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目に入るのはすごい人だけ

 人間誰しも、稼ぎたい、売れたい、人気者になりたい、ちやほやされたい、という願望が大なり小なりあるものです。そして、実際に大金を稼いでいたり、みんなの人気者だったりする人も存在します。すごい人ばかり……と感じることも多いのではないでしょうか?


すごい人ばかり目に入る困った現実

 
 本屋さんに行けば、「秒で〇〇万円稼ぐ方法」といった自己啓発本や、同一著者の小説や漫画がずらっと並んでいたりします。すごい人であふれているように感じますよね。

 Twitter(現・X)なんかは顕著かもしれません。月〇〇万円稼いだと売り上げの画像をあげたツイートをしているアカウントや、いいねの数が万単位のツイートを量産しているアカウント、フォロワーが10万、20万といたりするアカウントも存在します。もう少し身近だと、一流企業に入社が決まったツイートや、親友と飲んだツイートなんかも、弱小一般人には「うっ!」とくるものです。

 さて、真実は別にして、すごい人の存在が実際に現実世界に発信されているのは事実です。キラキラ輝いた事実にまみれていたら、周囲はすごい人ばかり……と感じてしまいます。落ち込みや嫉妬で身が持ちませんよね。ここで見方を変えてみましょう。

すごい人ばかり……と落ち込む妻

 ひとつ事例を出します。私の妻は漫画家なのですが、Twitterを見ては落ち込んでいます。それは、目に入る人すべての漫画ツイートがたくさんのいいねをもらっていて、たくさんの感想をもらっているというものです。どの漫画家さんも人気があってすごい……私なんて矮小な存在……と妻は感じているようです。まずもって自分が全然漫画を上げないことを棚に上げて落ち込んでいます。事実、いいねをたくさんもらっている漫画ツイートはたくさんあります。私もよく読みます。

 ここで冷静に考えてみましょう。そもそもTwitterはリツイートという機能等により、人気のあるツイートが表示されやすいです。そりゃ、目に入るツイートは人気あるものばかりのはず。さらによく観察してみると、大体が同じ漫画家さんです。商業・同人含め漫画家さんなんてTwitterに無数に生息しているのに。

 このことからわかるのは、すごい人は目立つようになっている、ということです。これはTwitterだけでなく、すごい面白いから本が売れたり、すごい人気があるからTVでよく見かけたりするといったところでも見られます。もっと身近だと、同窓会ではすごい企業に勤めた人や、学生時代にすごい目立つ存在だった人の話が出ることが多いですよね。世間話でも、平々凡々な人よりもすごい人の英断や奇行が話題になりがちです。

すごい人ばかり……という錯覚

 より踏み込んで考えていきましょう。
 先ほど、すごい人は目立つといいました。そして、当然ながら目立つ存在に人間の目はいきます。目立つ存在ばかり認識し、気になってしまう。結果として、印象に残りやすい。ここにミソがあります。すなわち以下の通りです。

すごい人は目立つ

目立つと気になる

気になるから頭に残る

頭に残るから世の中すごい人ばかりに感じる

落ち込む・嫉妬する

 嫌な流れですね。人間の不合理です。こんな思考は払しょくしたいものです。

ほとんどの人は平々凡々なので安心しよう

 では、すごい人ばかり……と落ち込んだり、嫉妬したりするのをどう解消するか。

 まず、すごい人がいるのは事実です。これは仕方がない。聖人君主でもない限り、この認識をくつがえすのは難しい。すごい人が目立つのも世の常です。これも仕方ない。メディアを牛耳らないと変わらないと思います。

 そして、大事なのがもうひとつ。見ていて落ち込み、嫉妬するほど絶対的すごい人は世の中のごく一部という真実です。「すごい」と形容されるだけあって、ほんのわずかな、ある種特権的な存在が「すごい人」です。だって「すごい」んですもん。ほとんどの人はありふれた、特別でない、平々凡々な存在です。「すごい人」なんて、あなたなんかの周りにいません。せいぜい家庭を持っているとか、働いているとか、生きているとか、生活上のことです(そもそも、これらは優劣をつけるものではないと思います)。なので、そもそも落ち込んだり、嫉妬するのはお門違い。

 あなたの身近に「すごい人」は存在しないので、ライバル視して戦わずに「すごい人」はすごいと素直に認めましょう。自分含め周りは平々凡々なんだ。だから上を見ても仕方がない。安心して庶民的に生きましょう。

ブログとはまた違ったテイストです。