僕とVket再発見ツアー

ヤギ福です。
毎週過去に開催されたVketのツアーやったり、開催期間中には全部のブースを回る配信や公認配信者をやってます。
それぐらいVketが好きな人です。
そんなただのVket好きが、どうして過去のVketのツアーイベントを始めたのかを書きます。

『そもそもVketって何?』

Vketは正式名称バーチャルマーケットという、VR法人HIKKYがVRChat内で年に2回ほどの感覚で開催している展示即売会イベントだ。
Vketの会場では、様々なテーマやコンセプトの会場に、出展者様のブースが配置され、アバターはもちろん、アバターに身に着けるアイテム、書籍や音楽、アプリケーションや、珍しいところではリアルで購入できるもの等、様々な商品が展示、販売されている。
アバターは試着、アイテムは実際に手に取って見たりすることができ、たくさん商品を見て触って、気に入ったものがあれば購入できる。
これがVketだ。
ちなみにVket再発見ツアー開始冒頭でも同じこと言ってご案内してます。

『なぜ過去のVketのツアーを?』

VR空間上での展示イベントと、現実の展示イベントとで大きく異なる点は、開催期間を過ぎても24時間365日いつでも行くことができるというところにある。
たとえばウン年前の車の展示会そのものに実際に行こうと思ったらタイムマシンが必要になるし、完全に再現をしようとすると宝くじを数10回当てなきゃいけない。再現をするうえで当時関わっていた人達を集めるのもこれだけで数年はかかるかもしれないだろう。コスト面等を考えるとそれなりの参加者の人数も見込まなければならない。
天候にも左右されることもあるし、会場へ行くまでの交通費や時間もかかる。
だが、VR空間上でなら、一部の仕様変更や、VRChatのバージョンアップによるバグなどを除き、開催時の姿をほぼほぼ残った状態でいつでもすぐに見に行くことができる。
開催当時は展示会として、開催期間を過ぎれば博物館的な存在として楽しむことができる。

そんな画期的な展示会であるVketだが、いざVketの話題になると、「開催期間中に行ったところはあるけど、他のところは行ってないなぁ」という話を非常に多く耳にする。
Vketの開催期間中はもちろん多くの人が様々な会場を回ってはいても、さすがに全部のワールド、全部のブースをひとつひとつじっくり見るという熱心な人は少ない。
しかも残念なことに、過去の会場に行くことはできるが、開催期間を過ぎてから実際に足を運ぶ人も少ない。
開催期間終了後に再度行けることが可能になった会場を覗いてみても、ひとつの会場に3人も入っていれば多い方だった。
僕の中のもったいないお化けくんが怒り狂っている。
「もっといろんなクリエイターの商品や作品を見てほしいのに…!」
「このワールドすごく雰囲気いいのに…!」
「あの人はあの商品絶対気に入ってくれそうなのに…!」
あげく、僕自身のVket欲くんもお気持ちを表明してくる。
『もっとたくさんの人と回りたい』
『てかVketならどこでも行きたい』
『いろんなものを見てもらえる機会を作りてぇ』
このもどかしい気持ちはどうすればいいだろう?
せや!人を誘致できるイベントを立ち上げればええんや!

このワザとらしいツアーポスター!

VRChatの魅力であり、驚いたことでもあるのが、イベント企画の立ち上げがあまりにも簡単なことだ。
ツイッターやイベントカレンダーなどに日時とイベント内容を書いて流し、あとは当日それを実行するだけ。
これだけでもう立派にイベントが立ち上がる。
しかも全国どころか全世界から人を集めることができる。
もちろんこれは非常にシンプルな集会などのイベントにおけるひとつの例で、より条件が重なったり、個人だけではなく法人とも絡んでいくようなイベントの場合だとより複雑にはなってくるが、おおよそのイベントの流れはこのようなものだ。
そうして勢いだけで生まれたのが、過去のVketの会場をいろんな人達と楽しむことができる、Vket再発見ツアーだ。

「Vket再発見ツアー」は、様々な意味をこめてこの名称に決めた。
すでに訪れた人には、いろんな人と一緒に回ることで、それまで知らなかった商品、ワールドギミック、クリエイター、裏設定、エピソード、僕からの解説によって再発見するという意味での「再発見」。
初めて訪れる人にとっては過去のものから初めての体験ができる「再発見」。(これはちょっと無理やりだけどw)
そして、多人数での視点の違いや、意見や解釈も混ぜ合わせた「再発見」を参加者全員で共有するというのはとても刺激的で、僕自身もツアーを通し、案内をしている僕ですら何度も「再発見」をして驚かされている。
これだけツアーをやっていても未だにVketには知らないことの方が多い。

『過去のVketには何がある?』

『でも、古いVketって見るものある?新しいのが一番楽しいんでしょ?』
これにははっきりと「NO」と言える。そんなことはございません!
確かにもう販売もしていない、試着もできない商品もたくさんある。
しかし、展示のみの商品やブースをウィンドウショッピングしていくだけでも十分に楽しめるし、当時は販売されていた商品も、最新の商品としてリメイクがされていたりというパターンもある。
Vketの商品の展示の傾向としては、やはり出来立てほやほやの最新商品を展示するクリエイターが多い。
Vketも回数を重ね、過去のVketの会場を回ることで会期ごとの最新商品を見て回ることができ、当時のトレンドを知ることもできる。
また、当時の最新の商品のみ展示しているということは、その時に開催されたVketの会場でしか展示を見られないということでもある。
ブースそのものを見るのも楽しさのひとつだ。
この時のブースではこうだったものが、まるで前回よりも時間が経過したかのようなブースになっていたり、この時いなかったアバターが、この時では増えてブース内で仲良く遊んでいたり、前回はこうだったのに、この時の間に何がったんだよ!というような劇的な展示がされていたりもするのだ。

時間が経ち、積み重なっていけば、歴史も作られていく。
Vketは過去の「展示会」でもあり、「博物館」のような存在にもなりうる貴重な存在なのだ。
そしてそれらに触れられる展示物は、実在する展示物や歴史遺産よりも生き生きと存在しているようにも感じる。

これからVR上に商品を出展したい人や、作品を作りたい人にも過去のVketをたくさん見て回ってほしい。
ブースや商品そのものが魅力で、刺激やアイディアが得られるのはもちろん、展示の仕方、展示物へのお客さんの誘導、隠し要素などのちょっとした小ネタやギミックなど、ブースを見て回ることで得られるものが多い。
現実とは違う、VRだからこそできる展示の仕方等もきっと参考になるだろう。
実際に副主催であるKoma+くんやツアーの常連であるhibikiさんがVket2021で出展したブースは、初めて出展したものと思えないようなブースで非常に感心した。

『Vket、もう一度見に行きませんか?』

Vketに携わった人達や、出展者の立場でも考えると、途方もない時間と労力がかけられて出展しているのに、開催期間が過ぎてしまったらもう見てもらえないというのはとても悲しい。
これだけの数の、これだけ積み重ねてきたものが、これだけ存在し、しかもいつでも行けるというのに、見てもらえない。
だからこそもっと見てもらえる機会を作りたかったからツアーを始めました。
そしてこれからも、これまでのVketでも、僕のツアーじゃなくても、もっとたくさんのものを見てください。
Vketにはまだまだ楽しめるものや、素敵な景色、アバターやアイテムとの出会いがきっとたくさんあるはずだから。

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