初恋に蓋をする日
初恋の相手から先日、連絡が来た。
「先日入籍しました、来月には子供が産まれます」と。
初めて付き合った人とは言えど、もう9年ほど前の話になるので共に過ごした日々を鮮明に思い出せるわけではないし、今でも思い出して胸が痛むような恋でもない。
それでもやっぱり、当時中学生であった自分にとっては彼が世界の中心であったことは確かだし、どこか彼と共通点を見つけられる人を今でも無意識に好いているかもなあ、と思う(キモイかもだけど分かってくれる人もいるはず)。
そんな相手が、勿論私ではない人と結婚する。私ではない人と深く関係を築き、そして親になる。
「嬉しい」「おめでたい」「懐かしい」の中にちょっぴり「寂しい」「悲しい」が混じっていた。
別れた理由ははっきりとは思い出せない。彼の嫌だったところも覚えていない。楽しかった思い出もぼんやりしている。
そんな相手でもやはり、小さくてまん丸ですべすべな手とゴツゴツした大きな手の写真に「これから3人で頑張っていきます」なんてキャプションが添えられているのを見ると、少しだけ胸がキュゥっとしまる。
心のどこかで大事にしてきた初恋だし、再び付き合うことはないとは思っていてもインスタやFacebookの投稿には意志を持って「いいね」してしまう自分がいた。(きもいかもしれないけど人ってこういうものなのでは)
「別れるっていうのは その人の人生に参加しなくなるってことなんだ」(おかざき真里『サプリ』[祥伝社、2004]1巻p.134)
「お別れ」に対する私の価値観はまんまコレだし、お別れした相手を忘れられないだとか未だに好きでいるという経験はない。
でもこの件を通して、生まれて初めて好きになり、生まれて初めて深く関わった彼の人生にもう参加することは本当に無いんだなあとしんみりしてしまった訳です。
昔の恋人が結婚するという出来事が起こるなんて、私も大人になったなあ〜〜〜
きっとこれからも数人の昔の恋人達が私では無い誰かと長い人生を共にするスタートを切って、その度に私はほんのちょっぴりしんみりするんだろうな。
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