声をあげて泣いて。
子どもの頃からきっと聞き分けの良い優等生だったPranだけれど、Patがいてくれたらそれだけで自由でいられる。ありのままでいられる。
とんでもない破壊力の愛の言葉。

海に叫ぶは万国共通

ただお互いを好きになっただけだ!
誰にも迷惑かけてないだろ!
クソ食らえ!

そう海に向かって叫ぶ2人。
異議なし。全くもってその通りです。
何一つ悪いことなんてしていないのだから、堂々と幸せになって欲しい。幸せになるべき2人です。


溜め込んだものを海に向かってひとしきり叫んだ2人は、その足でTongおじさんの元に向かいます。
ボランティア合宿の際にお世話になったTongおじさんに、今晩の宿を紹介してもらえないかと考えたのです。

身一つで飛び出してきた2人を大して詮索することもなく、Tongおじさんは自分の家の一室を2人に貸してくれることになりました。しかし無料だなんて美味しい話はあるはずもなく、明日から地元の仕事を手伝うことになってしまった2人。

夜に家を飛び出してから今までろくに休めていない2人はもうすっかりクタクタです。
貸してもらった部屋のベッドに寝転ぶPranと、Pranのお腹に頭を乗せて顔を見上げるPat。まるでハネムーンみたいだなってPranを見つめるPat、なんだかご主人様に甘える大型犬みたい。

Pranはバカかと微笑みながらPatの髪をくしゃりと撫でるけれど、やはり置いてきた人たちが気がかりで浮かない表情をしています。
太陽と風と海。それからお前と俺がいたら十分だろ?というPatの言葉を聞いてもなお、思わず口をつくのはみんなが心配していないかどうか。
Pranにこれ以上考えて欲しくないPatは「先に親の話をした方が負け」と勝負を仕掛けます。

🖐 👊

自分との勝負となればPranが乗ってくるのを誰よりもよく分かっているからです。
だって、全て忘れて今は2人でこの時間を過ごしたい。それがただ現実から目を背けるだけのことだったとしても。

Pranで頭がいっぱいで頭がずっしり重たいんだと言うPat。
前から思ってたけどそういうクサいこと言うPatのこと実は嫌いじゃなさそうなPranがかわいい。
多分Pranの頭もめちゃくちゃ重いと思います。


慣れない漁に四苦八苦しながらなんとか乗り切り、報酬として魚を手に入れたPatたちは、村に残って働きたいと語るジュニアと3人で食事の準備をします。

頭越しにいちゃいちゃすな (ありがとうございます)

ギャーギャー3人で騒ぎながらも、自然とPranの口をついて出るのは母Dissayaの話。
忘れよう、考えないようにしようとしていても、会話の中で無意識に出てきてしまうほど、母の料理はPranにとって当たり前にそこにあった愛情の証でした。不意によぎった母の記憶は、置いてきた母を思い出させるには十分です。

思わず表情が翳るPran

そんなPranの様子に気付きながらも、敢えて触れずに話題を変えるPat。
親の話をしたら負け。その勝負はもうPatの勝ちだけれど、勝ちたくて勝負を仕掛けたわけではないから触れる必要はありません。むしろなるべく見ないフリをして、触れずにいたかったはず。

PatもPranもお互い触れてはならないことが確かにそこにあることを知っていながら、そこから目を逸らして幸せそうな顔で笑っている。
始まりからずっと切なさが背中合わせに存在しているハネムーンなんて、薄氷の上の幸せなんて、2人には似合わないのにな。


そんなある日、バンコクからジュニアの母が迎えにやってきます。
この村に残りたいという夢を分かろうとしてくれない母に抵抗して逃げ回るジュニアを、懐かれているのであればあの子をどうにか説得してくれないかと頼まれてしまう2人。

親から逃げてこの海に逃げ込んだ2人にとって、帰らない自分たちが帰れと説得するとは、とても皮肉な頼まれごとです。

Patがジュニアを説得しにいく間、Pranはジュニアの母と話をして過ごすことに。

ジュニアの母はジュニアの未来のため、この村に残るという厳しさを伝えようとしていました。今は良くても未来はそうとは限らない。自分も母に厳しく教えられたことを感謝しているのだと。

ジュニアと離れて暮らすのは寂しくないのかと、Pranは最後に一つ問いかけます。置いてきた自分の母に重ねて尋ねたその質問に、ジュニアの母は、寂しいけれどそれより何よりも心配しているのだと答えます。それが母親の性だと少し寂しげに微笑みながら。

逃げると決めたあの夜、こんな理不尽はもう耐えられないと思ったのは確かなのに、Patとこれからもずっと一緒にいたいのに、Pranの中で母を思う気持ちを消し去ることは出来ません。大切なものが一つだけならこんなに苦しむことはないのに。


ジュニアのことで落ち込むPranを見かねたPatは、村で唯一のバーにPranを誘います。

いつも思うけどビール薄くない?美味しい?

30分働いたらビール休憩という交渉を成立させ、並んでビールを飲む2人。そこで演奏するミュージシャンを見て、お前もやってみれば?と言うPatでしたが、Pranは俺はいいと答えます。
けれど断ったはずのPranの視線はミュージシャンに注がれたまま。母を思ってやめたギターだけれど、音楽を愛している心まで嘘は付けません。

そんなPranの横顔を優しく見つめるPat。
Pranが3話のバス停で楽しそうに構想を練っていた時も、高校時代の回想シーンで楽曲のイメージを膨らませていた時も、Patはいつも瞳を輝かせるその横顔を見つめて笑っていました。
ギターを弾いてと何度もPatがせがむのは、Pranがギターを弾く姿が好きだから。好きなことを楽しむPranを見ているのが好きだからじゃないかな。
優しい視線から、大きな愛を感じます。


バーでの出会いに刺激を受けたからなのか、途中までしか書きあがっていなかった曲作りを再開するPran。

心に浮かぶフレーズをノートに書き留めていく中で、ノートに書かれたジュニアの日記を見てしまいます。そこには大好きな母への思いが綴られていました。今は反発しているジュニアが綴る素直な母への思いに背中を押され、この村に来た日に抜いたsimカードを取り出してしまいます。

この村での仕事が決まったことを喜び勇んで報告に来たPatは、Pranの手に握られたsimカードに気が付いてしまいます。仕事が決まったことを話してもちっとも嬉しくなさそうで、親と連絡を取ろうとしているPranの姿に、気持ちの揺らぎを感じ取ってしまうPatの表情がとても辛い。

2人でいられたらそれで十分で、このままここに居たいと思っているPatと、その一方で、あくまでも一時的な逃避行でありこのままずっとここに居られるとは思っていないPran。
気付かされたその温度差と、本気で考えているのは自分だけなのかという虚しさに、明らかに傷付いた表情を見せたPatはその場から立ち去ってしまいます。


海岸で座り込むPatのもとにやってくるPran。

傷付き不貞腐れた様子のPatのご機嫌を取ろうとお菓子を差し出すものの、いらないどっか行けと突っぱねられてしまいます。

ちょっと悲しい顔するのめちゃくちゃ保護

取り付く島もないPatの様子に、今度は自分が追いかける番だと言いながら、正式にバーで働くと答えてきたことを明かすPran。
帰りたいんじゃなかったのかと驚くPatにPranは答えます。

お前がいる場所が、俺の居場所だと。

なんという口説き文句。
可愛くて格好良すぎる彼氏にPatも一発で陥落です。
喧嘩してもすれちがっても、長引かせず話をして歩み寄ろうとするのがこの2人の素敵なところ。

可愛いも格好いいも強いも弱いもどちらかだけが持っているわけじゃなくて、それぞれが補い合ったり相乗効果でともっともっと素敵になったり、2人でいることこそが2人にとっての最大の強みなのだと感じます。


働き始めるのは明日からにして、今晩は2人きりで飲むことに。岩場に座り、普段は離せないことを語り合います。

卒業後はインテリアデザイナーになって、音楽も続けたいPran。
家業を継いで、それからPranの音楽を聴いていたいPat。
2人が語る未来は、当たり前のようにここでは叶えられないものです。夢を見ているようで、現実をちゃんと認識している賢い2人が切ない。

俺のどこが好き?と聞いたPatに、Pranは答えます。
お前は最悪でチンピラみたいだけど、チンピラみたいに人に絡んでは助けるところが凄いんだと。

PatはPranへの思いを自覚した後はもちろんのこと、バス停の修理や企業へのプレゼン等、自覚する前からも何かとPranに絡んでは力になろうとしていました。店で絡まれるWaiを助けたことでうっかり銃弾に倒れたこともあるくらい、見過ごせない人なんだろうなと思います。
高校時代にイケメンピックを貰ったころからずっと、PranはPatのそういう部分をたくさん見てきて、好きになりたくないのに好きになっちゃったんだろうな。

一方でPatは答えます。
めちゃくちゃ楽しいことも、死ぬほど辛いことも一緒に経験して、お互いを守り、心配し合い、恋しがり、幸せを積み重ねてきたと。
それがお前を好きな理由だと。

自覚するのこそ遅くなってしまったけれど、Patにとっては共に過ごしてきた時間全てがPranを愛する理由でした。
物心ついた時からずっとライバルとして過ごしてきて、確かに疎ましく思った日もあったけれど、相手も同じ境遇だと気付いてしまっては嫌いになることも出来なかった。
2人でしか分かりあえない多くのことを経験して、今は恋人として愛しく思うとともに、ともに並んで立つBuddyでもある。
お互いが唯一無二すぎて泣けてきます。

最後にひとつ、Patは質問します。
キスしていいか?と。

断られてしょんぼりするのめちゃくちゃ保護

その最後の質問に俺の番だからダメだと答えたPranは、Patの首に手を掛けて引き寄せ、唇を重ね合わせます。味わうように、深く。

唇が触れる直前、互いの顔を見るその視線も、離れがたく擦り合う鼻先も、一度離れた後の、熱に浮かされたようなその表情も。
触れたいという愛情や、繋がりたいという欲望、その思い全てが溢れて形になったようなキスシーン。
上から落ちる光に照らされた演出も、静かに流れる音楽も本当に美しく、何度見ても思わず見入ってしまいます。

5話の屋上のキスシーンでも思いましたが、この2人のキス、フィクションじゃないと感じてしまうんですよね。
演じた2人の関係がどうこうという話ではなくて、絵空事ではない、作り物ではない、PatとPranが交わす本気のキスなのだと感じる。本気で役を生きてくれた2人に心から感謝したいです。

一体いくつ名シーンを生み出せば気が済むんだBadBuddy。


一つのベッドで身を寄せ合う2人。
眠るPatを後ろから抱き締めて、愛おし気にその顔を眺めているPran。
片方の手は繋いだまま、肩に唇を寄せ、うなじに口づけて、胸いっぱいに香りを嗅ぐように顔を埋めて、ねえ起きてって言うみたいにぎゅっと引っついて。

Patを好きでたまらない気持ちがPranの仕草一つ一つから感じられます。なんだか泣きそうになるほど、透明で美しい、静かな朝。

ここの2人の会話もBBSがBBSたる所以だと思うのですが、いわゆる性行為におけるポジション、トップかボトムかを曖昧にしているんですよね。可愛いらしくきゅるんとした方がボトムで男らしくマッチョな方がトップ!という固定観念を敢えてぼかして、どちらでも受け取れるように作られている。

…ので、私もここはこうだと思う!とは言わないでおきたいなと思います。
ただ2人が心から愛し合った幸せな夜だった。
それさえ分かっていたらもう十分です。

すっかり朝日が昇り切った頃、微睡みから一人目を覚ますPran。
自分の肩口に顔を寄せて眠るPatをやはり愛おしそうに見つめて、触れている腕を柔らかく撫でて、額には優しいキスを。

腕を撫でる指が本当に愛

Pranの体を巡るPatを愛しく思う気持ちが溢れ出して、箍が外れてしまったかのように素直に気持ちを表現する姿に胸がきゅっとしてしまいます。

昨晩を思わせるしっとりした背中の質感がもう

遅れてベッドで目を覚ましたPatは、Pranがいるはずの場所でぱたぱたと手を動かしてみるけれど、そこに愛おしいぬくもりを感じられません。

姿の見えないPranを探してPatがあたりを見回すと、視線を落とした先、バルコニーから眺めたビーチにギターを抱えたPranの姿が。

海を眺めてギターを爪弾くPranは、視線を感じて振り返り、朝の白い光の中、今まで見たことがないほど綺麗な笑顔でにこりと笑うのです。

無垢で純粋な愛を湛えたPranの笑顔は、Patに決意させるには十分でした。

この朝の光景を、きっと2人は生涯忘れることはないと思います。
これから先どんなことがあっても。


バンコクに戻るジュニアの母を見送りに来た2人は、自分たちにぴとりとくっついているジュニアを母の元へ戻るようけしかけます。

反発していても本当は大好きな母に抱き着くジュニアを見て、少しだけ寂しそうな、複雑な表情を見せるPran。

そんなPranの様子に、Patが気が付かない筈はありません。Pranの横顔を眺めながら、Patの中である気持ちがどんどん膨らんでいく。
それが分かってしまうことがとても辛いです。


1人苦しげな顔をしたPatのもとに、制服に良さそうだから借りてきたと、服を手にして嬉しそうにやってくるPran。そうして着せた服のボタンを留めていくその手を、優しく握りしめて止めさせるPat。

なぜ止められたのか分からずに顔を上げたPranの瞳を見つめ、Patは告げます。

ありがとう。
こんなバカを喜ばせようとしてくれて。

「ありがとう」

そのたった一言でPatが今何を言おうとしているのか悟ってしまったPranが、一生懸命分からないフリをするのが切なくて、涙が出る。

Patは自分のために、このハネムーンを終わらせようとしている。だけどPatがPranの幸せを願うのと同じように、PranだってPatの幸せを願っている。
このままここに居ることがちゃんと自分にとっても幸せで、それだって嘘じゃなかった。本気でこのまま過ごす覚悟だってあった。
何の話?もうバーの開店時間だぞと、潤んだ瞳でとぼけるPranの震えた声が、目元を拭うPatの仕草が苦しくて。

遅かれ早かれ帰るしかないことくらい、Patもちゃんと分かっていました。痛いほどちゃんと。
それでもここで2人暮らす夢を見ていたかったPatの心を動かしたのは、Pranからの愛に他なりません。

消し去ることは出来ない母への思いに蓋をして、決して現実的ではないここでの暮らしを自分のために受け入れようとしてくれた。
Pranがビーチで見せたあの幸せそのものだった心からの笑顔は、目を背けて逃げているだけではダメなのだとPatに気付かせるには十分でした。

お前が隣で戦ってくれたら、それだけで幸せだ。

現実から逃げるのではなく共に戦おうと告げるそのPatの言葉に、じわりと湧き上がり零れ落ちたPranの涙、なんて美しいんだろう。

Patのために残ると決めたPran。
Pranのために帰ると決めたPat。

ここで過ごす最後の夜を目いっぱい楽しもうと笑い合う姿に、こちらはもう嗚咽待ったなしなのです。
500回見ても1000回泣ける、大好きなシーン。


そうして迎えたハネムーン最後の夜。
心置きなく飲もうと決めた2人が向かった先は、お世話になったあのバーでした。

Tongおじさんを交えてとりとめのない会話を楽しみながら、2人は気になっていたことを問いかけます。

この村で廃棄ゼロを目指すのは素晴らしいことではあるけれど、世間は無関心で成果を得るのは難しい。1人で世界を変えることなんて出来るはずもないのに、なぜそれを続けられるのかと。

しかしTongさんの答えを聞く前に、今度はバーの店主からドタキャンした歌手の代わりに店で歌ってくれないかと声を掛けられてしまいます。PatやTongさんに促されてステージに上がったPranは、少し気恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに語り始めます。

自分には絶対に友達になってはいけない人がいたこと。
ダメだと禁じられるほど惹かれてしまったこと。
結局友達になれない関係を超えて、
友達ではいられない2人になってしまったこと。
そして今から歌うこの曲は、そんな彼に書いた歌なのだと。

彼に書いた曲だと堂々と語るPranの姿に胸を打たれます。
Patを愛し、そして愛されている。その揺るぎない自信に満ちたPranは、優しく歌い始めます。

何が俺の愛なのかやっと分かった
他の何物でもなく、君こそが俺の愛なんだ

ずっと完成することのなかったPranの歌は、このハネムーンで遂に完成していました。
心も体も深く交わった夜を超えて、陽の光を受けて眠るPatの額にキスを贈った朝。1人ベッドを抜け出してビーチでギターを爪弾いていたまさにあの瞬間、この歌は完成していたのです。
Pranの全身から溢れ出すPatへの確かな愛がこの歌の答えだった。

幼い頃からライバルで、高校の時に少しだけ近付いて、引き離されても結局また出会い、惹かれ合って恋に落ちてしまった2人。
そんな彼らの日々をなぞるような映像はもちろんですが、この馴染みのあるメロディに気が付いた時、その仕掛けの見事さに本当に驚きました。
嬉しい時も悲しい時も分かり合えずにぶつかった時も、必ず毎話流れたタイトルバックのあの曲こそが、この"Our Song"だったのです。
11話で聴かされるずっと前から、1話からもうずっと、私たちの側にPranの見つけた愛の答えは寄り添ってくれていました。そんなのあまりにも粋すぎる。

本来の居場所へ戻ると決めた2人に寄せられた、Tongおじさんからのはなむけの言葉。
それは「1人では世界を変えられないと知りながら、それでも戦い続けられるのはなぜなのか」という2人の質問に対する答えでした。

確かに世界は自分一人では変えられない。
けれど世界だって自分を変えることは出来ない。


それを知っておいてくれと。

PatとPranが生きるべき世界。
逃げ出したはずのそれぞれの家。
そこに佇み静かにお互いを見つめる2人の心に、ボランティア合宿で2人きりで過ごしたビーチでの会話が蘇ります。見ることがかなわなかったあの日の会話の続きを、私たちはここで初めて知るのです。

もしも親の仲が悪くなくて、
敵同士じゃなかったのなら、
自分たちはどうなっていたと思う?

もしもそんな世界だったならきっと、2人が友達になっても誰も怒らないし、成績を競い合う必要もない。
忍び込まずに玄関から会いに行って、家族に迎え入れられて、いちゃいちゃしながら母の作る手料理を一緒に食べて。

2人が見る、ifの世界。
こんなにもささやかでありふれた幸せが、PatとPranには叶わない。たったこれだけのことすら叶えられない場所へと、2人は帰ろうとしている。

強くあろうと、涙を見せまいとしてきたPatがぼたぼたと落とす大粒の涙。
そして逃げてきた時とは反対に、今度は涙を見せず切なく微笑むPran。

帰ろう。
頑張れ、相棒。

戦うと決めた2人の背中は、それぞれの帰る場所へと消えていく。
OurSongの歌の終わりとともに。

11話は、ここでおしまい。


切ないけれど、2人はこれからも一緒にいるために親と向き合って戦う道を選んだんだ。
泣きながらそう思っていた私の目に飛び込んできた、BadBuddySeries最終回予告。


Pran「Patと別れた」
Pat「俺たち別れた」


え。

嘘。

嘘だよ。だって隣で戦うって、それだけで幸せだって、あんな風に笑い合ってたのに。卒業したらPranの音楽を聴いて過ごすんだって、Patだって言ったじゃないか!

呆然とするとともに、追い討ちのように流れるOurSongがあんまりにも辛すぎて、本当にベッドに顔を埋めてわんわん泣いてしまいました。
というか今も書きながら泣いています。

2人はこのハネムーンを経て、別れを選んでしまった。

Patのことが大切で心の底から愛していても、どうしても母を忘れることは出来ないPran。そしてそんなPranの気持ちをなかったことには出来ないPat。
彼らはまだ幼くて、それぞれの大切なものを全部守るには、2人の手だけじゃきっと足りなかった。
この選択肢しかなかったのだと思います。

今までいろんな作品を見てきました。
最終回直前、ちょっと話せば分かり合えることも意地を張って伝えられずに拗れてしまったり、言葉が足りなくて上手くいかずに破局の危機を迎えるラブストーリーもたくさん。
けれど、PatとPranはそうはならなかった。

様々な出来事を通して互いを知り、理解を深め、この11話ではかつてないほど素直に、真摯に、お互いへの愛を伝えていました。
2人の間には誤解もすれ違いもなく、心の底から本気で愛していると疑いようもなくお互いを信じている。そして信じているからこそ、この結論を選んでしまった。
辛くて辛くて、心が痛くてたまりません。まるで引き千切られたみたい。

今まで2人が持つ清々しさ、健康的で気持ちの良い関係性に惚れ込んできましたが、まさかこんな形でその最たるものを見ることになるなんて。
悲しいくらい優しい、2人のことが大好きです。

それから最終回直前にして、主演2人だけで1話丸ごと描き切った構成も素晴らしかった。心配する家族や友人たちの動きにはほぼ触れず、PatとPranの心の動きだけを脚本、演出、そしてOhmNanonの繊細な演技で魅せ切ってくれたことが本当に嬉しかった。
ただ思い出すだけで泣けて泣けて生活に支障が出るのでどうにかしてください。いや本当にしんどい。何してても涙出てくる。

しかし泣いても笑っても、次回はいよいよ最終回。
どんな作品もラストがぴたっと嵌まらないと一気に色褪せてしまうように感じますが、ここまで夢中にさせてくれたBBSならきっと最高のラストを見せてくれると信じています。
ほんとに、ほんとに信じています。

というわけで、とりあえず私は一旦目を冷やします。
泣きすぎて目蓋ぱんっぱんぞ。

ではまた、最終回にて。


最終話まで書けるように頑張るので、よろしければリプライとかマシュマロとかコメントとか何かしら反応くださったら嬉しいです😊

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