借り住まいへ向けての仮住まい

札幌市西区役所へ来てる。
転出届には名前と住所と電話番号ぐらいしか書くことがない。

平日の午後とはいえ3月も半ばだから、38人待ちだ。それでも504番はもうすぐ呼ばれる。あっという間に手続きは終わるのだろう。初めて東京に住んだのが2月17日で去年帰ったのも2月17日だったから、せっかくなら今回もそうしたかったなと思ったりするけれど、この1ヶ月でやれたことの大きさを考えるとまちがいないだろう。有給ももらえたことだしさ。あと10日をきった、この暮らし。いよいよだ。といっても友達の家に仮住まいをさせてもらう。ほんとうのはじまりはその先にある。一人で暮らすという未知にかなり期待してる。続いていく人生をどう生き抜いていくかについて考える。歳はよろこんでとっていきたい。でも想像できないぐらいの年齢になったとき僕はどうなってるんだろうな。考えることはたいせつだ。だけど考えてみてもしかたないよ。どこへも行けるのだ。じゅうぶんすぎるこの自由を手に余したくはない。一度きりの人生の操縦桿は僕のもの。

番号が近づいてきて、少し緊張してきた。

手続きは一瞬で終わった。

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