慣れること、麻痺すること。

慣れるということは、感覚の麻痺、もしくは感覚の昇華。だんだんわかってきたり、だんだん感じなくなったり。

どんどん好きな音楽が増える。どんどんお酒が好きになったり味がわかるようになったりする。ラーメンがやめれなくなったけど今は前ほど興味がなくなったり、カレーライスが好きになったり、本当に美味しいものがわかるようになったりする。
何かやり遂げたあとの、飲食は美味いと知る。
失恋をしてラブソングが好きになったり、好きな人を思って空を見上げることが好きになったり、青い空夕焼け夜の月を仰いで見たり。ひねくれてかつては分かり得なかった音楽に感激したりする。本物と偽物違いがはっきりとわかるようになる。汗を流したりときにくちびるを噛んで働いてそのあとのお酒が美味しかったりする。ビールの味をライブハウスで覚え、日本酒ウイスキーワインとブームが来て、飲み方を覚えては失敗したりする。

はじめては刺激が強いから、とてもいいなと思う。反対に刺激が強くてよく分からなかったりする。

強くなるということは、いいことかもしれない。失恋や、失敗や、失望。だけど強くなりすぎてしまったら、いつかなにも感じなくなってしまうのかもしれない。ぜんぶ、そんなもんだと、仕方ないんだよと、あきらめがつくようになって、できることは増えるかわりになにかを失うのかもしれない。

だからこそ、いかしたバンドをやろう。終わることのない恋愛をするんだ。

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