無くなる幼稚園と保育所

うちの地域で最近話題になっていることは、「地元から保育所がなくなってしまう」ということです。

無論、全国各地、地方であれば多くのところで起きてる現象かと。
幼保に限らず地方の小中高大-こどもが通うところは合併・廃止が続く昨今です。この流れに抗うことはできないと思います。仕方がない。

そりゃあ自分の住む町から子どもの通う保育所や幼稚園が無くなるのは、子育て世代には不便になります。でも、現実こどもの数が少ないのだから、繰り返しますが仕方がないのです。

うちの地域でよく言われるのは「なんでうちの地域だけ保育所がなくなって隣の地域は残るの?そんなの不公平だ!」という声。しかも発言しているのは50代以上の人がほとんど。意外に若い世代からはそんな声は耳にしません。(諦めてるのかもしれません 笑)

不公平だ、とか、人口減少に拍車がかかる、とかいう声を聞くたびに、言い分はわかるけどその視点はあまりに一方通行だなあと思います。問題の捉え方がとても狭いし、感情的だし、身勝手だなあという気がしてなりません。だって現実的に子どもがいないんだから、子どもの数に合わせてどこかが削られないと維持できないんですもん。だから減らす。それだけだと思います。

子どもが増えていた(昭和)

こどもが減ってきた(平成)

園や学校を減らさざるを得ない(現在)


地域で活動をしていると、様々な問題への対応の仕方が実に対症療法的だなあと感じます。

こどもが減ることなんて二十年以上前から人口動態の将来推移によってある程度わかっていたわけです。その時点で、人口減少を見越した何かしらの取り組みを国もそうだし地域レベルでも行っていればまた違ったんだと思います。
言うは易し、なんですがね。

「こどもが減る」という根本的な要因の認識。その要因によってどんな問題が引き起こるのか。わかっていたけど見ないふりをしていたのかもしれません。いよいよ「子どもが激減してきたぞ」というときになって初めて動き出した結果が「保育所廃止への抗議」とか「移住促進施策」とか、その場しのぎの対症療法的な動きだったというわけですが、それはさすがに無理があるんじゃないか、という言い分です。

仮にうちの地域の保育所が奇跡的に存続したとしても、代わりに隣の地域の保育所は無くされてしまう可能性は高い。そういう想像力はけっこう大事になってくると思います。
動くべきタイミングは随分昔に過ぎ去ってるんだから、そもそもの考え方を変えないといけない気がします。

ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが(笑)そういうことが頻繁に起こるのが地域のリアルな姿だと感じました。

人が少ない事は本当にいけない事なのか

そもそも日本において人が減る事って本当にいけないことでしょうか?
個人的には、日本の人口はある程度までは減少してもよいと考えています。(考える間もなく減ってますが。)
私はサッカーが大好きでして、日本代表が国際試合をするときにいつも対戦国の人口や経済規模などを調べちゃいます。サッカーの強い国ってそんなに人口が多くなくて驚くことがたびたびあります。例えばスペインやフランスなんて日本の半分です。ポルトガルに至っては東京都の人口よりも少ない。なのに強い!!
強さって人口じゃなくて育成システムなんだなあと実感するわけですが、純粋に日本って人口多いよな〜と思います。(ただ日本の場合、高齢者と子どもの数の割合が極端に差が出ていることが問題なので、減ればいいってわけでもないとこもあるんでしょうが。)

また、全国各地の地方に実際に訪れるたびに、人口は減っていっているけど元気になっているまちがあることを思い知らされます。かたや人口増加にむけてまちを挙げて取り組んでいるところでも、それほど魅力ないよな~と思う地域はしばしば。プロモーションにお金かけてる自治体ってだいたい見栄えばっかで中身が伴ってません。(うちの市もそんな感じ。)もちろんPRも大事です。だけど人が多かろうが少なかろうが、そこに住んでいる人が自分の地域を自然に誇れるまちが結局は一番強いと感じます。今後は、少ない人口でも成り立たせていくための工夫や仕組みを取り入れたまちづくりが求められるんだと思います。

日本では「人口減少=悪」みたいな風潮がどうしてもありますが、人口現象の問題よりも むしろ適正な人口配分が行われていないことのほうがよっぽど問題です。地方は何とかして都会から人を引っ張ってこようと頑張っていますが、物理的に東京に人が集まりにくい仕組みを作るくらいじゃないと難しい気もしますね。(官公庁や企業の首都機能分散には賛成です。)

未来に生きる人々にツケを残さないためにも。


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