褒められたがり・褒めたがり

紺野バラードことじゅんじと前々から話してた発寒のスナックで飲もうよが昨夜実現。まずは琴似で居酒屋スタートにしようということで琴似では有名な鳥太郎の兄弟店・魚太郎へ。じゅんじは貝が好きらしい。飲み放題のビールが一番搾りだったのもなかなかよかった。いわしのフライがぜっぴんだった。当たり前だけどビールおかわりするごとに饒舌になっていった。じゅんじとは帰札してからの友人だしこうしてわざわざ席に座って飲むのは夏以来二度目のことだ。お互いにお互いをちょうどよく・よく知らないので話は尽きる気配もなかった。酔いもまわり僕が酔っ語りモードになりかけのころ、じゅんじの気持ちは次の店に向かっていた。僕がさいごに流しこんでるころ彼はもうコートを羽織っていた。JR琴似の冷えたホームはいかにも冬のにおいがした。もう二度と会わなくなるときみたいなことをじゅんじは言ってくれた。一駅分を歩かなくてよかったってくらい鋭い風が吹いてたからまるで山でも登ったようにスナック・月(ムーン)にたどり着いた。店のドアを開ける前に想像したとおりにママはソファで眠っていた。今思えばさっきまで寝ていたはずのママはずっと起きてた人みたいだったな。セイコーマートの常連で大好きだった陽気なおじちゃんが一曲だけ歌って帰っていった。神社の祭りの のど自慢で優勝したって噂のとおりすてきな歌だった。ママは歌おうっていつものとおり言って、店で三人になった僕たちはどんどん歌った。じゅんじとママはちあきなおみをたくさん歌っててかっこよかった。ママのジョンレノンのジェラスガイとスローバラードはやっぱり最高に素敵なのだ。清志郎のジャンプをスタンドマイクで歌ったらママに今まででいちばんって褒められた。そんなこんなでまだまだ歌い足りない気持ちで日付をまたぐ頃には店を出た。2月になったばかりのしんとした通りに除雪車が轟音を立てた。

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