恋におちたら

底知れぬ推進力がうまれた。もはやうまくいく根拠もきっかけもなくても、眼に映る平凡な空き缶すらも高彩度のフィルターがかかって、ペダルも足取りも軽くなってくる。もしやと気づきかけたときはもうだいたい手おくれだよ。

本当は夜明けまで話をしたいが、たった1時間でもいい。最初はやっぱりコーヒーでしょ、最初だもの。甘くしたり白くしたりするんだろうか。煙草の銘柄なんなんだろう。そのあとビールを飲みにいって、何杯目かになったら飲むんだろう。好きな食べ物なんだろう。
聞きたいことはすでにあふれてる。1日で足りないよ。そこから広がる話はどんなふうだろう。コンビニのアイスにかじりついたり、そんなに美味しくない素朴なラーメンを食べながら、君はどんな顔してなんて言ってなにで笑うんだろう。どんなふうにかっこつけちゃうんだろう。どのくらい素直に言葉を交わせるんだろう。
昔に出会った頃と違う目。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?