やっちゃんの店 西荻窪 のみ亭

大好きだったのみ亭のやっちゃんが旅に出て3ヶ月が経った。のみ亭のドアのガラスの文字は消えてのっぺらぼうになっていた。最後にのみ亭に行った日は、やっちゃんがいなくて変な感じがした。まだやっちゃんは旅してるみたい。7月の10日ごろにつくった歌の名前は、のみ亭 です。

のみ亭

くすんだ時計の針は いつもちょっと進んでた
なのに最終電車 いつもはやすぎるんだ
カウンターに浮いてるりんごのジュークボックス
あたらしいもむかしも 平等でおんなじだ
誰かが歌いにくる夜 料理はおやすみで
うたとうたのあいだで 米焼酎お湯割りをひとつ

手書きのメニューは見慣れないカタカナで
遠い国のにおいがする 懐かしい味がする
ライブや芝居の チラシ とモノクロ写真
あたらしいもむかしも 木の壁で寄り添っている
35年の時空と足跡
今が何時だってなんでもよくなる

なにひとつ持たず旅に出たのさ
知らない味とか 音をさがしに
遠くのどこかの店で いつかの誰かと会ったり
そして、今夜はきっと歌を聴きに

やっちゃんは旅にでた のみ亭はどこへいくんだろう
魚醤の瓶とか 帆立の貝殻の灰皿
ピンクの電話も机の下のフォークギターも
あたらしいにおいと音がするのを待ってる
あの道をいけば灯りがみえてさ
扉をあければ カウンターのこちらがわ
いつもの椅子にすわって くしゃっと笑う

なにひとつ持たず旅に出たのさ
知らない味とか 音をさがしに
遠くのどこかの店でいつかの誰かと会ったり
そして、今夜はきっと歌を聴きに

生落花生の季節が 今年ももうすぐ
クミン炒めと バミーヘーンとキヨシロー
いつだって会えそうさ そんな気がするんだ
またあそびにいくよ 夜どおし歌おうよ




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