ciao3
理佐:やぁ後輩!久しぶりだね!
理佐先輩はいつも通りの屈託のない笑顔で話しかけてくる。
こっちの気も知らずに…
〇〇:何用で一階に来たんですか?
理佐:〇〇に会いに来た!
一瞬、心臓が飛び出る感覚に見舞われる。
勘違いするな、理佐先輩が何の用事もなしに俺のところに来るわけがない。
〇〇:それは無いですね。
理佐:バレた笑。中学生の時、部活中に借りてそのままだった本を返しに来たの。借りパクしてごめんね!
〇〇:わざわざありがとうございます。高校でも水泳部に入ってるんですか?
理佐:今は映画部に入ってるよ。〇〇は水泳続けるの?
水泳部に入るつもりだったが、理佐先輩がいないならば水泳はもういらない。
〇〇:いえ、他の部活に入ろうと思ってます。
理佐:そっか、よかったら映画部入らない?
〇〇:んー考えときますね。
そう言って興味がないふりをした。
〇〇:そういえば俺スマホ買ったんですよ。
理佐:ほんと⁉︎LINE交換しよ!
念願の理佐先輩のLINEを手に入れた。
メチャクチャ嬉しい…
LINEを交換した嬉しさを噛み締めていると鐘が鳴った。
理佐:ヤバい!速く戻らないと怒られちゃう!
焦りながらもどこか楽しそうな理佐先輩を見ていると、不覚にも可愛いと思ってしまう。
あぁ、俺は本当にこの人のことが好きだな。
理佐先輩から顔を背けて思っていると、不意に彼女が耳元でこう言う。
理佐:ねぇ、〇〇はまだ私のこと好きなの?
まるで心臓を握り締められたかのような感覚に陥り、思考が停止する。
彼女の瞳が僕を逃さない、逃がしてくれない。
〇〇:えっと…それはー
彼女からの質問に戸惑い、意を決したその時…
七瀬:〇〇君!オリエンテーション始まるよ!
振り向くと憎き相手がそこにいた。
つい先程まで七瀬に対して腹が立っていたが、今回ばかりは感謝せざるを得ない。
〇〇:わかった、今すぐ行く。理佐先輩それではまた。
理佐:うん!またね!
なんとか窮地を脱し、俺は七瀬と共に教室へ戻った。
オリエンテーションは体育館で行われた。
B組のオリエンテーション内容は男女混合の二人三脚…この高校は頭がイカれているのか?
二人三脚のペアを組むように指示されるが、生憎とペアを組めるほど仲が良い人がいない。
困ったな…ペアを組んでくれる人がいない。
七瀬:〇〇君!仕方がないからなながペア組んであげるわ!
隣にいる奴がなんか言っているがとりあえず無視をしよう。
七瀬:ちょっと無視しないでよ!ななと組めば良いじゃん!
こいつとだけはごめんだ。
てか、高校生にもなって一人称ななかよ笑。
他の人を探していると、B組全員がこちらを向いていることに気づいた。
七瀬:ほら!早く紐結んで練習しようや!
どうやら俺に選択肢はないらしい。
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