ひとりがきわだつ

なぜかクリスマス・イブが休みになっていたので精いっぱいの早起きをした。前日兄ちゃんと飲みまくった二日酔いの身体を布団から引き剥がして洗濯機を回した。目的地に行くまでにちょっとした買い物を済ます予定だったので賑わう街角をすこし歩いた。それほど時間はなく、どこもかしこも人が溢れそうで、そりゃそうかとあきらめて地下鉄を乗り継いで環状通東駅のバスターミナルへ向かった。モエレ沼公園行きのバスにちゃんと乗れるのかなとか、そわそわした気持ちの中に平常心を探した。冬至を過ぎたばかりだから昼間でも太陽が低くてずっと陽が傾いてるような感じで僕はそれが好きだ。なにより今日は休み。なにをしたっていいんだ。冬のモエレ沼公園は初めてだった。雪が音を吸い込むからしんと静かで、立ち並ぶ木や白い山や橋と、空の青と雲がとてもきれいだった。えらく遠くに来たような気分になれた。

帰り道は空が焼けはじめていて、なんだかいろいろ考えてしまってたのが、すっとした。サンダーボルトが流れた。これから甥っ子に会いに行く。むしろこんなイブもいいじゃないの。今年ならでは、でさ。またクリスマスが来る頃どうしてるだろう。メリークリスマス。


どんな人もひとりのこらずクリスマスからは逃れられない。それっておもしろいよ。

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