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日本で暮らす”外国人”の子どもたち

日本に暮らす在留外国人(以下、外国人)は、2,829,416人(法務省、2019年6月末、在留外国人統計表)に達している。

日本の人口は126,020,000人(総務省、2020年1月1日時点統計局発表)であり、約50人に1人が外国人と呼ばれる人々である。

僕は日本で暮らす人々には、「日本を好きになってほしい、日本大好きで居続けてほしい」と考えている。
そんな思いで昨年こんなnoteを書いた。

今回は「日本で育つ外国にルーツを持つ子ども」について考えてみる。
ちなみに僕は子どもがとても好きである。

「外国にルーツを持つ子ども」は日本にどのくらい存在しているのだろうか。

日本全体で2018年に生まれた赤ちゃんは91 万 8400 人。そのうち外国人の母親を持つ子どもの数は16,887名となっている。(厚生労働省、平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況

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母親が外国人なので、”父親が外国籍で、母親が日本人の方”はカウントしていないので、大よそ2018年に日本で生まれた50人に1人が両親のどちらかが外国の方である。

冒頭で「約50人に1人が外国人と呼ばれる人々である」と言ったので、「日本で生まれた50人に1人」はそんなに多くのないと感じられるが、

在留外国人の多くは留学生や労働者といった母国で育って、日本に渡航している人たちである。

しかし、今生まれている赤ちゃんの50人に1人が外国人となると、今後日本では、多くの外国人のルーツを持つけど、日本で育った子どもが増えていく。

また、グローバル化が進む中で両親に連れられて日本に来た外国にルーツを持つ子どもは、増えていくだろう。

彼ら/彼女らが抱える課題は、何なのだろうか。自分の頭で考えたことだが記していく。

「言葉」の壁が不登校を招いたり、進学を阻んでいる

彼らの抱える最も大きな課題の一つが「ことば」である点は、想像しやすい。

特に来日直後の外国にルーツを持つ子どもたちは、日本語がわからないため、学校の勉強についていけず、教室の机に向かってただ座っているだけしかない日々を送ったり、友達を作れず、強い孤独を感じている話を聞く。

文部科学省が2年に1度公表している「日本語指導が必要な児童生徒」に関する調査によると2018年度の時点で、全国の公立小・中学校、高校、特別支援学校や中等学校に日本語がわからない子どもが50,000人以上在籍していることが明らかとなっている。

年々その数は増加していることがグラフから読み取れる。(日本語指導が必要な児童生徒(2018年度)より抜粋)

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言葉がわからない中、日々学校に通わなくてはならない負担やプレッシャーは大きく、不登校になる子どもも少ない。また、言葉の壁から基礎学力を伸ばすせず、外国にルーツを持つ子どもの高校進学率は非常に低いとも言われている。

また、外国にツールを持つ子どもたちの日本語教育機会は、その質と量ともに、自治体や地域による格差が大きいのが現状である。

外国人が多く暮らしている自治体の学校では、その学校の半数近くが海外にルーツを持っている場合もあり、仕組みとして常に支援者を確保しておくことが可能となる。

それに比べて、外国人割合が少なく、地域の学校に1人しかいない、市内にも数名がパラパラと点在している地域では、十分な支援体制が整わないところも多数存在している。

そうした地域には、日本語を教える人材がいない、指導をするにあたっての予算が割り当てられないケースがある。また、学校に支援体制がないことを理由に就学を断られるケースもあるそうである。

「手厚い支援が受けれられるところに引っ越せば良いのでは?」と思われるが、保護者の仕事の都合もあり、そういうわけにはいかないのだろう。

日本語ができても、いじめや差別、偏見にさらされ、居場所が見つけられない

外国にルーツを持つ子どもたちは、自らのアイデンティティに「ゆらぎ」を抱えることも少なくない。

日本で生まれ育ったり、幼少期に来日していたりしても、あるいは日本国籍であっても、肌や瞳の色、親が外国人である事実だけで、いじめや差別、偏見にさらされ、居場所を見つけられずに苦しい思いをしていると想像できる。

僕が中学生の頃も外国人の両親を持つ子がいた。彼女とは同じクラスになったことがなかっため、どういう日々を送っていたのかわからないが、気がつけば不登校になっていた。

彼女は、日本で生まれ育ち、日本語しか話せないにも関わらず、見た目の違いからいじめのターゲットとなり、不登校状態に陥ったのかもしれない。

今振り返れば何ぜ彼女が苦しんでいた事実に気づけなかったのだろうか、と思うが、子どもが気づくのは非常に難しい。

日本人であるのに、肌の色、髪の色だけ、で、日本人は自分を日本人と見てくれない」そんなことを考えていたかもしれない。

家庭内の環境〜保護者の就労状況が不安定で、経済的に苦しんでいる家庭が多い

外国人保護者の中には、日本語の壁などから就労状況が不安定となり、失業と就業を繰り返したり、工場のアルバイトなどで子どもたちを養う家庭は珍しくない。

貧困・困窮あるいは十分な収入のない不安定な状況は、外国にルーツを持つ子どもたちに様々な影響を与えており、昼夜働く親に代わって幼い兄弟の世話をするために学校から足が遠のいたり親の失業に伴って高校進学をあきらめ、働いて家族を支えようとする子どももいる。

子どもの貧困の厳しさはもちろん、日本人の子どもたちにとっても同様だが、外国にルーツを持つ子どもたちの場合は、外国人保護者や本人が、日本語が十分にわからないため、必要な支援にアクセスできなかったり、情報を得られなかったりといった困難が重なり、厳しい現状にあると言える。

また、母語について家庭内での会話はあるかもしれないが、その母語発達支援機会が十分であるとは言えない。母語喪失は、親との会話不足や会話が成立しないリスクにもつながりかねない。

唯一の拠り所でもある両親との会話さえままらない状況は、想像するに堪え難い。

多様性が守られる日本の未来を目指して

これらの状況に対して国も色々と対策を考えているはずである。2019年12月16日に行われた有識者会議である。

興味のある方には、ぜひ内容を読んでいただきたいが、僕にとってはヒヤリング対象者の声がすごく納得感のあるものであった。

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また平成20年度まではこんな調査も行われていた。10年以上前であるが今は形を変えているのだろうか・・・

しかし、現状を見る限り外国にルーツを持つ子どもたちが十分に育つ環境が整っている国とは日本は言えないのではなかろうか。

国による改革は行われているが、何よりも大事なのは日本で生きる人々のマインドセットであると思う。今この瞬間にも、日本で多くの外国にルーツを持つ子どもが、辛い思いをしているかもしれない

もし自分の子どもが学校にいたら外国人ルールの子どもがいないか聞いてみてほしい。もし自分の周りに外国人ルーツを持つ子どもがいたら、そっと話かけてほしい。

僕は「子どもが好き」と言ったが、子どもは国の宝である。日本を作っていく希望である。そこに国籍は関係ない。

外国にルーツを持つ子ども達、その家族をはじめとする多様な人々が織り成す社会が、豊かさの源泉となる未来を目指して、ぜひ外国にルーツを持つ子ども達の事を多くの方々に知っていただけたらと思う。

そして僕も何らかのアクションを起こして行きたいなと思う。

このマラウイにいる間はチャンスである。自分が外国人になれる、自分の目線で「日本に生きる外国人」の考えを理解するきっかけになる。だからこそマラウイにいる間に何かしらのアクションや活動を始めたい。

日本で暮らす人々が日本を大好きでありますように。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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