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矢巾に虹の花が咲く              ~ジャーマンアイリスの里~

「県道13号盛岡和賀線 沿いに虹の花が咲くんだよ」
と教えてもらい向かったのはGWが明けた頃だった。
まだ花が咲いておらず、まだ開花の時期ではないのか~と
車から緑を眺め少々気落ちししながら虹の花ってどんな花だろう?
と謎のまま”あえて”ネットで検索せずに花が咲くのを待っていた。


ジャーマンアイリスとは

5月14日そろそろか…と思い行ってみると虹の花は”ジャーマンアイリス”だった。そして「ジャーマンアイリスの里 」と手作り看板が出ており作業していたスタッフの方と話をすることができた。
ジャーマンアイリス は「虹の花」 とも呼ばれ、色とりどりの花を咲かせ
アイリスの仲間では最も華やかだそうだ。
20アールに60種類以上の約15,000株があり観覧期間は無料で自由に入園できる。地堀り販売もしており気に入ったものを掘って持ち帰る事ができる。この規模でジャーマンアイリスが見れるのは稀で毎年楽しみにしている人が多く、コロナ禍前は県内外から沢山の人が訪れたそうだ。

気に入ったジャーマンアイリスは掘って購入する事ができる
車中からも綺麗さが伝わってくる華麗なジャーマンアイリス

父から受け継いだジャーマンアイリスの里

「ジャーマンアイリスの里」は亡くなったお父さんが管理していた。
花が大好きだったお父さんが作り上げてきたものを・想いを引き継ごうと
嫁いだ娘さん達が現在は町外から来て手入れを続けている。
姉のまさこさんは盛岡から、妹のまりこさんは江刺から来ている。
ジャーマンアイリスは見た目が華やかだが、栽培するには手入れや管理に手間がかかる。花が咲いたら早めに花がらを摘んだり、枯れ葉などを取り除いて常に清潔な環境を保つようにしている。
秋には球根の掘り上げを行い乾燥・薬につけ、また乾燥。。。
水がたまって土が過湿になることを非常に嫌う為、高畝作りにし計画的に土を盛り通路の部分は水はけが良いように計算してまた土を盛る。
花が咲く5月だけでなく作業は年間通してあり、栽培するのは相当労力がいる事だろう。

姉のまさこさん


世界に一つの大きな花だん

妹のまりこさん手作りの可愛らしい看板

ジャーマンアイリスの里にはジャーマンアイリス以外の花も咲いている。
その中で手作りの可愛らしい看板をみつけた。聞くと妹のまりこさんが
江刺の活動センターの陶芸教室で作ったものだった。
まりこさんは、お子さん4人、現在お孫さんが6人もいるそうだ
(まったくお孫さんがいるようには見えない若々しい方なのでビックリ…)
江刺でお仕事もしながらジャーマンアイリスの栽培もし、要請があれば孫かでもし忙しい毎日のようだ。
そんな日々で花は癒しになり、花に話しかけたり見ていると気持ちが穏やかになるという。花が大好きだったお父さんの血をやはりひいているようだ。

(梅雨前からタチアオイが咲きます。八重タチアオイは珍しく華やかでカーネーションやバラのようです。作業でスタッフの方がいれば声をかけみて近くで見てよいか確認してくださいね)

はなびしそう 黄色が濃く目をひく
梅雨前から咲き始めるタチアオイ。八重タチアオイは珍しい。

後世に残したい虹の花


姉妹が父から受け継いだ矢巾町煙山のこの地で手をかけ気持ちがこもった
ジャーマンアイリス畑。今年は県内外から沢山の人が訪れていた。
来年の5月また綺麗なジャーマンアイリスを見れる事を今から楽しみにしている。

雨でも沢山の人が訪れていました
また来年も見れるのを楽しみにしています

     
                     文:ほそやまきこ

取材日記
開花の様子をみに行った際ちょうど目の前の交差点で大きな事故があり
車が横転しあやうく敷地内に車が飛んでくるとこだっと聞いて
「こんなに綺麗なジャーマンアイリスがあるのだから、ゆっくり安全運転してほしいですね…」と話した事を覚えている。
運転していると先を急ぎ前ばかりみているが「ここには花が咲いているんだ~」と思える余裕を持って運転していこうと自分でも思った。
風の強い中で咲くジャーマンアイリス、晴れて暑い中でみるジャーマンアイリス、雨で傘をさしてみるジャーマンアイリス 様々な天候でのジャーマンアイリスが見れ、スタッフの方との会話に癒された5月だった。
ステキな「人」と「花」に出会いに感謝している。


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