ここから一歩も通さない

明日は奥山漂流歌劇団11人編成でライブなので今夜はリハーサルだった。ガジーさんのマンドリンとたやちゃんのバンジョーがすばらしくて心底いいなあと思った。どっちも弾けるようになりたい。ほしいなー。帰りぎわ、たやちゃんがディラン好きですかって言ってきて、その質問にすこしおどろいたけど、ああそうか前の練習でTシャツがディランだったからかな。歩きたいんでって言ってた気持ちが少しわかる気がした。心地よい冷えが街をしんとさせてたから。僕と吉江はふたりで地下鉄に乗って発寒南駅を降りてからも、車内で話した話をずっとしてた。外には誰もいなくて、ちょうど今の僕らの話にはぴったりだった。未来の話をたくさんした。いいことやり続けたいね。吉江が僕にレーベルをやったらいいと思うって言ってくれた。そういえば前々から考えてたことはあるけど、ああたしかにこれからの僕のやりたいことに直結するかもしれないって思った。巻きこみ巻きこまれて、楽しいことをやりたい。それでいてゆずれないところはゆずらないままで。すごいものを残したい。広めたい。歌う人、演奏する人、録る人、撮る人、書く人、料理する人、見にくる人たち、集まっていい夜をつくるんだ。大人の言うことは、きかなくていい。歌えてれば、それでいいよ。でもそれは最低限でしかなくて、限りはないはずだから。

歩きながら文字を打つと指がかじかんでくる。雪が降ってる。また街は白くなる。明日で11月もおわりだよ。あ、ビール買うの忘れたって家の前で気がついた。トリスを飲んで、寝る。ちゃんと布団で寝る。