その台座にはこう記されていた。「アドベントカレンダーって何書けばいいの?」
初めてのことだ。はっきりネタに困った。う~ん?締め切りまであと1時間?趣味の悪い冗談。冗談じゃない?ぐぬ…仕方ない。奥の手を見せることになるとはな……
仮説検証:12月だし、今年を振り返っておけば、なんとかさまになるはず
とはいえ生活の記憶は残ってないので、今年浴びたコンテンツから印象に残っているものを取り上げて年度の振り返りに代えます。
本年度の主要な取り組み
まずは特定作品名にならない大枠の取り組みについて。
どもがよサーバー
別名『Among us部』。『Among us』を遊ぶのに集まったメンバーがいつのまにやら大所帯になり、他のゲームも一緒にやるようになりました。本記事の参加するアドベントカレンダーの開催主体でもあります。今年はずっとここでマルチゲーやらクイズやらお付き合いいただいていて、ありがたい限りです。来年もよろしくお願いします。
競馬
『ウマ娘』から入って5月の天皇賞・春にメイクデビューしました。以降G1と、夏は新馬・未勝利とかもかいつまんで参戦。収支はマイナスだけど楽しめてるからプラスです!(決まり文句)でぇじょぶだ、有馬で逆転すっからよ。
二連覇を見据える絶対女王・クロノジェネシスが大本命ですが、今3歳世代の白眉エフフォーリア・タイトルホルダー・ステラヴェローチェが揃って参戦し下剋上の態勢。他にも歴戦のG1馬・キセキやフォワ賞勝ち馬ディープボンドを筆頭に存在感のある子ばかりで面白いですね。どうなりますやら。
クイズ
前述の『Among us部』で流行中。ここを起点に『クイズノック』や『カプリティオチャンネル』の動画も観るようになり、一気に世界が広がりました。遊ぶにも作るにも重ねた知識が武器になり、あらゆるインプットに前向きになれてます。
自分は専ら賑やかし役ですが、知らないなりに楽しんでるのでみんな一緒にやりましょう。最近は『みんはや』で練習したりもしていて、今年一番影響を受けた趣味かも。
TRPG
結構前からの趣味ですが、今年は特に学生時代の同期と定期的に遊びだして密度高く取り組めました。ほかのお友達筋でも有名どころをガッツリまわしていただけたり、大阪のころのお付き合いでも遊んでいただけたりと、ご縁に恵まれたいへん充実した一年でした。
やがデミー賞(何?)
では一気に行きましょう。個人的に今年浴びたというだけで、発表年はむちゃくちゃです。思ったより長くなったので、適当に眺めて気になるとこだけ見てください。
Among us(ゲーム)
壊れた宇宙船をみんなで直して母星への帰還を目指すゲーム。
通称「宇宙人狼」(当然裏切り者がいる。やったね!)とにかく取っ掛かりがよく、修理タスクをこなすだけでも遊びダカが高い。不確かでもプレイを通じて得た根拠を持って議論に臨めるところが個人的にはツボ。突き詰めても身体性が見通しのキャップになり、心地よいままならなさがクセになります。自分視点では何気ない情報でも、皆のと重ね合わせると犯人に迫る重要なピースになることもあり。とても楽しい。
ポケモンユナイト(ゲーム)
ポケモンになってレベリングしながらしばき合う5v5の戦略アクション。
MOBAというジャンルで、バチバチのハンドスキルよりもレベリング計画や仲間との連携などの一歩引いた視点が重要になる。それでいて手触りはソフトで、難しいこと気にせずポケモン動かしてるだけでも楽しいです。
Crusader Kings III(ゲーム)
中世欧州で一族の繁栄目指して戦争・統治・婚姻に奔走。
足腰立ったゲームシステムの上で、情緒をくすぐられるランダムイベントやうっすら個性を感じるNPCを通して中世君主感をかなり摂取できます。手塩をかけた息子に領地要求されて反乱されたり、分割相続でぐちゃぐちゃになった兄弟筋に包囲網組まれて滅ぼされるの最高なんだよな。
Inscription(ゲーム)
汚いおじさんに掘っ立て小屋に監禁されて闇のゲームする話。
これは間違いなく2021年珠玉の怪作で、全ゲーマー軽率に浴びるべきです。ネタバレになるので多くは語れませんが、始めると息つく間もなく浴びせられる”””体験”””の応酬にくらわされます。ジャンル的には謎解き・カード・ややホラーで盛りだくさんだけど実プレイ時間は20時間かからないくらいで勢いが良いのも特徴。
羊たちの沈黙(映画)
FBI訓練生の女が囚人の精神科医と”取引”して事件を追うサイコスリラー。
メ"ェ"ェ"。(うるさい)終始雰囲気はねっとり不気味ですが、ハンニバル博士の妙な底知れなさとか、クラリスの内面的ゆらぎ・ゆがみ、みたいなのが描写されて物語が深まりつつ、ラストは筋書きでワッ!ギャッ!!ゾワーッ!!!!!って感じ。クール・スマート・ダーク・マッドと陰キャのあこがれ全部盛りの博士がよくばりかっこいい。
アラビアのロレンス(映画)
シリアで尻穴をほじられるシリ・アスな話。(最悪)
実在のイギリス将校・ローレンス氏の半生を描いた歴史映画で、1次大戦時のアラブ情勢を軸に展開します。有名どころだと『三枚舌外交』とかがエピソードとして登場。バルフォア、サイクス=ピコ、あとはひとつは何だっけ……世界史・憶えていますか?個人的には長尺で贅沢に映される砂漠の景色やアラブの文化風俗にも惹かれました。
ショーシャンクの空に(映画)
殺人の冤罪で投獄された元銀行員・アンディの獄中生活。
主人公が理不尽な逆境の中でも腐らず・真摯で・信念を持ち・行動する姿が美しい。それも単なる美談ではなく、エネルギッシュで機知に富んだ逆転劇としてまとめられていて、観る者の胸を打つパワーがあります。勇気とか元気をたくさんもらえる。スゲーおすすめ。
新世紀エヴァンゲリオン(アニメ)
崩壊後っぽい世界で強いロボ(エヴァ)に乗って戦ったり青春したり。
完結記念ということで、視聴済みのお友達と一緒に一気観。お話前半の青春情緒やミステリアスな敵づくり・エヴァやパイロット達の見せ場など色々見事で期待感すごく、ただ後半はぐちゃぐちゃになっちゃった感じで、当時の視聴者さんが発狂したのもうなずけるところ。が、完結した後なので、そこは安心して観れて、劇場版でもいろいろあったけれど最後は優しくなれて良かったね、という気持ち。アニメとして傑作なのはもちろんとして、通すと監督自身の成長物語も観れる。二重に濃い!
ゴールデンカムイ(アニメ)
日露戦争後の北海道で金塊を巡ってボコスカやりあう冒険活劇・群像劇。
明治期日本・アイヌ・ロシアの文化描写に説得力があり好き。観てるとそれ以上にキャラが立ちすぎてる人間たちに惹かれていくし、展開も下品やコメディありつつ・真面目にシリアスどんでん返しの連続ですごい。全員筋あり、一物ありの本格派です。
ジキルとハイド(小説)
二重人格のやつ。
精神分裂症と変身というある種センセーショナルな機構を用いて、望まず宿した穢らわしい自我への苦悩と、その折り合いの顛末が描かれています。自分ごととしても、清濁の折り合わせのあり方を考えさせられる、響くテーマでした。突然雷に撃たれて聖人になれねぇかな……
百年文通(小説)
これはちょっと異色で、今年の『コミック百合姫』1月~12月号の表紙スペースで連載された短編SF歴史百合小説です。100年前・大正時代と繋がった不思議な引き出しで文通を始めた二人の少女。その関係は次第に、世界を巻き込む大騒動に発展して……みたいなのがあらすじ。またもジャンルごった煮ですが、大正レトロ、SFのワクワク、百合のドキドキと全部ガチでやりきってるので凄いです。
TRUMP(ミュージカル)
僕も全容を把握して無くてやや形容が難しいんですが、ヴァンパイアとか男男感情が出る、耽美系の創作ミュージカルです。空気作りと俳優さんの演じがすごく、架空の世界をパワーあるビジョンとして突き付けられます。舞台美術も超本格で、見せたいものを的確に描き出してくれます。吸血鬼好きだしサンホラ感もあるので結構ストライクでした。
lunchtime(音楽)
これはとりあえず一回聴いてください。音が死ぬほど小気味良く、演奏もクソ楽しそうで最高。あまり音楽を語る言葉を持たないですが、「ファンク」ミュージックの現代後継作らしい。今でもYoutubeの動画BGMとかでよく近い雰囲気のがかかるけど、源流は結構昔の流行りで、ペルソナのBGMとかはここを汲み上げてオシャレ感出してる気がする。
乙女解剖(音楽)
いまさらボカロにハマる夏。僕はあまり追ってこなかったので『裏表ラバース』『炉心融解』とかの時代で止まってたんですが、クイズでボカロに触れる機会があり、聴いてみたらいいものずくめですね。ほか聴いた中だと『エイリアンエイリアン』『ヴェノム』『アンハッピーリフレイン』とかが好み。カタカナ多め。
QuizKnock(動画チャンネル)
クイズ系Youtuberの大家。
動画の出来や問題のレベル、演者たちの含蓄、すべて高水準で密度が高い。活動5年で追いきれないほどコンテンツがあり浴び放題だし、かけ流してるだけで次々新しい知識や世界が開けてきます。Webメディア版のクイズ記事も内容濃くて面白い。同じクイズ系では『カプリティオチャンネル』さんもオススメです。
るーいのゆっくり科学(動画チャンネル)
科学・数学系の知識紹介。
僕は理系からっきしで元素周期表もわからないくらいだけど楽しい。興味を惹かれる話題選びもさることながら、たいへん丁寧に基礎の基礎から、質疑応答を拾いつつ、漏れなく理解できるように解説してくださっていて、毎度感服します。
ヤツユメウナギの伝説(TRPGリプレイ)
友達の田舎にUMAを探しに行くとホラーに巻き込まれる話。
この投稿者さんのシナリオは毎回ゲーム的なギミックを上手くお話と絡めた芸術度高い筋書きでめちゃ好きなんですが、中でもこれは珠玉の出来と思います。上にリンクがある第0話の紹介動画も気合が入ってて単体でも面白いので観てみて。
笑い過ぎて一生忘れられないTRPG(TRPGリプレイ)
目覚めたら異世界。仲間はみんなどうぶつ。私たちどうなっちゃうの!?
友人同士で和気あいあいと架空世界に行楽に行くような雰囲気で、TRPGの根源的楽しさが詰まってます。シチュエーションの面白さもありつつも、終始めちゃくちゃ楽しそうなのが良い。前述のヤツユメウナギはややコア・ゲーマー向けですが、こっちはTRPGをやったことはないけどちょっと気になってて雰囲気を知りたい感じの人向け。
次に浴びたいもの
ここは未プレイ・未完走なので個別の感想は省きますが次に浴びたいな~と思ってるコンテンツを挙げておきます。主に備忘として!
ICO(ゲーム)
グノーシア(ゲーム)
星新一ショートショートセレクション(小説)
藤子・F・不二雄SF短編集(マンガ)
ツァラトゥストラはかく語りき(書籍)
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(書籍)
総括
今年もAmong usはずっとやっていて、アップデートごとにぶり返してたいへん楽しめました。他方で、いよいよ世の中勉強しなきゃな~と思ってるところにクイズに触れられ、これまでからっきしだった文字の書いた本や知識雑学に前向きになれて少しづつでも浴びれて良かったです。鬱蒼とした茂みも、分け入るといろいろ見えてくるもので、次々気になる作品が出てきます。とりあえず前に挙げたのを消化しつつ、より文字の方向に歩みを進めたい気持ち。逆にゲームは消化不良で、運営系ももっとパワフルに取り組みたいし、買い切りも知らないのがたくさんあります。過去の遊び漏らしも埋めたいですが、ここ数年あきらかに老い、体力低下を感じるので、このままなにもできなくなってしまいそう。真面目に体育してスタミナを積みつつ、ゲームも読書も集中して粘り強く取り組みたいです。あわよくばクリエイティブもしたいですが、思い返すと自分にとっての創作はインプットの先にある現実改編欲というか、行ききった先で自分の世界観が塞がったときにそれでも現実と擦れて生じる摩擦、未消化のゆらぎみたいなものの表出である気もしました。とにもかくにもインプット、黙って吐くまでちゃんこ食えということで、来年の抱負としたいと思います。
次年度の抱負
・茂みに躊躇せず分け入る。
・体力をつけてたくさん行動する。
・吐くまでちゃんこを食う。
あと、俗っぽいところでこのへんも追加で!
・競馬収支を+にする。
・アドベントカレンダーを期日に間に合わせる。
それでは皆様、良い年末をお過ごしください。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。来年も、あわよくばずっとその先も、末永くよろしくお願い申し上げます。
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