ずるいことはしてはいけない

雲の少ない晴天が続いている。やりたいときに洗濯もやれる。歩いて行き帰りも続いている。

今週の半ばのある日、すこし寝坊してしまい自転車に乗ろうとするとハンドルにメモが貼ってあった。「不注意で自転車を倒してしまい、スタンドを折ってしまいました。弁償したいので管理会社に連絡してください」と。メモをたたんでポケットへそっとしまった。僕の暮らす住宅には駐輪場がなく、そのマンションの駐輪場を無断で使用していた。だから管理会社に連絡することもそのメモにある号室へ手紙を入れることもできない。丁寧な字をかく女性と思しきその人は駐輪場へ行く度に、思い出してしまうだろう。やはりずるいことは、してはいけない。ひさしぶりに乗った自転車は、あまり楽しくなかった。人や車を避けたりするのも、なんだかとても億劫に思えた。歩くほうがいい。自転車に乗っているとスピードはつくが、考えることをやめてしまっていたようだ。