花火の夜に

‪数日前、ふと発寒北地区会館の前を通るとあじさいが咲いていたので写真を撮った。小学生の頃はここの公文式に通っていた。先生はまだ元気でいるだろか。

手前の交差点にはひまわりがある。9歳の花火大会を見に行った日のことは今でも鮮明に思い出せる。2003年の7月19日金曜日は豊平川の花火大会だった。公文が終わって、父さんに車で迎えに来てもらった。ちょうどそのとき兄ちゃんの同級生で家族ぐるみで仲の良かった綾香ちゃんが公文を終えて外に出て来た。前の年なんかは僕ん家と綾香ちゃんと兄の涼くん家でみんなで花火大会に行っていたし、夏休みには浜益の海で一緒にキャンプをするのが恒例になっていた。僕は兄ちゃんの後ろをついて家に遊びに行って、兄ちゃんの友達たちに遊んでもらったりもしてた。

車の窓越しに、これから花火大会に行くんだよって話すと、夏がよく似合う女の子はとてもうらやましそうな顔をした。豊平川に着いた頃、母さんの携帯電話が鳴った。家にいた父さんはサイレンの大きな音を聞いたという。あのまま一緒に花火大会に連れて行ってあげたかったね。って母さんは言った。

自転車に乗っている僕のことをきっと見守っていてくれていると思う。僕はいつも思い出すんだ。思い出してることを実感しないぐらいに僕の心の奥のほうにあの笑顔がある。だれかに会うために、見たい景色を見るために、僕はペダルを漕ぐ。帰らない日もあるけど、帰るためにまたペダルを漕ぐ。

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