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親になるのが不安で泣いてばかりだった7年前の私へ

今から7年前。2015年10月14日の16時54分。
あなたは息子を出産しました。

予定日より1ヶ月早い出産。昔の言葉を借りれば未熟児。低出生体重児と早産児のダブルパンチで、身体が完全に出来上がっていない状態で生まれた息子は、そのまま新生児集中治療室(NICU)へ入院することになります。

ただでさえ人より小さく生まれた身体。鼻にはチューブ、小さい手には点滴と、管で巻かれた息子の姿は、想像していたものとはあまりにかけ離れたものでした。

面会できるのは1日1時間。抱っこできるのはその中で10分だけ。
「こんなに離れていて、ちゃんと親と認識してもらえるんだろうか」
「ちゃんと産んであげられなかった」
保育器越しに小さな小さな手を握りながら、何度も何度も涙しました。

妊娠中に夫の発達障害が遺伝する可能性があると言われていて、
この子は将来どうなるんだろうか、私は育てることができるのかと、
期待よりも不安でしかなかった。

でも、親である私がしっかりしなければと、誰にも言わず、ずっと一人で抱えていた。

7年前の私には想像ができなかった。

息子の背丈が私の肩ほどに伸びた姿を。あと3、4年もすれば自分を抜かすんだろうなぁと少し心寂しく思っていることを。

7年前の私には想像ができなかった。

息子がつっかえながらもたどたどしく教科書を音読する姿を。母の横で音読する幼い頃の自分と重ねて、懐かしい気持ちになることを。

7年前の私には想像ができなかった。

たまたま公園で一緒になった1歳の男の子に声をかけ、砂遊びする姿を。優しいお兄ちゃんですねぇと褒められて、少し誇らしく思う自分がいることを。

繋いだときの私より少し温かくて柔らかい手。膝の上に座ってきたときの重みと落ち着く匂い。くだらないことで笑ってるときの顔。お母さんと呼ぶときの少し甘えた声。

あげだしたらキリがないほど、想像できなかったことがたくさんある。

未来のことを考えたら終わりが見えない。壁にぶち当たることもあるけれど、大丈夫。
あなたは一人じゃない。辛い時には辛い、助けてほしい時には助けてと素直に言える人間の方が強い。

あなたはあなたなりに、親になっているよ。


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