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林琢真選手は「プロスペクト」です!

ヘッダーはhttps://youtu.be/SVSYbEaA6CM?si=_-4-kNifLdjYYGFUより


はじめに

 開幕が迫る2024年プロ野球。先日オープン戦の全日程が終了しましたが、度会隆輝、石上泰輝両ルーキーの大活躍は目をみはるものがありました。昨年3位のチームから今永昇太、トレバー・バウアーという左右の両エースが抜けたことで下馬評は低いですが、去年の開幕時点よりもワクワクしているという方も多いのではないでしょうか。

 そんな中しばしば話題に上がるのが今年2年目の若手内野手林琢真選手

いつも思うけどいい笑顔だよね

 昨年はルーキーながら開幕1軍をつかみ取り、65試合に出場。アマ時代の本職はセカンドながらチーム事情も手伝ってショートやサードで出場することも多く、そのスピード感と確実性を兼ね備えたプレーは首脳陣からの信頼も篤いように見受けられます。特にショートに長らく絶対的な存在のいなかったベイスターズですから、若手の活躍は歓迎されるべきことです。
 しかし、一部の心無いファンによる厳しい言葉をSNS上などで見かけることも多かった昨シーズンの林選手。特に同じくショートを主戦場とするトッププロスペクト森敬斗選手と比較するような声が大きかったような印象もあります。

結局あいにょんってなんだったの?

 林選手は今年のオープン戦で16試合に出場し42打席で打率.286、OPS.690と昨シーズンの数値からしっかりと向上させた成績を残しました。昨年も1軍戦力として扱われていましたから、さらなる飛躍が期待されます。

 ですがちょっと待ってください。林選手を1軍で起用することは長い目で見たときにプラスなのでしょうか?
 
まだ2軍で成長する余地があるにも関わらず早期に1軍で起用しすぎたために結局最初の期待値ほどの活躍が見られなかった。そんな話はしばしば耳にするところです。逆に長い間2軍でじっくり育てたことで圧倒的な成績を収めるようになった選手もいます。高卒でプロ入りした選手が5~6年で1軍に出てきたらむしろ順調だなという気すらするわけです。それを考えると大卒でも2,3年は2軍で育成、というのも一案。そしてもちろん、例えば牧選手のようにいきなり1軍で大活躍する選手もいます。
 当たり前ですがこれらの選択肢に正解はありません。人生は一度きりですから別な選択をしたIFは確認できません。正解不正解は別にして、考えて選んだ道を進むよりほかないのです。

 その上で、ただ歯がゆさを吐き出して共有したいだけな気もするのですが、筆者の私見を述べさせてください。

・林選手は間違いなく有望な若手選手である
・しかし課題も多く、昨期1軍で起用し続けたことには疑問を覚えてしまう
・一部の課題は筋肉量増加などのパワーアップで解決される可能性が高い
・所謂「2軍でやることがない」という選手ではないように見える
・まずは下から。そして2,3年後のレギュラークラス戦力化を目指すべき

 これらの発想に至った理由を、読者の皆さんでもある程度アクセスしやすいデータ、すなわち打撃面の数値をもとに説明したい、というのがこの記事の目的です。また、当然のことですが上記の主張が100%の正解であるというつもりはありません。忌憚ない意見をいただければと思います。

 なお、守備・走塁については個人でのデータ分析の難しさからdelta社などが算出するUZRなどをそのまま貼る、というような行いの域を出ず、権利の問題やそもそもそのテの指標を信頼するしない論争になりかねないことから本記事ではあえて触れないこととします。プロ1年目から慣れないポジションに就く大変さもある中で、随所に光るものを見せてくれたことは皆さんもご記憶のことでしょうから、むしろここは純粋な伸びしろとして夢を見るに留めておきたいと思います。

 前置きが長くなりました。打撃成績を足がかりとして、林選手の現在地点を考えていきましょう。


三振は悪いのか?

 先にも取り上げた林選手のオープン戦成績について、わるいインターネットで指摘される点としてその三振率が挙げられます。オープン戦42打席で三振は12。これはパーセンテージで表すと28.5%となり、昨年度のNPB平均が19.4%ですから、あまりいい数字とは言えません。また、昨シーズンの林選手の三振率は18.8%。短期間とは言え三振率が10%近く悪化しているのは厳然たる事実。
 ですが、これだけではなんとも言えないところです。昨シーズンは当てるだけのバッティングだったのかもしれないし、オープン戦ですから新しいスタイルを試しているのかもしれません。あるいは昨シーズン優勝・日本一を達成した阪神タイガースが、見逃し三振が増えることを受け入れる代わりに四球を多く獲得するという方針を打ち出し見事に攻撃力を向上させたといったこともありました。そのようなマインドセットをベイスターズも打ち出しているのかもしれません。いやしかしそれでも3割近い三振率はいただけない……よくわからなくなってきました。

 ということで、比較対象としてベイスターズファンに馴染み深い選手に登場してもらいましょう。タイラー・オースティン選手です。

今年は頼むよ

 皆さんはオースティン選手にどのような印象を抱いているでしょうか?圧倒的な長打力、広角に打ち分けるバットコントロール、ガッツあふれるファインプレー、ケーキ配りおじさんなど様々かと思いますが、今回注目したいのは「低めの変化球とかで結構空振りしてるよね?」という点です。
 オースティン選手はキャリアを通して三振率がかなり高い選手です。例年30%前後で推移しており、この傾向はMLB、NPBを問いません。例えばベイスターズに加入してからのキャリアイヤーとなった2021年は439打席で111個の三振を喫しており、三振率は25.3%。NPB通算でも25.9%となっており、はっきり言って単体では見ていられない数字です。ですが健康な状態のオースティン選手を打力の部分で否定するファンはほとんどいません。何が違うのでしょうか?

 結論から言えば「三振は四球、長打があってこそ」ということになります。
 オースティン選手と林選手は求められる役割は異なるかもしれませんが、あくまでひとつの例として、オースティン選手を分析してみましょう。しかしNPBではこういったデータを広く見ることができる体制が整っていないのが現状。ですので、ここではMLB時代のデータを用いてお話しさせていただきます。先述の通りオースティン選手のアプローチは日米で大差ないですから、ご容赦いただきたく思います。NPB Savantはよ。

 以下に示すチャートは、オースティン選手のMLBでのキャリアイヤーとなった2018年のゾーン別の三振率(K%)、空振り率(Whiff%)のものです。数値はそのままパーセンテージを、色は赤いほど優秀で青いほど悪いというものです。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/tyler-austin-592122?stats=statcast-r-zones-mlb

 2018年のMLBでのオースティン選手は268打席で56安打ホームラン17本、打率は.230と決して高くないものの出塁率は.287と打率の割にはまずまずでOPSは.767という成績。そして本題の三振率は35.4%とこの年のMLB平均22.2%を大きく上回ります。
 チャートを見れば一目瞭然ですが、低め、特にボールゾーンのそれをかなり空振りしてしまっていることがわかります。実際日本でもアウトローの変化球に手を出して空振り三振、というような姿がよく見られますよね。また、それ以外のゾーンでも空振りが目立ちます。ではこの課題を彼はどのように克服しているのでしょうか。

 ひとつは「卓越したゾーン管理」が挙げられます。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/tyler-austin-592122?stats=statcast-r-zones-mlb

 上記のチャートはそれぞれ各ゾーンに来たボールを振った割合(Swing%)、振った数(Swings)を表します。
 ボール球に手を出して空振りしてしまうという課題に対する一番シンプルな答えをオースティン選手は実践しています。それは「ストライクゾーンは振って、ボール球は振らない」というものです。彼のチャートを見るたびに改めて素晴らしいバッターだと痛感させられます。コンタクト率の低さをその選球眼で補っているわけですね。実際、この年のオースティン選手の四球率は7.1%と、同年MLB平均8.4%は下回りますが三振率ほどの乖離はない形になっています。

 では、振った打球はどうなったのでしょうか?ここにもうひとつの解決方法が見えてきます。「Might is right.」力こそ正義というやつです。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/tyler-austin-592122?stats=statcast-r-zones-mlb

 まずはゾーン別の打率(Batting Average)を見てみましょう。ここまでの議論からもわかるようにボールゾーンは振らないか空振りかの二択なので芳しい結果になりませんが、ストライクゾーンでの結果は見事です。特に真ん中付近に来た甘い球は逃さず捉えています。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/tyler-austin-592122?stats=statcast-r-zones-mlb

 そしてさらに圧巻なのが長打率(SLG)。そのパワーによってストライクゾーンの捉えた打球をしっかりと長打にできています。三振が多いことでイベントが少なくなってしまうところを、コンタクト時の打球の質の高さでカバーしている、というようなイメージを持ってもらえればよいかと思います。ボール球を見逃してストライクのみ振るというアプローチが許されるのは、ストライクゾーンに投げたら手痛い一撃を食らわせることができるんだぞ!という圧力があってのこと。甘いところに投げられたところでへろへろの打球しか飛ばずゴロや外野定位置のフライがほとんど、ということであれば素直にゾーンに強い球を投げ込んでいれば大抵抑えられるということになってしまいます。これではいくら目が良くても四球をもぎ取れません。

 もう一度はじめに触れた結論に戻りましょう。「三振は四球、長打があってこそ」という主張が少しは伝わったでしょうか。三振という、可能性を全く生まないイベントの割合が高い選手が攻撃面で貢献することは基本的に困難を極めます。それをカバーするには、100%の確実性でもって出塁できる四球獲得と当てた際の打球の質との両面を追い求め続ける必要があります。実際オースティン選手もここまで見てきた2018年シーズン中にヤンキースから放出され、2020年には日本球界へやってきたわけですし、それがどれほど大変かというのは理解いただけるかと思います。仮に三振してもいいから四球を得ようと思っているのだとしてもこのオープン戦の水準では損のほうが大きくなってしまうかな、というのが結論です。
 もちろんシーズンが始まれば昨年くらいの水準に収束していくとは思います。とはいえ、それを考慮した上でもう少し三振率が下がってくる必要があるのではないかというのが個人的に考えるところです。具体的には、昨年度の関根大気選手や大和選手の三振率が両者共に10%ほどでしたから、そのあたりまでいくといいかもしれません。

OPS.690は悪いのか?

 先の項でも四球と長打の重要性に触れましたが、実際林選手はどうなのでしょうか?そもそも林選手はオープン戦でOPS.690とある程度の数字を残しており、このままのアプローチでもいいという可能性もあるかもしれません。もう少し細かく見ていくことにします。
 OPSとは出塁率長打率を足しただけの非常にシンプルな打撃指標です。これだけなのに得点と強い相関があるのだからいつも感心してしまいます。ここではそれを更にシンプルに、出塁率と長打率に分けて見てみましょう。

 まず出塁率ですが.405と素晴らしい数値を記録しています。昨年度の宮崎敏郎選手の出塁率が.395と聞けばこの数値の素晴らしさが具体的に伝わりやすいでしょうか。少ない打席数ながら7個の四球を獲得しており割合としては16%。昨シーズンは154打席で四球はわずかに6個、率にしてたった3.9%でしたからこの伸びはかなりすごい。打率に依存しすぎない出塁率は再現性が高いため、できればこれは継続してほしい数値です。

 しかし問題も見えてきます。宮崎選手を引き合いに出したことでお気づきの方もいるかもしれません。昨シーズン宮崎選手はOPS.935を記録していました。オープン戦の林選手は出塁率の割にはOPSが高くない(余談ですがこれは度会選手にも言えることです。更に言えば度会選手は打率に依存した出塁率でもあります……別な話になるのでここでは深堀りしませんが)のです。
 OPSが低く出てしまう原因は長打率にあります。昨シーズンより向上してはいますが長打率.286はいただけない数値です。昨期ベイスターズだと楠本選手(.287)や伊藤光選手(.294)などバッティングが少々物足りない1年になってしまった選手たちと同水準。これはかなり失礼なことではありますが、あえて触れるなら濵口遥大選手の長打率は.333、ガゼルマン選手は.308、そして今永昇太選手はなんと.368とよく打つ投手に負ける形に。まあこれは彼らが打ちすぎなんだと思いますが。

 長打力について更に考えてみましょう。先程はオースティン選手と比較しましたが、やはりタイプが違うという感じもあります。ということで、少し似たような印象を受けるドラゴンズ岡林勇希選手、タイガース中野拓夢選手と比較してみましょう。

林選手の23シーズンも一応
セ平均には投手も含まれます

 印象通りといいますか、彼ら2人のOPSは.700弱で林選手のオープン戦成績となんとなく同じくらいの数値。比較対象としては申し分ないでしょう。また、OPSで用いる長打率というのは正確に言えば塁打数のことですから単打でも伸びるものであって、所謂飛ばす力のあるなしに直結はしていません。どっかのTBSのドラマで勘違いしてましたよね。そこで追加の情報として、二塁打以上の数と長打力を測る指標IsoPを載せています。IsoPとは長打率-打率で求められるもので、ヒットの中から二塁打以上のみを抽出して打者の長打力を見るための指標です。
 打席数の都合もあるため一概にどうこうとは言えませんが、やはり林選手の長打力、ひいては飛ばすのパワーのなさは目立ってしまいます。昨シーズン154打席+今年のオープン戦42打席と200打席近く立つ中で本塁打が0、二塁打も5本というのは少々さみしい数字です。ここに含まれない、例えば昨年のCSでのカープ森下暢仁選手から打ったあわやホームランかと思われたいい角度の二塁打などもありますが、それももう少しパワーがあればホームランだったと見ることもできてしまいます。

 先述の通り、四球獲得のためには、オースティン選手並みとは言わないまでもある程度のパワーは必要になるだろうというのが筆者の持論です。あるいはかなり極端な空想になってしまいますが、林選手がオープン戦の水準で出塁を続けた上に中野選手レベルの長打力を身に着けた場合、OPSは.740付近に到達、これは昨年度で言えばスワローズのホセ・オスナやカープ坂倉将吾選手と同程度の値です。どうでしょう?文字通りパワーアップした林選手を見てみたくなりませんか?

 大抵の方と同様に筆者もプロ野球の経験はありませんから4月から11月まで高強度の運動を休みなくほぼ毎日行うことの肉体的負荷を類推することはできません。ですが、昨今ではルーキーイヤーで1年間1軍に帯同しながらも実戦登板はせず体作りに充てたマリーンズ佐々木朗希選手や、同様の体作りメニューを行った我らが小園健太選手の例も聞くところです。やはり実戦と体作りの両立は困難なのだろうと思うところです。


代わりはいなかったのか?

 簡単にではありますが、この点についても触れたいと思います。昨年林選手が1軍で多く起用されることとなったのは、オープン戦~シーズン最序盤で森選手が大不調に陥ったことが原因のひとつであることは間違いないはずです。ドラゴンズから獲得した京田陽太選手もいましたが一塁や三塁で起用されることも多く、またベイスターズの二遊間を長らく支えてくれた大和選手も年齢の影響から近年はショートは厳しくなってきているという状況。正三塁手宮崎敏郎選手もフル出場は難しく、それすなわち内野は二塁の牧選手以外は全く固定できていなかったということになります。そんな中で、堅実さとユーティリティ性を武器にする林選手に現場が頼ってしまった気持ちに共感はできます。しかし、代わりはいなかったのでしょうか?

 候補として真っ先に名前が挙がるのが今年でプロ7年目の西巻賢二選手です。今年は1軍キャンプに帯同しオープン戦の出場もありましたから印象にある方も多いと思います。
 昨オフ育成契約でベイスターズに加入した西巻選手は4/27に支配下登録されると、翌4/28には1軍昇格。しかし少ないチャンスを物にできず5/18に登録抹消。そのまま昇格することなくシーズンを終えました。しかし2軍では100試合に出場し打率.248、2本塁打、OPS.701とある程度の成績を残していました。これは林選手だけでなく森選手の2軍成績よりも高水準でした。単純な成績だけ見るのであれば、彼ら2人より優先して1軍再昇格させてもよかったのではないかと思えます。

 また、もう一つの選択肢としては二遊間を守れるユーティリティタイプの助っ人野手の獲得です。
 近年、かつてのような大砲タイプの助っ人を調達することが困難になっているのは周知の事実かと思います。そんな中、ユーティリティタイプの助っ人を獲得する動きが少しずつ目立つようになってきました。元ファイターズのアリスメンディ・アルカンタラ、バファローズのマーウィン・ゴンザレス、ドラゴンズのオルランド・カリステなどが例として挙がります。また日本での起用はUTというほどではありませんが、アデイニー・エチェバリアや先ごろ支配下登録が発表されたクリスチャン・ロドリゲスも遊撃手として守備に就くことができる助っ人です。昨オフの助っ人市場の噂として元ボストン・レッドソックスの張育成が囁かれたこともありました。
 もちろんシーズン途中の助っ人補強で、しかも二遊間を守れる選手を連れてくるというのはかなり難しいとは思いますが、有望株の成長を阻害してしまうことを避けるための選択肢としてはアリだったのではないでしょうか。

 他にも少ない出場機会ながら特に打撃面でかなり尖った結果を残した知野直人選手、シーズン途中にトレードで獲得した西浦直亨選手など選択肢自体は用意されていたように思えます。重ねて言いますが、現場で林選手に頼りたくなる気持ちはとてもよくわかるのですが……

おわりに

 先にも少し触れましたが、今年から中日ドラゴンズに育成助っ人として新加入したクリスチャン・ロドリゲスが支配下登録、そして開幕戦スタメンショートとして起用されることが明言されました。
 クリスチャン・ロドリゲスがどうなるか、参考になるのは同じキューバ出身の内野手エチェバリアの成績でしょう。彼は今のロドリゲスと同じ21歳でアメリカへ亡命しマイナーリーグA+とAAでプレーしています。その際の成績がOPS.605でしたから、NPBとのレベル差などを考えれば今年のロドリゲスの1軍成績はOPS.450~500といったところが妥当かと思います。とは言えエチェバリアは23歳でメジャーリーグに到達し、OPS.645とリーグ平均の75%程度の攻撃力にまで成長しましたから、ロドリゲスも数年間適切に育成されればNPB屈指のショートになる可能性は十分に考えられます。
 この報を、そして今のめちゃくちゃ大雑把な成績予想を見たベイスターズファンの皆さんはどう感じたでしょうか?
 無理に1軍で使うとOPS.450~500だが、適切に育成すればリーグ屈指の選手になる可能性がある、これは林選手にも言えることではないでしょうか?

 ところで皆さんは昨年オフに林選手がどの選手と自主トレを行ったかご存知ですか?ご存じない方は少し考えてみてください。イメージとしては、大和選手とか関根選手とか、あるいは他球団の二遊間の選手に師事したのではないか、そんな気がしますよね。

 正解は大田泰示選手でした!この選択ってとてもかっこよくないですか?
 昨シーズンの林選手に三浦監督たちが求めていたことは守備や足、小技だったはずです。今年以降もそれらは1軍にいるために大きな武器となるでしょうから、その要望に答えられるようなトレーニングを積むという選択肢もあったはずです。
 ですが彼はその道を選びませんでした。太田選手との自主トレは小技の効くバイプレーヤーで止まりたくない、打線のコアとなれる選手になるんだ、そんな決意表明のように筆者には感じられます。

 今永、バウアーというメジャーリーグ上位レベルの先発を2枚擁した昨シーズンは優勝がかなり現実的な目標だったと思います。しかしそのチャンスを掴み取ることはできませんでした。次のチャンスは最短でもあと2,3年は先でしょう。
 しかし逆に言えば2,3年後のベイスターズは優勝をもう一度現実的に狙っていけるはずです。投手陣では小園選手、深沢選手、森下瑠大選手らのエースポテンシャルが花開く頃ですし、野手陣では牧選手、梶原選手、井上絢登選手らの世代が全盛期に近い年齢に、そして松尾選手、度会選手、石上選手、武田陸玖選手らが体作りを終え本格化し始めるはずです。あと2年後くらいだったらなんとなくまたバウアーいたりしそうだし。

 そんなチームで林選手はどのような選手になっているのでしょうか。そんなことを考えつつ、このあたりで筆を置きたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

参考資料

選手画像、1軍公式戦記録

オープン戦記録

2軍成績

MLBデータ


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