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いいニュース

外は雨。雷がごうごう鳴っている。休みだった今日は一日家にいた。もちろん天気のいい朝のうちに洗濯をして、楽器を弾いたり作業をしたりごろごろしていた。散歩がてら暗くなる前にスーパーへ向かった。ちょうどいま雨が降り出したよという時分だった。湿度の高さに、皮膚がぬるい膜で覆われる感覚はひさしぶりだ。今年は高温も多湿も味方につけていけるだろう。サウナがあればね。またまたの緊急事態宣言でサウナのストーブは停められている。サウナがないと死人が出ると大袈裟じゃなく思う。生き伸びる拠り所にしている人はたくさんいるから、ああ困っちゃうね。

来月には28歳になる。意識した27という数字。同級生が結婚したり、音楽をやらなくなったあの人も結婚するのだろうなと思ってみたり。しかし今の僕はどっぷり音楽の中にいる。SECHI、レテパで週に1回か2回はバンドでスタジオに入る。通退勤で音源を聴き、家でベースを弾く。少しずつベースも身体に馴染んできて楽しい。自分のソロ活動は気まぐれだが、いつだって歯車が回れば新しい歌を生み出せるようにアンテナをたてている。その歯車を噛み合わせるために僕はフリーターでいることをやめた。良い意味で今までと変わらず、嬉しい面はいくつもある。新しく革靴を買った。ちゃんとかっこいいのを。まだ硬いし速くは走れないが、しっかり歩いていけそうだ。きっとそんな感じだ。

いいニュースがある。
僕の夢はロックンロールバンドで歌うことなんだけれど、隣でベースを弾いてくれる人に出会った。先輩が紹介してくれて、先月の企画のときに彼と初めて会った。真面目でユーモラスな男で、まあとにかく僕たちは友達になった。彼が僕の家に遊びに来てくれた日はとても楽しかった。なんの音楽もかけずに、ずっと話をした。生い立ちのこと、これからのこと、知らない人を知るって面白いな。それでも時間が足りなかった。僕は少々歳が上でも(いや、ひとまわり上でも大好きなら)親しみを込めて、敬語を使うのをやめるんだが、彼は年下の僕にずっと丁寧な敬語を使い続けた。そう、話し方がすごく丁寧な人なんだ。だから僕もつられて敬語で、しかも一人称はよそゆきの「僕」だった。 誤解のないようにもう一度言うが、この日は本当に楽しかった。これでもかとたくさん笑った。

というわけで、あとはドラムが見つかればバンドができてしまう。ここまでくれば簡単、とはいかないが仲間がひとりいるだけでこんなにも勇気が出るんだな。もしかすると、すぐにもしかするかもしれない。今は希望でいっぱいでいさせてくれ。いい報告ができるといいな。忙しくなるといいな。楽しくなるだろうな。

恋人がいなくてよかったなんて思ったのは初めてだ。


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