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日本のワクチン輸入量を検証する。

1.まずフライチームと政府の発表から

Twitter上で日本のワクチン数が当初よりも多い。反政府の考えの人は多くなった分を上級国民やオリンピックのために隠している、と述べております。この話をするには3月末までの発表にまで遡る必要があります。

結論から言えば、欧州のが正しい、政府は間違っているという人は、現時点では4月5日以降のANA便で、どれだけ増便があったか、同じ大型機でも4月5日以上の積載量が可能か証明すれば自信がつくという事です。

ファイザーワクチン輸送はANAのブリュッセル→成田便を利用しています。この報道が証拠です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012960561000.html?utm_int=news_contents_tokushu_001

政府は3月29日までと4月5日の輸入量については既に公表していました。政府の発表より航空マニア向けサイト・フライチームのサイトが3月22日まで、3月29日と4月5日は新聞報道から数量を出す事が出来ます。

そこで私は自力でエクセルの表を作成しました。

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ところで政府は23日下記のツイートを発表します。

という事で3月29日以降の輸入見込みが発表された事になります。2回接種で約2300万人分確保する事に。3月29日のフライチーム報道では、4月26日の週までは約888万人の見通しだったのですから、予定よりも2倍以上確保見込みが立った事になります。ここだけを見れば大金星です。

しかし残念ながら感染者・死者が増えていて、接種が急がれています。国民感情、とりわけ反政府の人から見れば足りないという感情になります。その部分については分析しません。

では政府がまだ出していない輸入量を想定してみましょう。実は4月12日から私はフライトレーダー24でANA238便、ブリュッセル→成田便の動きを毎日追いかけていました。機材の他、先程取り上げたNHK報道から飛行機からすぐに降ろすので、通常旅客ターミナルに向かいそうなのを、成田空港の貨物ヤードに飛行機を止めてすぐに降ろすところまで見ていました。そこからワクチンを積んでいたと想像出来る日と使用機材から下記の図の表を作りました。

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8,9,10便はB787型機、中型機で3月30日から4月4日までの間に飛んでいたようなので、B787型機で最も多く積んだ3月22日の箱数と仮定して入力。また自分が注目し始めた4月12日以降で、貨物ヤードで止まった便と機種を確認してみます。積んだ箱数は4月5日と同じと仮定して入力し、累計を出しました。

すると、自分が見ていなかった4月6日から11日の分、または12日以降に1機あたりの積載量を少し増やしたためと思われる差が9,678箱、約566万人分ありました。

2.欧州の発表が出て面倒なことに

この発表が出ました。ただEUが承認した数で、実際に日本に来た数ではないようですが、既に全て日本に来ているという前提で反政府の人は述べております。一方スウェーデン大使館のツイートもあります。

ではEUが述べている数を検証しましょう。

スウェーデン大使館の数字は、ほぼ首相官邸が4月23日に出した数字とほぼ同じです。なので詳細は略してEUの数字を分析します。

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政府発表4月末までの数字と11,148箱、652万人分(6回接種)の差があります。

一番下ですが、もしEUの数字が正しい場合、私が把握しているANA238便が全て大型機B777-300ERで4月5日と同様1700箱運んだ場合、何便違うのかという計算をすると6.5便、つまり7便です。

結論から言えば、欧州側からANA238便に積んだ量の数字が出るまでに、政府の数字が間違っている事を認証するには、上記の残り20便以外にあと7便積んだ事を証明する必要があります。それはフライトレーダー24や航空貨物の積載量など、これ以上に掘り下げる事になります。

日本政府が間違っていたら、早めに訂正を発表すべきだとは思いますが、反政府の皆さん、論理的に政府の間違いを指摘するならせめてここまでやるべきです。煽るだけではダメです。

あとワクチンは戦略物資なので、運搬では事故以外に、盗まれるなどが起きてはならないため、普通の医薬品輸送とは違った厳しさがあります。病院なら劇薬や放射性物質を扱うレベルに近いでしょうか。納品がいきなり来るのはそのためです。休診日にいきなり来るのは困る声も聴きますが、事情を知って欲しいと思います。

ここまでご覧下さり、ありがとうございました。

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