はじまり はじまり

はじまるときはやっぱりスタジオミルク。部屋もそんな気がしてた通りやっぱりAスタだった。18のときもそうだった(一曲目に合わせたのは はじまりという歌だった。) 今日の夜が来るのを心待ちにしてた。でも冷静にどんな音が鳴って、どんな曲にしようかって考えてた。ずっと前から。僕の新しい歌はどんなふうになるんだろう。って。早めに着いて、鍵を開けて、プチプチでくるんだエフェクターを一個ずつ置いて線をさして、チューニングをして、到着を待った。音ができあがってジャズコーラスが鳴った頃、ふたりが部屋に入ってきた。

今夜はじまりに鳴らしたのは、あの思い出の歌だったよ。

もっともっとくわしく書きたい、どころか、今日3人で作った音をもはやみんなに聴かせたいぐらいの気持ち。おおっぴらに大きい声で発表したいけど、まだあっためる。またスリーピースなんだというのだけはもうお察しのとおりだ。インスタ・グラムにはこっそり写真が出ている。

とにかく楽しい時間だった。自分の歌が複数の楽器で演奏されるという体験は、なんと2年半ぶりだったのだ。僕はいったいなにをしてたんだろう、ね。東京にいって、バンド組めなかったから、組まなかった。ドラムとふたりとかはあったけど、3人以上いるのは本当に札幌の最後以来だったんだ。でもね、そのあいだYAMAHAのFGと歌だけで、やっててさ、ひとりだったから歌もエレキギターもコツがわかった。ぜったいそう。ミルクのジャズコーラスとダシュンキから託されたテレキャスターは最高の音で鳴った。ミルクの割れたスピーカーとベリンガーのマイクでも、声はよく伸びた。聞き馴染みのあるベースが側で鳴った。はじめて聞くハイハットとスネアが弾んだ。こんなこと、できるんだ。こんなに楽しいんだ。知ってたけど思い出した。それにもっと楽しくなる。

なによりこの3人だからできることが今日でちゃあんと見えた。ライブは決まってない。時が来たら。時が来るまでだよ。僕らがなんて名乗ると思う?僕は楽しみだからさ、たのしみにしていてよね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?