『舞台版 誰ガ為のアルケミスト』~聖ガ剣、十ノ戒~にご来場予定の皆様へ

先程、公式から発表がありました。

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『舞台版 誰ガ為のアルケミスト』~聖ガ剣、十ノ戒~にご来場予定の皆様へ
3月13日(金)~3月22日(日)の全公演を中止とさせていただく事となりました。
公演は中止となりますが、全日程、生配信でお届けさせていただく予定です。
公式HP
https://tagatame-stage.jp/
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楽しみにしていたお客様、本当に申し訳ありません。

僕自身、決定を本日(皆様より少し先に)知りました。
決定を聞いた時、呆然となってしまい、
しばらくしてようやく、悔しい気持ちがわき出てきました。

最終稽古は先日、すでに終わっております。
稽古の最後の週は、他の舞台と同じように、
シーンを詰めては通し、通しては、詰めの稽古をしてきました。
作品は、通し稽古をするたびに、更に…更に…よくなっていき、
最後の通しでは、自信をもってお客様に届けられる作品が出来上がりました。

ですが、舞台作品の成長は、稽古で終わりではありません。
本番を「生」でお客様に観て頂いた先に、更なる成長があります。

お客様の目の前で演じることの高揚感は、キャストをさらに輝かせますし、
生でお客様の反応を受けながら、役者はリアルタイムで自分の演技をはかり、
さらに成長していきます(稽古中よりも、まるで化けたかのように成長する役者もいるくらいです)

そして、カーテンコールでお客様から頂ける「拍手」をもって、
キャストも、スタッフも、僕自身も、
作ってきたものが、「本当に面白いもの」だったかどうか……
ようやく知ることができるのです。

そうして、それが自信となり、経験となり、
作品は公演期間中にさらなる成長を遂げていくのです。
(初日と千秋楽に差ができるのは、慣れだけではなく、上記のような理由もあります)

「お客様が入って、作品が完成する」という言葉は、決して大袈裟なことではなく、
必然的な真実なのです。

今回の公演は(配信はありますが)、
同じ劇場で、同じ空間を共有するという点では、「生」の舞台ではないのかもしれません。

コメディシーンで聞こえるはずの、お客様の笑い声も、
舞台からこぼれた照明の光で見えるはずの、お客様の表情も、
静寂の合間に聞こえてくる、お客様のすすり泣きも、
カーテンコールに響くはずの、拍手の音も、
キャストはリアルタイムで感じることができません。

いつもと違う客席を前に演じることは、
キャストにとって、きっと、すごく不安なことだと思います。

今回は単なる公演中止でなく、配信による上演が行われます。
どうか…お時間ある限り、ご都合の許す限り、
少しでも多くの配信の公演を視て頂けたら幸いです。

そして、終演後に(配信動画にコメント機能がもしあるならそこでも)
劇場で伝えられなかった――感動・笑い声・涙・拍手の分、
キャストに届く形(SNSなど)で、少しでも早く…少しでも多くの「感動」を伝えてあげてください。

それが、いつもと違う客席の前で演じる――キャストにとっても、僕らスタッフにとっても、
何よりの励みになると思います――いつもよりもずっと……大きな励みになります。

そういったお客様の声があれば、この作品も、いつもの舞台と同じように、
皆様の感動によって磨かれて、稽古場だけでは作り得なかったものに、育っていくと信じています。
配信ごとに、新鮮で、面白いものになっていくはずです。

「お客様が入って、作品が完成する」

今回、お客様と舞台は遠く離れているかもしれませんが、
配信を視て、SNSなどに想いをぶつけて、
「目に見えないけど、そこに存在する生の劇場」を
作っていけたらと思います。

今日の仕込みは順調に終わりました。
明日はいよいよキャストを入れて、リハーサルが始まります。
13日の(配信)初日に向けて、しっかりと準備していきます。
どうか、お楽しみに!

脚色・演出 宮城陽亮

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