第116回医師国家試験事後検討

 とある国浪生のただの事後検討です。
 だいたいこんな感じだったなというのを雑に書き連ねているだけの回顧録に近いものなのでこれはこうだったな、という振り返りはありますが勉強のアドバイス的なものは自分には無理なのでご了承ください。
 117回受ける予定の人や116回受けてる中に他にどんな人がいたのか知りたい人の何か参考になれば幸いです。
 

○経緯


 ・不合格の原因はパンリンが数点足らなかったこと。たしか6,7点くらい。
 ・115回当時の勉強仲間は皆無。
 ・大学入試浪人(多浪)+留年経験あり。
 ・進級毎回ギリギリ。
 ・勉強はかなり苦手。

○116回受験に向けて取った方針

・予備校選び
→MEDU4を選択。
 理由としてはサンプル講義を聞いてしっくり来たため。
 MECに関しては6年生時に受講していたがテキスト等が合わなかった。不合格発表の翌日のMECの説明会にはとりあえず行った。その場で契約すれば割引が効く(たしかそこまでの額ではない)という話があったが当時の精神状態ではその場で決断するのはリスキーだったのでスルー。
 
MEDU4で最終的に合格したがどうもMECの事前予想が妙に的中するのは確からしいようでした。正直きな臭さを感じるレベルで。ただ数点の差にしかならない上、削除問題にもなりうるのでそこまで考慮する必要は個人的にはないと考えましたが。
 そもそもどこも教える事はそんなに変わらないだろうから個人の好みで考えるのが良いような気はする。
 ただしMEDU4はオンライン講座を受けるのみのシステムなので管理は自分でやらないとならないのがMECとの大きな差…だったのですが!どうやら今後はZOOMなどを使用したより相互的なコンテンツが考えられているようです。本当に始まるのかは分かりませんが。
詳しくは↓
https://youtu.be/1kP6rpmRDcI

 私は勉強がそもそも苦手なうえだらけてしまうので、予備校選びではそこだけが問題点であった。少なくとも勉強する場所は自宅の外にすべきと個人で自習室を契約。
 結果的にはパンリン220点(執筆時には結果が来ていないため自己採点の結果)とかなりギリギリになってしまったが、これはだらけ癖と後述する勉強法の大きなミスの影響が大きいかもしれない、あとは問題相性のせいか1日目と2日目でかなり点数に差があった(前半7割、後半8割)。きっちりやれる人ならばMEDU4だろうがどこだろうが問題なく合格できるはず…ですが落ちた以上はそこは慎重に嘘偽りなく自己分析をしたうえで決めると良い。私は少し自分に甘い評価をしてしまったのでそこは強調しておきたい。自習室を借りる形式でガチガチにやるならiPhoneの機能などを利用して自習室に到着したら親などにラインが飛ぶようにしておくべきだったと今になって思う。

・SNSの利用
 
結論から言うと個人的には必要なかった。
 浪人するにあたって勉強仲間がいた方がいい、今はSNSで仲間を集められる。という助言をネットで拾ったのでとりあえずTwitterで専用アカウントを作成し「115→×」で検索してひっかかったそれっぽいアカウントを片っ端からフォローした。大学時代は医学生の皆が賢すぎるせいかノリが無限に合わずほぼボッチだったのでここで仲間でも出来たらな、という思いもありました。しかし作ったはいいものの特に呟くことも仕入れる情報も結局ないしノリも結局合わないなと思い使うことはなくなっていった。
 少し話がそれました。
 自分は必要なかったですがもし自分のメンタルを安定させるのに他者との交流が必要ならばSNSを活用して勉強仲間を探すのはいいかと思います。終わった後久々に作った垢のTLを見たら結構活用していた人は居たみたいなので。なにより浪人生同士なので正直普通なら学力レベルは一緒なので馴染みやすいかもしれません。
 あとは後半になるにつれて他人の進行度は気になったので積極的にかかわらずとも他人のペースを把握するくらいに使っておくのはアリだった気がする。

・模試
 結局第三回TECOMまでだけやりました。四回目をやらなかった理由は冬の様子に後述します。MECもやろうとは思っていたのですが模試の復習が結構負担なので無理だなと感じやめました。
 模試は他人との差が分かるのでパンリンが敗因だった自分には良いバロメータになりました。うまくいかないと結構精神的に動揺しましたが模試はやっておくことを推奨します。



○春の様子

 まず穂澄先生の言うとおりに最初は無理ない時間の勉強から開始した。大体2コマくらい見る程度。
 まだTwitterを見てた頃なので皆の様子が分かったのですがガンガン進めてる人はいました。それで息が切れないなら多分それでいいと思いますがここは慎重に考えた方がいいかもしれないです、4月末あたりで早くも潰れかけてた人も居たような気がするので。
 この時期のメンタルは吹っ切れたてなのと始まったばかりなので安定していました。一人でも多くの今年の現役生を引きずり落して同じ思いをさせてやるというクソデカい怒りは一年を通じての支えでした。
 この時期はまだ勉強法どうしたらいいか悩みまくってました。
 結局解決することはなかったのですが。

○夏の様子


 このころになると勉強のペースがだんだんつかめてきた。
 復習は大事…ですが小中高とほぼ全く勉強ということをしてこなかったので未だにやり方が分からない。何なら今も……復習が大事なのはわかります、記憶の定着に重要らしいので。ただ具体的なやり方は大学時代に色々聞けども聞けどもだいたい「その人なりのやり方がある」と言われ色々模索もしたけどよく分からなかった、マジで勉強向いてないことを痛感した。その日やったことを一週間後にとかあるけどそれ毎日あるからいちいち把握してられねえよってなってしまった。何?その日やったこと皆メモしてるの?
 だいぶ後々になっていい感じの方法を思いつきましたがそれは秋~冬あたりのお話。
 夏の終わりごろメジャー科目が大体一回ずつ視聴し終わる。が、脳内に残ってる知識は予想以上に少なくて絶望しました。
 そして夏頃はなぜか吹っ切れたはずの精神が結構不安定になりがちだった。帰りに一人で歩いてると急に負の感情に支配されそうになるのでそんなこと考えても意味ないぞと脳内で自分をビンタしまくる&暴飲暴食。これでどうにかなった。

○秋の様子

 あたらしいシリーズがマイナー含め一通り視聴完了する。しかしやはり定着した記憶が少なく感じ、焦り始めてここで大きなミスをした。暗記しなきゃ!という使命感とともになんとあたらしいシリーズを読み直して色々と覚え直そうとしたのです。読み直して覚えられる頭があったらこんな苦労してないのに。しかもこの作業全部やるのは自分にとってはとても時間のかかる作業でありその場で覚えても後日速攻で忘れるという愚策も愚策を取ってしまったのです。
 去年、穂澄先生のいうジャンク演習で回数別無限周回してたのでまぁ過去問だいたい分かってるし回数別は遅れてもいいだろう…という思考もよくなかった。
 ここは回数別などで問題演習しつつ間違えた問題などでその都度あたらしいシリーズに戻り暗記していくというやり方にすべきだったと今もすごく後悔している。
 
あとは中だるみの季節というのも判断ミスに拍車をかけてしまった。たしかに新しいシリーズの復習はスケジュールに合ったけどもやり方があるでしょという話ですね。
 この作業に1~2か月費やしたのは痛手でしかなかった。これが勉強というもののやり方を知らない者の末路です。正直だらだら目を通しているだけの時間が多かった気がする。
 メンタル面は好きな季節もあって問題なかったのですがちょっとトラブルで全く関係ないとこで凹んでました。幸いそこまで長く引きずらなかったのですが。
 回数別もようやく始め焦りに焦って何かないかと考えた末に編み出した方法間違えた問題のコアとなる知識を忘れていた場合、それを貼れるタイプのメモ帳にメモって壁に貼り付ける、そしてそれをこれはもう覚えたなと思ったら剥がす、といったもの。やってみると意外と頭に入るしやるべきことが分かりやすいし定着度も一目でわかる。…今考えると別に斬新でもなんでもなく皆これを普通にやってたんじゃなかろうかと思ってしまうし多分そう。マジで勉強無限にわからない。初めて火を手にした原始人のようでした。

○冬の様子

 人生で初めて有効と気が付いたメモ帳戦法片手に問題演習をこなしていた。もっと早く気が付いていれば…とか考えないようにしていた。考えると時間浪費してた事実に気が狂いそうになるので。
 焦りを覚えつつも暗記はいい加減にこなさないように気を付けつつスケジュール通りに進めていた…はず。
 問題演習をしてて気が付いたことが一つ。自分の思考回路他の受験者と違いすぎる!ということ。特に模試とか復習してて気づいた。特に深く考えることもなく正解できた問題の正答率が40%とかで覚えてないとできないようなものとかこれは皆判断に苦しむだろうなぁ…とか思って間違えた問題の正答率が70%越えとかで本気で恐怖しました。これはアレだ、バカと頭のいい人の思考回路の差みたいなやつだ、というのを否応なしに感じさせられて…きつかったです。バカほどよくわからん問題に正解するのよくあると思います。これはもう仕方ないとあきらめるしかなかったですね、本当に何考えてるの君ら!!!って何回も思いました。解説聞いてもいやその発想にはならん、ってなりましたし。
 ちなみにTECOM4回目は受けませんでした。受けても多分これろくに復習もできないし、ということで。これに関しては良かったのか悪かったのかはよくわかりません。
 直前期はもう究極マップを催眠のごとくかけて読み込み、はっつけたメモを一枚でも少なくするよう心掛けて、残ったやつを会場に持っていくようにしましたね。きれいにノートを作る習慣なんてものはありません。
 会場ではもう祈りのようにその二つを見てました。

○試験当日

 幸い試験会場のすぐ近くの宿泊施設を取れたので楽でした。受験票が届いてから会場を確認してからでも予約を取れたのは意外。
 一日目はかなり感触が良かったのですが後日自己採点をしてみるとAとCが68%で……本当に勉強ができないやつの特徴です。
 ただ当日に自己採点はしなかったので二日目もこの調子でいこうと調子に乗りながら行ったのですがここで最悪の事態に遭遇しました。人生最悪の腹痛に一日中、いや試験終了後3日まで襲われました。下痢は出てないし熱も出てない、3~5分おきに波が来る腹痛に襲われながら問題を解くのは数ある人生における困難の中でも1,2を争うものでした。今考えてもよく乗り切れたなと。
 腹痛が収まる数分の間に問題を解き、波が来たら解くのをやめて波が終わるまで耐える、「この腹痛はいったいなんだ?虫垂炎か?発熱はない……結石か?なんとなく側腹部も痛いし……まさか陣痛なわけないし……いやいや自分の診断なんかどうでもいい、目の前の問題を解くことだけに集中しろ!神様仏様邪神様誰でもいいからマジで助けてくれ」というような激闘を人知れず繰り広げていました。おかげで何回かトイレに行く羽目に。一応持参したロキソニンなどを飲むが気休めで全く聞かない今でも謎の腹痛。おそらくストレスによるものと食事量を抑えていたせいだと思いますが未だに不明。3日後くらいまで自宅に帰っても続いていたのもつらかった。今はもう何ともないですが、当日何があるか分からないので皆さんも用意できる薬などは最大限持って行った方がいいです。効かなかったですが。
 ただ2日目が8割行ってたのはこの腹痛で極限まで追い込まれて実力以上を出せていたのかもしれない、とも今になってはそう思います。

○試験終了後

 宿泊施設は2日目の翌日にチェックアウトにしていました。昨年は2日目帰る時死ぬほどつらかったので。
 しかし今年も謎の腹痛のせいで結局帰り道がつらかったです。
 腹痛はさておき帰宅した翌日の夜に自己採点をしました。本当にやりたくなかったし、あれは本当に怖かったです。未だに襲ってくる腹痛に耐えながら震える手で回答を入力し、A、Cブロックの68%が見えた瞬間頭を抱えて嘘だ嘘だと言いながら床をのたうち回りました。本当に不意に絶望しきると涙すら出ないんですね。何かの見間違えだとよーく画面を見て一応合格ラインを超えていることを確認して少し安堵しました。
 ただギリギリなので合格発表まで心の片隅にずっと不安がありました。もしかしたらマークミスで数点下がり、予想ボーダーよりも数点実際のボーダーがあがってダメなんじゃないか、実は禁忌を3つ踏み抜いたのでは?そんな思いが毎日毎日ずっとよぎりました。合格発表時はもう本当に心臓が口から出てくるのではないかという感じでした。皆さんはこんなことにならないよう余裕のある点数を取れるようにしましょう。それができたら苦労はしないでしょうが。

○総評


 暗記がネックだったのは間違いではなかったし実際足りてなさ過ぎたのも事実。ただ途中のやり方がゴミクソすぎたと言うほかない。
 必修に関しては本当に対策しませんでした。一応究極マップの必修のとこ舐めるように見てましたけどそれだけ。たぶん必修が原因になるのは宇宙レベルに知識ある人がかえって混乱するとかだと思います。
 ちなみにMEDU4一本でやってきましたがMECのなんか最後の予想講座的な奴、あれだけ取ろうかなと思ってたんですが4回目のTECOM模試同様手が回らないしやっぱやめにしました。多分新規予想問題とか大して差にならんし自分には扱える代物ではないな、と。あれは上位の人たちがやりこむものでそうじゃない層は足元を固めた方がいいんじゃないかと思います。本番はちゃんと覚えたものですら疑い始めて訳わかんなくなりがちなので。まぁそもそも上位の人たちはそれ以上点数を取る必要微塵もないので自分のこの論理上では予想講座はいらんな!という結論になりますね。
 あとは一年通して結構メンタルにダメージが入りましたね。維持するのが大変でした。前述の通り勉強仲間が居ればましなのかもしれませんが結局ソロプレイだったのでよくわかりませんでした。ソロの場合は常にメンタルの状態を気にしつつ完全に折れる前の休みの入れ方が大事な気がします。
 そんな訳でやっぱり勉強仲間の有用性は結局分からずじまいでした。勉強のやり方わからないせいか結局自分が覚えられるかどうかじゃない?という考えが改められないまま終わってしまった。…これ働いてから孤立する奴ですね、わかっちゃいますけど今からすでにゲンナリしますね。働くというだけでアレなのに。ただ大学とは全く関係ないネット上で知り合ったゲーム仲間と遊ぶのが一番楽しいのでそれがかなり精神の安定剤になっていました。
 最後に正直に書きますと私は本当に無理になった時はさぼったり、朝起きるのも結局9時とかがデフォルトになったり、そもそも勉強はいつからか10時から19~20時が常になってたり(直前期はさすがにもっとやっていましたが)、とかなり中だるみした浪人生活を送っていました。

○教訓まとめ


 ・メンタルに常に注意
 ・勉強方法を見つめなおせ、漫然としたやり方NG、具体的なやり方まで考えること
 ・自分の立ち位置を知り、それに応じたやり方をすること。予想的知識に手を出すか否かなど。
 ・必修はそんながちがちに対策しなくてもよい

 以上グダグダと多分大多数の受験者と異なる状況の上思い出したことをめっちゃくちゃに書き連ねただけの駄文ですがもし一人にでも、ほんの少しでも参考になれば幸いです。

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