名前をつけるなら

きのうは仕事終わりに約束があり時間までミンガスコーヒーに寄った。いつもおいしいがゆうべはかくだんコーヒーがおいしく入っていた。へとへとで飲むビールじゃなくてコーヒーもなかなかいいものだね。あの男の人が淹れるのいちばん美味しい気がする。今月から煙草が吸えなくなって少しざんねんだったけど流れてるジャズのトリオの音楽のドラムがかっこよかったな。耳に意識がいって読書にあまり身が入らない瞬間があった。読んでいたのは直前に買った三島由紀夫の「命売ります 」 函館の堀木光太郎に勧めてもらった小説。描写が独特でいったんまばたきをして思い浮かべるのが気持ち良い。読み進めていこう。来月は函館にライブをしにいくよ。

店を出て、東京の友達と少し電話で話した。いい波がきているみたいでとてもうらやましい。きっとなにもかもがうまくいく。

時間が来た。薄野のニッカの看板の下で、まると落ち合った。夏の大通公園でゆっくり話して以来だったし、店に入って飲むのは本当にいつぶりだろうか。えぞまつという店に連れてってくれた。焼きなす、いぶりがっことクリームチーズ、いたわさ、柚子胡椒ささみ春巻き、オクレツ、納豆チャーハン、ぜんぶおいしかった。とりわけ素晴らしかったのは、やきなす。というかこんなに頼んだのか。信じられないぐらい安かったよ。瓶の赤星で乾杯して、三岳の水割り、こんぶ焼酎お湯割、泡盛の水割りは二杯飲んだ気がする。会話はものすごく弾んで、日々思うことや制作のことなんかを話し合った。彼は詩人で僕は歌を歌うが根っこの部分は似ているのかもしれない。デラシネナイトなどの思い出話なんかを時に挟みながら箸は進み気分良く酒がまわっていった。お互いの気分やリズムがずれていると話してもちぐはぐになることがいつかにはあった気がするけど、ゆうべは本当にびたりと話がかみ合う感じで、気がつけば終電が過ぎていた。終電終わったよと言った僕にまるは笑いながら怒っていた。終電もなくしたことだし、タビビトキッチンに向かう。いつかみたいにバスペールエールの瓶をぶつけてそのあとはラフロイグを飲んだ。店を出て、狸小路の反対のほうへ歩いてベンチに座り緑茶割りの缶を飲んだ。脳みそはとろけはじめていてずいぶんな話をした気がする。ところどころ覚えていないかもしれない。家に帰り布団にもぐりこんだのは4時半だった。3時間後に寝坊気味に起きて急いで支度をして自転車に乗って家を出た。まだ酔っ払っているんじゃないかと思った。気のせいじゃないかもしれない。働かない頭のモーターを回していちにちを乗りきった。すっかり冬用の部屋着に着替えて、今度はレコードを回して麦とホップの冬小麦をあけた。もうすぐ娘が産まれる兄が名前をこれにしようと思うんだよって連絡をくれた。たのしみだね。

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