SeeQVault HDD 同士の「引っ越し」を試してみた

やりたいこと(ゴール)

ソニー製ブルーレイハードディスクレコーダーと SeeQVault 対応外付け HDD を保有しており、新たに買ったソニー製ブルーレイハードディスクレコーダー& SeeQVault 対応外付け HDD に録画していた内容を可能な限り遜色なく移したい。(移す先はレコーダー内蔵 HDD ではなく、外付け HDD)

きっかけ

ソニー製ブルーレイハードディスクレコーダーを長年保有している。DLNAとの親和性が高いという印象があるというのが理由で、いま使っているのが2台目。1台目は外付け HDD を接続していたが、レコーダーの突然の故障により、内蔵 HDD と外付け HDD の両方とも録画していたものを視聴できなくなってしまった。HDD に録画したものはその機種でないと再生ができない仕様になっているからだ。

そこで2台目では、せめて外付け HDD に録画した内容を救いたいとの思いで SeeQVault 対応 HDD を利用。これを使えば新たなレコーダーへ接続して利用できると思っていたが、実際は違っていた。
確かに「録画で使っていた SeeQVault 対応 HDD」を新しいレコーダーへ接続すると再生はできる。但し、ソニー製レコーダーの前面 USB ポートへ接続しないといけず、ケーブルが邪魔である(後面ポートへ接続すると、HDD 登録及び初期化を促される)。また、前面ポートに接続した HDD は録画には使えないので、結局は他に録画をさせるための外付け HDD が必要になる。
これでは嫌すぎるので、外付け HDD をうまく新しいレコーダーで活用できるように試してみた。

今回登場する機器類

  • ソニー製 ブルーレイハードディスクレコーダー BDZ-ZW500 ※移行元

  • ソニー製 ブルーレイハードディスクレコーダー BDZ-ZT2500 ※移行先

  • バッファロー製 SeeQVault 対応ハードディスク HDV-SQ3.0U3 ※2台

  • Windows 用ソフトウェア PC TV PlusPC TV Plus アドバンスドパック

※あくまでもソニー製の上記 SeeQVault 対応レコーダーでの話であり、他メーカーでの挙動は不明。

検証結果

いくつかのパターンで検証してみた。中には「これでもいいかも?」という方法もあるかと思う。もしも私のような悩みを持つ人がいたら参考にして欲しい。(2023年11月4日現在の結果であり、何らかの仕様変更があり挙動が変わる可能性もあります)

なお、ここではわかりやすく「移行元レコーダー」「移行先レコーダー」「移行元 SeeQVault HDD」「移行先 SeeQVault HDD」で説明する。なお、前提として「移行元レコーダー」に録画されていた内容はすべて「移行元 SeeQVault」へ移してあるものとする。


1.「移行元 SeeQVault HDD」と「移行先 SeeQVault HDD」を「移行先レコーダー」へ接続

先述の通り「移行先レコーダー」の後面 USB ポートへ接続すると、HDD 登録を促されると同時に初期化を要求される。これだと今まで録画していたものは当然消えてしまうため、後面ポートへ接続はできない。前面ポートでは、これも先述の通り録画として使えないが再生はできる。したがって、「録画されていた HDD を繋いで再生さえできればいい」という場合は、苦労せずに十分コレで目的が達成できる。

また、再生だけではなく「移行先レコーダー」へダビングすることも可能。この場合、当然ながら「移行先レコーダー」の空き容量次第でダビングできる番組の量が変わる。なお、前面ポートへ接続されたものは何故かダビング10で録画されていたとしても、コピーワンスとして認識されてしまうため、ダビングと記載したが、正確にはムーブとなる。

但し、残念ながら「移行元 SeeQVault HDD」から「移行先 SeeQVault HDD」への直接移行はできず、必ず「移行先レコーダー」の内蔵 HDD(空き容量に注意)へ移行してから「移行先 SeeQVault HDD」へ移行し直す必要がある。また、一度に移行できるのは99番組までであるため、手間と時間を要する。

なお、先述の通りすべてムーブとなるため、移行を終えたものは「移行元 SeeQVault HDD」から消えるため、誤って同じ番組を繰り返し移行してしまうミスは発生しない。

2.「移行先レコーダー」からお引越しダビング機能を使う

「移行先レコーダー」から「移行元レコーダー」を指定し、録画番組をダビングする機能である。普通のダビングと同じような挙動になるので、ダビング10の録画番組であれば、ムーブと違って「移行元レコーダー」に残るが、移行先はコピーワンスとなる。これを良しとするかで判断がわかれると思われる。

ただ、この方法はあくまでも内蔵 HDD でのみダビングの対象になるため、「移行元 SeeQVault HDD」の録画番組をいったん「移行元レコーダー」の内蔵 HDD に移さないとお引越しダビングができないことになる。SeeQVault HDD で 3TB あるのに対し「移行元レコーダー」は 0.5TB なので、正直しんどい。もう1つしんどいのは、こちらの方法もレコーダー本体操作で番組移行するときは一度に99番組までしかできないので、番組数が多ければ多いほど手間と時間がかかる。なお、ムーブではない番組は「移行元 SeeQVault HDD」に残るため、同じ番組を繰り返し移行しないように注意する必要がある。

3.PCを使って移行する

「PC TV Plus」 というソニー製ソフトウェアがある。ソニーのブルーレイハードディスクや nasne を持っている人はぜひ使ってほしい。PC から録画内容を視聴するのはもちろんのこと、録画予約や番組名変更なども行え、非常に便利。これに「アドバンスドパック」というライセンスを追加すると録画内容の編集ができたりするのだが、SeeQVault HDD の再生やムーブもできるようになる。
「移行元 SeeQVault HDD」の番組を PC の HDD へムーブ(ムーブバック)してみたところ、一気に多くの番組を PC の HDD に移すことができた。また、これを「移行先 SeeQVault HDD」へも移し直すこともできる。移したものを「移行先レコーダー」の後面 USB ポートへ接続をしたところ見事に認識ができ、再生ができた。
やりたいことがコレだ!!と喜んだのもつかの間、大変なことに気が付いた。どこかのブログで「PC に移すと SeeQVault の情報が消えて自由度が高くなる」というのを拝見した。それが関係しているのかわからないが、チャプター情報が消えてしまっているのだ。CMが来たら飛ばす私にとっては痛すぎる、移行方法としては NG。

まとめ

  • チャプター情報が消えても良いのであれば、圧倒的に3番目の方法。手間も時間も軽減できる。但し、ソフトウェアと PC に十分な空き容量が必要。

  • コピー可能回数を残したいのであれば、2番目のみ。その他の方法ではダビング10でもコピーワンスになってしまった。

  • 1番目は少しずつ見ながら移行するにはやりやすい。コピーワンスで十分であればこれがオススメ。

我が家では1番目を選択。コピーワンスになってしまうのは痛いが、移行作業に手間をかけるよりは良いと判断。どうしてもダビングしたいものがあったら、ごにょごにょ(自己検閲)すれば何とかなりそう。

さいごに

私がやろうとしていたことが珍しいことなのかわからないが、検索をしても情報が見つからなかった。1件だけ同じようなことをしているわかりやすい情報があったが、キャプター情報が消えることは記載がなかったので、いつか誰かの参考になると思い、ここに記録した。文字しかないためわかりにくいかも知れないが、ご愛敬(?)ということで。(ごめんなさい)

今回の検証。そもそも前面 USB に接続すると readonly になるという理由で強制コピーワンスにさせているのであれば仕方がないと思うが、前面に繋いだ SeeQVault HDD に対して番組削除はできたことを考えると readonly とは言えない。であれば、ダビング10 の場合はコピー回数の上書きができると思われ、強制コピーワンスにする必要がないのではないか。いろいろしがらみがあってこのような仕様になっているのだと思うが、この不思議な仕様をどうにかして欲しい。


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