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ジャパンジャムに出演できなかった話

ご存知の通り飽き性の俺。
岐阜から帰宅し、下北で始発を待ち、
シャワーを浴び、8時頃眠りに着く。
今日は友人と二郎食う約束をしていたので、高田馬場の池田屋に2時間並び、適当にだべりながら解散。特に何もない1日だった。
昨日岐阜の帰り道酔っ払って毎日書こうかな!とか言ったけど別に書きたいことがあった日に書くでもいいかと適当にギターを触り寝る準備をしていた。

フェスに出演できなかったときの"悔しい"は「残念ですが誘われなかったです」の連絡や演者解禁の瞬間では無く圧倒的にフェス当日のSNS。悔しかった。
さらに同期の友達が今日東京でワンマンライブをしていた。その映像も流れてきて嫌々見てみるとこれもまた最高にいい。そして最高に凹む。なにやってんだ俺はと体重計に乗るとそこには怠惰な生活を数値化したみたいに増えた体重が表示されている。

忘れもしない2023年5月3日。
前日は興奮でほとんど寝れなかった。
ホテルのメンバーの部屋を訪れるとメンバーも緊張と興奮で寝れていなかった。
それほど俺たちにとってはバンドをやる上で初めてで特別な1日の一つだった。
その日はBUZZ STAGEのトッパー。
早朝からリハを終え、炎天下の中歌を歌った。興奮で声が枯れてしまったけど一生の思い出には変わりなかった。
さっきまで大人数の前でライブをしていたとは思えないほど一日中いろんなステージを駆け巡り、いろんなバンドを見て、いろんな気持ちになった一日。
帰路の準備をしながら楽屋でいつか大きなステージに立ちたいですね。何年後ですかね。
なんてメンバーやスタッフと話していた。
大きいステージはおろか、2年連続出演することすらできなかった。
自分たちと同い年のバンドや自分たちより若い世代のバンド、2年連続出演している友達だっている。そんな中俺たちは出演できなかった。

数ヶ月前、マネージャーから「残念ながらオファーもらえませんでした。」とグループラインに連絡が来る。見返してみるとすぐ別の話題に会話がすり替わり、誰も直接は反応していなかったが、メンバーはどんな気持ちだったんだろう。
俺は心のどこかで去年出れたのがラッキーだったのかもなとどこがで折り合いをつけていた。
今思えばラッキーなんかじゃない。
実力があるバンドは2年連続出ているじゃないか、友達も出演するじゃないか。

BUZZ STAGE、バズっているから出れるという簡単な意味合いのステージじゃないことも去年の演者を見て知っている。
だからこそ悔しい。
なにが足りなかった?
あげようと思えばいくらでもある。
歌声、リリース頻度、シンプルな楽曲の良し悪し、知名度、集客率、去年のジャムでのライブ。
だからこそ悔しい。
悔しければ出してもらえるなんて微塵も思ってないし、悔しがる事が美しい事とも全く思っていない。ただひたすらに悔しいのだ。
ジャパンジャムの写真や動画を見ながら、
去年の俺らの時よりお客さん多いなーなんて考える。「TikTokのおかげでお客さんの母数が多くなったからね」といつかの業界のお偉いさんの言葉が自分の逃げ道になっていることに気づく。
Tik Tok真面目に動かしてないし…
バンド柄じゃないから…ライブハウスで1から積み上げないと意味ないから…
誰にでもこだわりがあるのはいいことだと思うが、現実から目を逸らすための言い訳をするための建前の"こだわり"じゃクソだ。そのこだわりがわかりやすく言うのであれば格好良さ。いやらしさも含めて言うなら数字もそう。結果を生み出して初めて筋が通る。と、俺は思う。
だからと言ってバズる曲を書きましょう
と、安易にこだわりを捨てれるほどカッコ悪いことはしたくないから、今日も起きたら苦悩、寝る前も苦悩、を明日も明後日もしていくのであろう。

書いても書いても書き足りなかった3年前。
湯水のように歌詞が書けた時期。
思い返せばどん底だった。
バンドマンとして、ペルシカリアのフロントマンとして、矢口結生として。
這い上がるために必要だったのは酒でも女でも麻薬でも魔法でもなかった。言葉だった。
きっと少しみんなといすぎたのかもしれない。いつだって落ちる時は一瞬。
けどもう一回詩人として這い上がるために言葉を信じて死に物狂いで探せるのならちゃんと俺は痛みと向き合わないといけない。
タイムオーバー。俺が一番好きな俺の曲。
酒を飲んだり、適当に生きてヘラヘラして大事なものを見失うなら辛い気持ちや悲しい思い出も、自分を構成する一つのものだから、忘れないで、捨てないで、抱きしめてていいって曲なんだけど、まんまそれと逆の大人になってしまったなと痛感。

悔しい。昼間からツイキャスをやってお客さんに自分がどうありたいかとか、今日千葉で起きていることから目を逸らすようにこだわりやらなんやらをダラダラと喋っていたが、
嫌な気持ちにさせた人がいたらしく、見てたらごめんね、仲直りしたいです。(匿名だからわかんないけど)

きっとこの数日、去年出れなくて死ぬほど悔しい思いをした奴が今年ステージに立ったのかもしれない、立つのかもしれない。
けどそれは悔しいと思ったから立てたんじゃない。それをお客さんやスタッフ、フェス関係者に表明したからじゃない。悔しい気持ちをバネに一年間頑張れたからなんだ。
ここに書き殴るだけ殴ってお客さんに頑張る!なんて決意表明をしたら立てるもんじゃない。中垣とサシで飲んだ時いつかの居酒屋で「一回立ってしまったらもう夢を見るしかないよ」なんて言って、あんなにいい大学に行ってる中垣が就活しない選択をとった事。
夢を見てしまったんだ。5月の日がさす暑いステージから見てしまったんだ。
例え安定した道でやり直せる過去に戻れたとしても、夢を見て闇雲に突き進む未来を4人で取ったなら、横から誰かの幸せそうな声がが聞こえても、戻れないんだ。

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