theピーズ

大好きなバンドが、30周年を迎える日に武道館公演。僕にとって初めての武道館だった。

ピーズとの出会いは高校時代、軽音部の友達が焼いたCDRをまわしてて、僕もそのバンド名や曲名に興味があって、借りた。ブッチーメリーのA面の方だった。軽音部の友達はその頃、爆弾ジョニーというバンドを組みライブをやりまくっていた。そんで今ではそのピーズが直属の先輩という、その頃では嘘みたいな現実。
爆弾ジョニーの高校時代のライブや楽曲は、僕が歌うことになった、最初の理由で最大の理由だ。だからあいつらが聴く音楽はいったいどんなだろう、どうすれば追いつけるだろう、と思った。というより一緒にロックンロールの話をしたいだけだったな。同じ頃に僕はブルーハーツを、ゴーイングステディを、ミッシェルガンエレファントを、毛皮のマリーズを、黒猫チェルシーを、かじりつくように聴いた。そして札幌のライブハウスにかよった。かっこいい大人というものが実際に存在する、しかもすぐ近くにいることを目の当たりにして、憧れた。僕もなにかしなくちゃ、できる、やるぞという一直線の気持ちだった。
ところでたっくん、元気にしてるかい?

19歳、大学に行く道でピーズばかり聴いていた。10代最後の年は10代なりに相当もやもやむらむらしていた。発寒南駅までの自転車の景色、発寒南駅からの東西線のにおいは、生きのばしを聴くとき今でもはっきり思い出せる。イヤホンをして学校内を歩けば、くだらない会話も聞く必要がなかった。この年は、アルキネマが発売された25周年の年で、アルバムを発売後すぐに買った。ワンマンのツアー、ライジングサンロックフェスでライブを見た。当時のバンドメンバーの日野くんや爆弾メンバーとピーズの会っていうのもやったな。ライブ映像見るお泊まり会ね。そうだ、19歳の夏は片思いにやぶれて、またピーズを聴いた。

20歳、恋人ができてお付き合いをした。この頃に出会って好きになった音楽は僕にとって大切なのが多い気がする。背伸びせずに歌えるよつになったかもしれない。でも、2人きりの部屋で流れるピーズは正直ぜんぜん良くなかった。なんでだろ。お付き合いは10ヶ月くらいで終わりを告げ、相当僕はどうしようもない感じだったな。かっこわるかったな。
現ポリスターズの東郷さんや、つばくんともよく話したり遊ぶようになった。真夜中を走る車の中でもたくさんピーズが流れてた。2人からも本当にたくさんの音楽をおしえてもらった。なにより音楽を聴くこととやることの本当の楽しさと意味を、車の中で見つけることができた。車が走る真夜中の時間のことは、今年つくった帰れない才能 という曲で歌っている。東郷さんがこのあいだ東京に来たときのことは、グッドラックという歌にもなっている。そうだ、僕も歌ってんだ。

ピーズをたくさん聴く時期、すっかりご無沙汰になる時期、みたいのが僕にはあって、みんなにもあるのだろうか。そんなことを繰り返しながら僕は札幌でバンドを新しく組み、メンバーがいなくなり、東京へ来た。武道館へは電車で1本でいけるのが信じられなかった。もうすぐ24歳になる。

とにかくピーズが大好きだって武道館のライブを見たらなおさら思った。ライブのことは、こういう場所まとめて書くと、なんか薄まっちゃう気がする、文章整えたりかっこつけたりするから。ツイッターにもとことこ書いてしまったし、いつかこれを読んだ誰かと酒飲んで語り合えたらいいなと思う。うーんせっかくなので、たまらなかった三曲、ノロマが走ってく、鉄道6号、生きのばし です。どっかにいこー、クズんなってGO、温霧島もよかったなー、もうきりがないのでこのへんにしとくね。


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