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水耕栽培で安心な野菜を子ども達へ                           ~針生麻梨さん~

「水耕栽培」とは土を使わず水と液肥で野菜や植物を育てる方法。
しかし手間のかかる栽培方法・・・従来のやり方で栽培してきた農家さんは口を揃えて「あんな手間にかかるの無理だ~」と口にする。
この水耕栽培に取り組み始めたのが矢巾町で8人の子どもを育てながら、
電気屋の代表を務める針生麻梨さん。昭和57年に創立されたリヒテック㈱を先代から受け継ぎ、現在は麻梨さんが代表取締役を務め、仙台出身の旦那さんは電気工事の現場等に出ている。

リヒテック㈱ HP https://lichtec.co.jp/

なぜ水耕栽培を?

夫婦でこのまま電気屋の仕事だけでやっていけるのか?
お互い歳を重ね、先を見越して電気屋以外の事をと色々考えていた頃
働きにきていた同級生から「水耕栽培」というワードがでてきた。
そこから調べに調べ、人づてに水耕栽培の師匠となる金ヶ崎にあるヨンボファクトリーの高橋さん出会う。

以前から土壌で野菜を栽培する際の農薬が気になっており、
人の健康を損なったりするのでは?と思っていた。
子どもに害のない食べ物を食べさせたい!その一心だった。
第8子を妊娠中には、水耕栽培を成功させるべく栽培環境に適した
所はどこだろう?と考えに考え 10トン冷凍車コンテナ を思いついた。
即実行の麻梨さんは、出産した後に水耕栽培にとりかかれるように
注文し設置の段取りも行い「あとは出産!」と意気込んでいた。

冷凍車コンテナでの栽培は前例がなく未知の世界だった

思いもよらぬ障がい


すでに7人子どもがいたが、第8子はダウン症だった。
子どもの将来を悲観し、気分が落ちた・・・
しかし悲観してばかりもいられない・・・
7人の子どもも家で待っている。
会社の代表でもある。。仕事もしなくてはならない。。
日々をこなすのに精一杯だったが、こなす事で徐々に徐々に
前向きな考えができるようになっていった。
今では「世界一幸せなダウン症の子にしよう」を目標に家族全員
笑顔で暮らしている。

畑で母と一緒にいる赳瑠(たける)君
8人の子ども達は笑顔が絶えない

試行錯誤の水耕栽培


障がいを抱えた子どもは通院も多く、風邪も命とりになる。
やはり自分は子どもの為に安全な物を食べさせ健康を守りたい!
水耕栽培を本格的に始めた。
試行錯誤で始めた栽培だが、栽培の難しさを現在も感じ日々格闘している。
また電気屋である利点を生かしLED照明を使用。
健康志向が日々進んでいる今、無農薬の野菜は需要がある。
欲している人に届くように日々栽培方法を研究し作り続けている。

1年目に作ったメロン。網は麻梨さんお手製で可愛らしい。
珍しい緑色のトマトも。水耕栽培でできたトマトは皮が
薄く赤ちゃんのほっぺのように柔らかい。

将来のビジョン


安全・安心な野菜を栽培をしながら矢巾町の西側に家族で楽しめる場所を作りたい。ふらっと来て自然と触れ合い遊べ・農業体験をできるような場所を作りたい。
矢巾町に生まれ育ち8人の子育てをしている肝っ玉母さんが夢を叶え
またその先に新たな人との交流が矢巾町で始まる未来を期待している。


緑に囲まれ仕事をしていると癒されるそうだ
さっと水洗いし水気をとりタッパに入れておくと1週間鮮度が保てる


                       文:ほそやまきこ


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