うごかす

口で言うのは簡単なことだし、口に出すことでプレッシャーをかけるような気分ではない。少なくとも今。はたちぐらいのころはもしかするとそちら寄りな人だったのかもしれない。あせりというものを僕は昔から感じにくく、子供、学生、受験など事あるごとに母さんにそう言われていた。やりたいと思う気持ちが、今しかないというものならば僕は一生懸命火をつけるだけだろう。

とはいえ、このまま足踏みもせずずっと夢だけ見たままでたまるかっとは思っている。たびたびここに書くとおり僕はしばらくの間、今じゃないと理由だけ並べてきている。でもたしかに今ではないと感じたのでなにもせずにいる。聴こえている音だけはあまりにも確かにあり、歳をとることも(もしかすると考えようによっちゃ)ただ過ぎるだけの働く日々にもおそれはないのだ。

その、時がくればやるし、来なければそういうことってだけだ。来ないわけがない。

来ていく服を選ばない日常の中、気分で靴下やパンツだけは選んでいる。もっともっと食事いや暮らしもその場所も選んで僕は暮らしたい。来ていく服を選ぶ日は乙女ぐらいはハート弾むのもちゃんと知っている。

そんなのっぺりが続く今、できるだけ(新しい暮らしのためにお金の使い道に気を遣い)外に出ようとしてみる。音のなってる場所や心の通えそうな人のいる場所に出かけてみてる。そうすると不思議と狙わずとも続きが続いたりする。そうやって僕は知らない空気を吸って、懐かしくて新しい気持ちに沸き立っていくんだ。別にがんばらないまま心のままでいい。歌はずっとずっとだんだんできなくなり、破片だけを置き場の限られた荷物の上に積んでいる。

街へでよう。歌おう。光のあるほうにね。

もっといたかったような気もするひかりのうまを後髪ひかれぬふりをしてあとにして、阿波踊りに沸いた人の行き交う駅へ来た。もしかして長いと思い込んでた夏が今年はもう終わるかもって、朝と夕方の自転車で見た雲を見て思った。いつかの夏ばかり思い出してる。今年の夏はどこにあるの。君はどんなこと、思っているんだろう。抱きしめたい気持ち、いつでも出せるようにトートバッグにしまってある。ちょっと前だったことが少しずつ遠くなる。歳を重ねたとして、いったいなにができて、いったいなにができなくなるっていうんだろう。あまりなにも気にするなよ。んん、気にしてないつもりだったよ。僕が誰にもなれないことを僕は愛してる。夏が終わってもいいから、ふたりでどこかにいけたらいいね。家族、友たち、いい顔でまたすぐ会おう。

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