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「ぼよよよ〜ん」創作話


誰にだって、夢を持って
ぼよよよ~んと
空へ向かって飛び上がる
強いバネを足の下に
持っているんだって。
 
あなたの夢はなあに?
ちゃんと
ぼよよ~んしてるかな?
 
私はね、
人の願いを叶えてあげられる魔法使いになるのが、小さい頃からの夢。

だから、大人になって
何が一番の魔法かな?と考えた時に
「意欲と思いやりのある子を育てることかな。」と、幼稚園の先生になったんだ。

でも、子ども達と過ごす日々は、
むしろ、
「私の意欲と思いやりを育てる」
そんな楽しい修行の毎日で
とっても、幸せだった。

だけど、「まさか!」がやってきた。

子どもの死に出会い、
私のバネは壊れちゃった。

ひざ小僧に勇気をためて、
もう一度、ぼよよよ~んと夢に向かって
飛び立てるバネを治したよ。

ぴゅ~ら~り~ら~ と
風が呼んでくれたからね。

今度は、「音楽で人を元気にしたい」と
音楽療法士になったんだ。

だって、
これも魔法のひとつじゃない?

みんなを集めて歌をうたう。
公民館だったり、老人ホームだったり、
いろんなところで活動したんだ。

でも、またバネが壊れちゃった。
人が集うことができない日が来るなんて、
みんなで歌をうたうことが
できない日が来るなんて、
「まさか」の世の中。

そのうえ、
指がこわばり痛む病気になってしまう。ピアノが弾けなくなってしまった。

もちろん、
あらゆる医療の手を尽くした。
「まさか」のダブルパンチ!!
 
ぼよよよ~んのバネ完全破壊?

そして、布団虫になる。

わかっているの。
「とてもとても大事な今を生きている」と言うことは。
 
「今だ、スタンバイOK!」まで、待っている。
ぴゅ~ら~り~ら~ら 
それ行け!
ぼよよよ~ん!と
虹のふもとまで、
いつか飛び上がる。
「歩け、歩け、歩け、
進め、進め、進め、」と、
今は、勇気の鈴を鳴らしている

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